9/16・日本選手ウォッチ(JGPカナダ・ロンバル・USクラシック)

9/16・日本選手ウォッチ(JGPカナダ・ロンバル・USクラシック)

日本選手ウォッチ3日目(最終日)です。「ロンバル」→「JGPカナダ」→「USクラシック」の順に見ていきます。「フィギュアスケート速報」さんもどうぞ。

まずはロンバルの友野君から。フリーは141.27で5位。合計216.74で総合順位も5位でした。フリーの「リバーダンス」はお馴染みの佐藤操さんの振付。ちなみに、操先生は鍵山君に同行していて、JGPカナダのキスクラで見かけました。

いやぁ、語りたいことがいっぱいあります。もちろん、冒頭の2本の4Sは残念でしたが、2本目のパンクの方はともかく、1本目は高さもあって惜しかったですね。その後は、一箇所ヘンな所でつまづいた以外は、ほぼパーフェクト。エッジの心配もなければ、スピン・ステップのレベルの取りこぼしもなし。最後のコレオシークエンスなんて、倍速になってるんじゃないの?と、目の前の映像の意味が一瞬分からなかったですね(汗)。

まぁ、去年の「ウエストサイドストーリー」が神プロだったこともあり、私の錯覚かもしれませんが、所々振付がそう見える部分もあるんですけど、友野&操先生のコンビなんだから、当然ですよね。でも、随所に新しい動きがあって、今季は間違いなく、各会場を盛り上げてくれることでしょう。この曲が彼のキャラクターに合わないはずがないので、あまり心配はしていませんでしたが、やっぱり最高にハマっていてかっこいいと思います。

さて、宇野選手。フリーは172.05で1位。合計276.20で優勝です。・・・ですが、いやぁ、驚きの「繋ぎの薄さ」ですね。まるで、ショートトラックの選手のウォーミングアップのような両足滑走とジャンプだけでほぼ大半が占められているという、摩訶不思議なプログラム。「ジャンプの点さえ入ればそれでいい」という「開き直り」具合は、分かってはいたことだけど、なかなかなもんですね。

両足滑走や繋ぎの薄さだけでなく、振付の省略具合も気になります。かつて、「窓ふき」だとか「ラジオ体操」だとか言われた珍妙な両手の動きが、今季は左手をダランと下げて右手だけの動きに簡略化され、ついにクリムキンイーグルまで消えて、まるで、坂道を転げるかのように劣化しています。彼に対して好意的と思しき方々からも、ちょっとこのプロは・・・という意見をチラホラ見かけました。まぁでも、本人もコーチもこれでイイと思っているんだから、いいんじゃないでしょうかね(テキトー)。

ここからは、JGPカナダです。三宅君のフリーは101.76で12位。合計で165.19で総合10位です。冒頭の4Sの挑戦は頑張りましたが、URと転倒。しかし、そこから立て直せなかったですね・・・。転倒した後の起き上がり方を見ていると、気持ちが切れてしまったのかも。実力はある選手なだけに残念でした。

さて、鍵山君。フリーは119.13の6位。合計194.73で総合4位でした。冒頭の3A予定が、2AのDGでほとんどスコアが入っていません。ライブで見ていたんですが、アクセルは高さが出すぎてコントロールが難しかったのかな?という印象です。その後、頑張ったんですが、最後は疲れましたね。

ゴゴレフ君がフリーでミスを連発して、見ている側も順位の面で欲が出てしまいましたが、これが現在の彼の実力ということで、課題を持ち帰って、ぜひ一皮も二皮も向けて、タフになった姿を見せてほしいです。台乗りは逃しましたが、4位は立派な成績ですし、最終の第7戦にアサインされるかもしれません。

三浦・市橋ペア。フリーは89.85の3位。合計141.40の総合4位。SP・フリーともに、オーストリア大会よりもスコアを更新し、合計で9.77点もアップ。素晴らしいです。

しかし、演技を見ると、スロージャンプはきっちり決めている一方、ソロジャンプが2つともDGというのはもったいない! 3位まで2.92点差だったので、 どちらか一つでも入っていたら、ロシアの一角を崩して表彰台だったなぁ・・・と。

ファイナル進出は無くなりましたが、来年の世界ジュニアに向けて、今年の10位を上回る成績を期待しています。

最後にUSクラシック。小松原・コレト組。フリーダンスは89.51の3位。合計142.93で、カナダカップルを僅差で逆転して、見事に3位に入りました。

まだまだ、バラつく所が目立ちますけど、この二人は、とにかく試合を経験して、自信を築いてもらうのが大事。見栄え的にも本当に素敵な二人なので、今後の活躍・飛躍を大いに期待しています。

白岩さん。フリーは115.39の4位。合計170.74の総合5位。もちろん、彼女の実力からしたら170点というのは低すぎるわけですが、それもそのはず、2A、3Sからのダブルのセカンドトウ、そして3Lo以外、全てのトリプルが刺さっています。いやぁ、これは厳しい。

たしかに、彼女の場合、高さよりも回転軸の速さで回るタイプのジャンプではあるけれど・・・。しかし、これが9月のCSの時点で良かったというべきでしょう。しっかり課題を持ち帰って、ヘルシンキのGPに備えてほしいと思います。

宮原さん。フリーは133.70の1位。合計201.23でもちろん優勝です。冒頭の3Sがダブルに抜けて、続くルッツコンボで転倒してどうなるかと思ったら、うまくまとめました。さすが、根性の人です。

しかし、回転不足の基準で分からない部分もあります。とくに、転倒のあった前半のルッツは回転も足りていないと思うのですが、URなし。その後の3Loは凄く良いジャンプで、もちろん足りています。前者(1:10辺り)は回り切る前にズドンと足から落ちてそのまま転倒しているジャンプにも関わらず、直後のループ(1:56辺り)とともに「回転が足りているジャンプ」として同列に扱われている点のみ、私には分からなかったです。

ただ、この3Lo以降、「これは大丈夫だろ!」というレベルのジャンプを連発して、実際にプロトコルにもそのように表現されています。この感覚で跳んでくれれば、間違いなく140点台のプログラムになることでしょう。

ピアソラの冬を聴くと、高志郎君の素晴らしいフリーの記憶が蘇りますが、知子ちゃんの水準から言うと、中盤のステップでスピードが若干足りなくて、やや慎重に見えました。ヴィヴァルディの冬は、最後のレイバックの部分だけですね。このスピンも相変わらずポジション・回転ともに世界屈指の美しさです。

3日間で日本人選手のすべての演技をチェックできてホッとしています。明日はLifeのアイスショー本のレビューを。そして、オータムまでは、この3試合の中でフォローしきれなかった海外勢の演技をレビューしようと思います。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. mari より:

    毎日の更新、ありがとうございます。

    ロンバルディアの宇野選手、衝撃を受けました。いくらなんでもスカスカ過ぎる。
    アイスショーの演技を動画でみた時は、リンクも狭いし、試合では繋ぎをいれてくるんだろうと思っていました。
    7か月前に、五輪で銀メダルをとった選手ですよね?お手本になるべき立場では?
    同じような立場、五輪銀メダルといえば、パトリックとかメドベドワ。
    あまりのスカスカプロに、めまいがしました。
    いまの時期、ジャンプは失敗してもいいと思うんです。
    これは、スピスケか?というような、前傾姿勢で、クロスクロス。
    時々ジャンプを跳ぶ。
    とてもとても、五輪銀メダリストのプロには思えませんでした。衝撃でした。

    • Jun より:

      mariさま

      ここまで宇野選手の新プロの評判が悪いと、プロのライターや記者あるいは専門家の誰が、いつ、本当のことを指摘するかですね。

      そういう真っ当な批評が無いのであれば、「フィギュアスケート・ジャーナリズム」なるものは(それが本当にあるとしたら)、完全に死に体と言わなきゃいけない。織田君が解説してくれれば間違いなく指摘するだろうけど、闇の力で排除されそうな予感がします。

  2. ととちゃん より:

    友野くんのリバダン、若々しく溌剌としていて本当に魅力的でした。次の試合が待ち遠しい、そんなプロでした。

    一方で宇野選手の月光は、ただ月光が後ろに流れているだけの、徹底的に音楽を無視した演技でした。何か練習を見ているような…。
    ではジャンプはクリーンかというと、そうでもない。演技後当人はそこそこ満足していたようなので、今後のブラッシュアップもあまり期待出来ませんね。彼にとって銀メダルは当人の言う通り意味のないものだったんですね。

    白岩さん、ジャンプそんなに駄目だったんでしょうか。このプロ好きなので、是非修正して見せて欲しいです。
    知子ちゃんは、確かにSPの方が完成されていますね。URの取り方、よく分かりませんが、プロトコルに関わらず問題点を自分で分かり改善出来る選手だと思うので、次戦に期待です。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      宇野選手のジャンプやスピンがダメだということは、先シーズンでも散々指摘されていましたけど、プログラムがここまでひどいというのは、意表でしたね。ガンディさんが分析を再開していますが、「史上最低の駄作プログラム」「PCSの音楽の解釈は、4.00未満にしたい」と酷評していました。

      フィギュアスケートを4年に一度しか見ない人ならともかく、ジュニアの試合もきっちり見るような我々からしたら、ちょっと受け入れられないレベルですよね。このプログラムを、某プロスケーターたちは「表現力・芸術性」云々と褒め称えるのでしょうか?

      むしろ、今回こぞって「色気」という言葉を使った地上波やスポーツ新聞の方が、「表現力なんて無いから、色気という言葉を使うしかない!」とサジを投げているのかも・・・。

  3. sennin より:

    結弦君を好きにならなかったらぷーさんに全く興味もなかったんですけど、今日は、「ぷーと大人になった僕」を観てきました。オリンピックの会見で「ぷーさんは森に帰しました」と言った言葉がぴったりで心が洗われました。junさんぜひ、皆様にもオススメです。

    鍵山君の帯同している方が操先生なんですね?いつも沢山教えて頂いてありがとうございます。junさんはいろんな事知ってて引き出しも多くてすごいですね!鍵山君、台乗り出来なかったのは残念、でも素晴らしい選手、センスありますね。三宅君本当に後半疲れた感じでしたね、衣装がよく似合ってます。
    友野君凄いわ、どこか?っていうと転倒したあとほぼ助走無しでジャンプ跳びました。曲の編集気に入りました。本郷さんのリバーダンスも良かったですが、友野君のはクドくないしあのステップもほどほどで、かといって他でチョット入れてる、途中からのあの楽器は雅楽なんでしょうか?あの部分がスローになるのでこれ、モノにしたらいいだろうなあ〜。友野君のは飛躍のシーズンにして欲しいです。「4分はキツイ」と言ってましたけど本当ですね。挑戦に拍手を送りたい。しつこいですけど、友野君も3Aの前、両手を前に掴むように持ってきますね。モモンガではないですがこうすると跳ぶ時に腕を後ろに引いて勢いも出て跳びやすいのかな?結弦君は肩甲骨も柔らかいので引きが半端ない。だから友野君は3A安定しているのかなあと思いました。
    昌磨君の演技みるつもりなかったんですが、今日の記事を読んで皆さんのコメント読んで、仕方ないので(笑)観ました。髪の毛スッキリ、身体も絞ったようでそこはいいなあ。それから、ついにクロススケーティングの王者になってしまいましたね!巧いわ。友野君のようなステップ一回でいいから観てみたい。仰る通りほぼ右腕しか動かしてない。怪我をしていなければいいのですが…。もう、ジャンプの事はやめようと思ってましたが
    スリーターン何とかして欲しい。結弦君とは言いません、佐藤くん先輩なんだしあのくらい綺麗にやってほしいですね。これから手直しするのかも知れないですが、イーグル等長すぎ、どうしたんだろう?4分になって、でも4回転ジャンプ入れたいからか?休憩の多いプログラムに見えました。

    今季の知子ちゃんの衣装凄く素敵ですね。今までで一番好きかな?よく似合っていて落ち着いた大人の女性っていうイメージですね。今シーズンこの知子ちゃんが見れると思うとワクワクします。

    • Jun より:

      senninさま

      本郷さんのリバーダンスは私も名プロだと思っていて、一昨シーズン途中、このプロを再登板させたこともありましたね。

      ただ、例の「足さばき」の振付の所はインパクトがありすぎて、それ以外の部分が「弱い」と感じてしまった記憶があります。操先生は、もしかするとミヤケンさんの作った本郷さんのプロを念頭に置きつつ、「違ったもの」を狙ったのかもしれません。

      「クドくない」というご感想はまさに私も感じた所で、うまくこちらの注目を分散させる作りというか、「すべてが見どころ」というプログラム作りに成功していると思います。個人的に、島田君のフリーとともに今季の新プロの中でもお気に入りです。

  4. マリィ より:

    こんばんは、お久しぶりです。
    最近は皆さんの書き込みを読んだりして楽しんでおりました。
    今日書き込んだのはニュースで宇野くんの演技を見てなんだかしっくりこなかったのが、この記事を見て腑に落ちたからです。
    ステップからのジャンプよりジャンプの改良とかする事があるのでは?と感じました。
    全体を見たのはjunさんがあげてくださった動画が初めてでしたが、悲劇のドキュメンタリーを見てる印象ですね。
    演技後のバックミュージックと変わりません。
    友野くんのスケートは好きです。
    ジャンプいいなぁと思います。
    まだ始まったばかりなのでみんな良くなって行くといいですね。

  5. Jun より:

    マリィさま

    「シーズンはじまったばかり」でも、プログラムの仕上がり具合いに差があるのは興味深いですよね。

    で、昨シーズン私が感じたのは、「最初の試合から『凄い!』と感じたプロは、やっぱり最後の試合でも素晴らしい」ということです。それが、樋口さんのスカイフォールであり、友野君のウエストサイドストーリーでした。

    友野君は今季も良プロと感じたので、大活躍が期待できそうです。羽生君もSP・フリーともに新プロですから、世界をアッと驚かせてほしいですね。