JGPリトアニア(女子SP)感想

JGPリトアニア(女子SP)感想

リザルト関係は「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。今季も優勝候補の大本命のトゥルソワですが、第1グループの第1滑走というのは面白いですね。ふと頭に浮かんだのが、陸上競技の100Mで、オリンピックや世界陸上クラスの大会での光景です。一次予選では、例えば、ウサイン・ボルトの場合、第1組で、しかもカメラに最も近い一番端のレーン(第8か第9)にシードされることがあります。二次予選以降は真ん中のコースなので、一次予選のみの傾向です。ぜひ、来年の世界陸上(カタール)や東京五輪でチェックしてみてください。

キル・ビルのサントラを使ったこのSPは「ロシア・テストスケート」でも見ています。このイエローの衣装は、ブルース・リーのオマージュのキル・ビル的ではありますが、でも、「フィギュアスケートの女子の衣装としてどうなんだ?」という、私の中で有る種の抵抗感が生まれたのは事実です。

ジャンプは相変わらず素晴らしい。人間離れしたジャンプの技術に比べると、スピンは多少ポジションでブレるので、若干苦手なのかな?という気もします。布袋さんの曲を使っているのは日本人として嬉しいんだけど、衣装の件も含めて、「ホームリンクでBGMをかけながら練習している風景」にしか見えません。いや、そもそもこれは、天才的な身体能力を持つ子どもに体操や曲芸をやらせている映像のようで、これはフィギュアスケートと言えるのか?という疑問が・・・。

つぎに、荒木さんの代打で急遽出場することになった、横井きな結さん。JGPはもちろんデビュー戦です。ロクサーヌは、テサモエはもちろんですが、いろんな所で見まくっていますが、彼女のような若い子が演じるとまた新鮮ですね。

ありゃ?スピンおかしいぞ?と思っていたんですが、規定を満たしていなくて、フライングキャメルがレベル1に。3FのURと、そしてコンビネーションジャンプは、やはり3-3じゃないとスコアは伸びませんね。

ただ、今大会は「経験を積むこと」が大事。フリーではぜひ、調子が良いという3Aをぶつけて勝負に行ってもらいたいと思います。

個人的に注目しているシニツィナ。先週のオーストリア大会で2位のカニシェワと同じ「パノワ組」に所属。詳しくは、FigureSkatingRussia Wikiの「こちら」をどうぞ。キスクラにはパノワさんではなく、タチアナ・モイセーワさん。

同門のカニちゃんの素晴らしいフリーの映像を脳内に描いていると、いい意味で完全に裏切られます。まさにラテンミュージック全開という感じ。そして、本来、「色気」という言葉は禁句にしなきゃならないとはいえ、とても14歳の女子が出す雰囲気じゃないです。ちょっと若い頃のリーザのような顔立ちなので、選曲面に違和感がありません。よく似合っています。

もちろん、ナヨナヨしてるだけじゃなくて、冒頭の3FはSOでしたが、その後の2本のジャンプは素晴らしい。セカンドループも跳べて、スピンの取りこぼしもなし。ある程度基礎技術が高ければ、若いうちから様々な表現にトライさせるというのが、このチームの方針というのがよく分かります。気に入りました。フリーはラフマニノフということなんで、どんな仕上がりなのか、いまから楽しみです。

岩野さん。ステップのレベル4ってなかなか見られないのですが、素晴らしいですね。スピンも取りこぼしなし。だからこそ6位に留まれたのだと思います。しかし、ジャンプが・・・。一本目はともかく、コンボをリカバリーできないと、スコアは伸びないですよね。

うーむ、先週の滝野さんにも言えますが、せっかく成熟した演技で全体としての完成度は高いのに、ジャンプでゴソっと減点されてしまうのは本当にもったいない。まぁ、切り替えるしかないですよね。3位・4位の選手をまだ追いかけられる位置だと思いますので、フリーでは開き直って頑張ってもらいたいです。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. ととちゃん より:

    何故か、また、きな結ちゃんとトゥルソワの
    動画しか見られない私ですが、フリーを楽しみに待ちます(笑)。

    トゥルソワ、衣装も演技も、ある意味突出してますね。特に、衣装から、とても自我の強さを感じました。それってアスリートには必要な面かなと思いますが、一方で junさんの仰るようにフィギュアとしてはどうなのかな、と…。

    随分前に中野さんの演技動画だったか(? ちょっと定かではありませんが)で、ボトムがタイツのみに見えた衣装がありましたが、トゥルソワの場合、ジャージに見えるのがちょっと…。でも、好きな人もいるかもしれませんね。

    きな結ちゃんは、急遽決まったので、これからですね。

    今日はフィギュアTVが羽生選手の練習映像を流してくれるそうなので、楽しみです!

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      ジャンプの難易度という点では、シニアを見渡しても、トゥルソワに比肩しうるスケーターは皆無です。じゃ、来季彼女がシニアに上がったとき、どういうスコアが出るでしょうか。

      現状では、PCSが技術点(とくにGOE)にかなり引っ張られているので、その傾向が続けば、ザギちゃんもメドちゃんも、まったく勝負にならない計算にはなります。そうなると、試合としてはつまらなくなるので、女子のクワド禁止あるいは本数制限なんて追加ルールが整備されるかもしれません。

      じゃ、逆に、トゥルソワがフリーでクワドを2~3本クリーンに降りても、ザギ・メドに勝てないのであれば、それはそれで、相当揉めることになるでしょう。まぁ、ルールによって振り回されるスポーツだということは、相変わらず今も昔も変わらないですね。

  2. sennin より:

    トゥルソワちゃんの演技は昨年はスケーティングがまだ雑な感じでしたが
    それも巧くなりましたね。私も曲芸という印象しかありません。衣装もなじめないなあ…。個人的な好みなんだと思いますが、何回もりぷしようという気持ちが起きないんですよね。否定しているわけではないですよ。
    横井さん頑張りましたね、経験として大事にしてほしいですね。私は、菜那ちゃんがみたかったですが病気では仕方ないですね。
    それにしても、韓国の選手ってみんなスタイルがいいので驚いてます。

    • Jun より:

      senninさま

      私たちはプロのライターでも何でもないわけで、好き嫌いをある程度自由に語っていいと思っています。もちろん、ウチのブログの読者さんの中にも、トゥルソワのファンはいるはずで、そういう意見を私は否定しません。人間、好き嫌いはあって当たり前なので。ただ、彼女の技術の高さと対照的に、衣装とプログラムが明らかに劣化しているのはちょっと・・・。これだけ圧倒的な勝ち方をしているんだから、本人は今の所はハッピーなんでしょうけど、メドちゃんの事例を見ているだけに・・・ね。

      荒木さんは第5戦のチェコ大会にアサインされたので、重病ということではなさそうです。第2戦で台乗りした吉岡さんもその大会に出るので、「いま強いのはどっちか?」という部分も興味深いですね。