「Number PLUS 銀盤に願いを。」(3)

「Number PLUS 銀盤に願いを。」(3)

女子の記事の方も読んでみました。紀平さんの特集記事の中で、濱田コーチのインタが組み込まれていて、これは読んだことのない内容でした。

「梨花が試合で4回転を入れる前に必要なのは、もう一度基礎に戻ることです。夏の間、4回転や難しいことばかり練習してきたので、基礎をやり直す時間が減っていました。でも一蹴りの伸びとか、美しいスケーティングとかの基礎があってこそ、4回転が武器になる。コストルナヤを見れば、フィギュアスケートの勝ち方がどういうものなのかは明確です

全日本や4CCでクワドをやらせなかったのは、「勝つこと優先」だったのは分かるんですが、2月のチャレンジカップでも回避したんですよね。この点は謎だったんですが、濱田コーチの「クワド慎重論」は、トゥルソワやシェルバコワよりもコストルナヤを警戒しているから、ということが分かりました。コストちゃんを目指しつつ、さらにそこを超えることを考えているのだなと。

荒川さんの女子レビュー企画でも、同じような見方がされています。

私が一番心に残ったのは、他の2人より1歳年上のアリョーナ・コストルナヤです。「武器は何ですか」と聞かれれば、「すべて」と言えるくらい、バランスが取れている選手です。

ジュニアの頃からひとつひとつの技をきれいにこなし、基礎からしっかりと磨いてきたのでしょう。スケーティングが高いレベルにあり、しかも表現の幅が広い選手だったので、シニアになった今シーズンはどんな演技を見せてくれるのかを楽しみにしていました。

期待していた通りの活躍でしたが、あらためて感じたのは、一歩の伸びや滑らかさでした。たくさん(脚を)クロスしないと進まないのではなく、気づいたら加速できているような滑りと言えば分かるでしょうか。

そしてつなぎの良さも目につきました。この年代だと、どうしてもジャンプ直前の演技がおろそかになってしまいがちです。ジャンプに気持ちが150%いってしまっているのでは?と思えるくらいにジャンプに気を取られて、何か動作はしているのだけれど、そこに心がなかったりする。ジャンプのためのただの助走の時間になってしまうのです。

見ている側からすれば、「跳ぶぞ!跳ぶぞ!」という緊張感は伝わってくるのですが、それは演技とは異なるものです。コストルナヤはそういったつなぎの部分まできちんと表現になっていました。

中野友加里さんやマッシさんもコストルナヤを高く評価していましたが、荒川さん、そして、濱田コーチも警戒しているというのは注目です。逆に考えると、トゥルソワやシェルバコワは「クワドの確率」や今後の体型変化という点で、実力はまだ未知数と見ているのかもしれません。実際、私も女子スケーターの中では彼女が一番好きな選手ではあるんですが、ここまで専門家の間でも評価が高いというのは、ビックリです。

さて、紀平さんに話を戻すと、彼女の「アスリート魂」が垣間見られる発言がありました。

「まだジュニアやノービスの頃は、大きな試合も少なかったので、どの試合でもトリプルアクセルに挑戦していました。でも今は、大きく崩れることができない試合が続いています。慎重に冷静に、成功出来ると思えた時にだけやります。私はどんな試合も、練習試合にはしたくないんです。どの試合も勝つことを大切にしながら、冷静に判断してきました

羽生さんが「たくさんのものを背負っているから、手抜きしない」という部分とはまた違った意味で、「私に練習試合というものは無い!」と断言する所に、やっぱりこの選手はしっかり考えているのだなと感心させられました。北京で金メダルを獲るまでに「1秒たりとも無駄にしない」という決意の表れですよね。まぁ、でも、これぐらいの覚悟が無いと、ロシア勢に勝つのは難しいでしょう。

ところで、今回のNumber PLUSは、女子の日本選手の特集記事が、紀平さん一人というのは少し寂しかったです。しばらくは、紀平さんの孤軍奮闘か・・・というか、まずはそれ以前に、スケートシーズンが無事に始まることを祈りたいと思います。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. みつばち より:

    こんにちは 更新ありがとうございます。

    コストルナヤ選手は4回転をもってないけど、美しい3Aをもってます。
    なんちゃって四回転よりそれが高く評価されるべきです。

    女子の4回転は体格的に無理なのでは?でも男子の「なんちゃって」がOKならそうなるしかないんですかね・・・?

    • Jun より:

      みつばちさま

      「Quadruple Axel 2020 シーズンクライマックス」の中で、吉岡伸彦氏が「プレロテの大きさは回転不足の判定とは関係ない」と容認しているので、どんなに離氷前にねじろうがひねろうが、ISUのジャッジ的にはOKみたいですよ。判定の基準はあくまでも着氷の部分らしいです。

      まぁ、もはやそんな肩書のある人が何を言っても説得力がないので、我々は、我々の感性に従って、技術と表現の向上に精進するホンモノのスケーターを応援したいものです。

  2. ととちゃん より:

    紀平さん、本当にしっかりしていますね。元々彼女の自己管理の仕方を素晴らしいなと思って見ていました。才能は勿論必要でしょうが、最後はそこかな、と思います。

    濵田コーチには、織田くんの一件以来余りいい印象がありません。あれほど寵愛していた宮原さんが離れたことにも色々感じます。それでも紀平さんを育てた功績があるからか、木下アカデミーのトップに立ったようですね。その手腕を次世代育成に発揮して下さればいいのですが…。

    ところで、報知のセットが届きました。綺麗に折り畳んであり、とても行き届いた梱包で、高い送料も頷けました。スポーツ紙、頑張って欲しいです。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      京都の木下アカデミーの設立が発表されましたね。ジスランやランビは「ゲストコーチ」という形での関与のようですが、佐藤君がコーチ陣に名を連ねているのはビックリです。

      まだ所属選手は未発表なんですけど、紀平さんをはじめとした関大系の生徒を全員京都に連れてくるのか?あるいは、京都と大阪で2つのチームを両方見るのか。まぁ、いずれにしても、コロナが収束してからの話になるでしょう。

      報知のセットも無事に到着してよかったです。今度ぜひ感想をお聞かせください。