惑星ハニューにようこそ!(2020.12.17)感想(2)

惑星ハニューにようこそ!(2020.12.17)感想(2)

お写真は「アスリートイメージ調査」に関するデイリーの記事から拝借。

昨日に引き続いて、「惑星ハニューにようこそ!」の12月17日更新のエントリー、「Ginnasticomaniaより『新型コロナによる冬季競技の現状~激熱トーク羽生結弦』」から、個人的に印象的だった部分をピックアップします。

「しかし、当然のことながら、彼は然るべきルールで、ルールを把握し、ルールに則って採点する然るべきジャッジで競技したいと思っている。ここ最近の大会で見られるような、ルールではなく別の何かを基準に採点するジャッジではなく」

「演技構成点だけではなく、個々のジャンプに対する得点に対してもそうだ。今や4回転ジャンプを見ると自動的に+3や+4や+5を与えるという悪習が蔓延している。何故だ?各ジャンプは難度に応じて基礎点が設定されている。しかし、出来栄え点(GOE)は各ブレット(項目)に準拠して評価されなければならない。何故、評価基準が正確に決められているのに、ジャッジはそれを無視して好き勝手に+3、+4、+5を与えるのか?おそらくこれが結弦のジレンマなのだと僕は思う

「ところが、他の選手が大目に見ても+1にしか値しないジャンプで+4や+5を貰っているのを見たら、彼は困難に陥る。彼は紳士だからそんなことは絶対に言わないだろう。でも僕は言わせてもらう。何故ならそうだからだ。これは事実だ

可哀そうに、彼は幾つかの記者会見で自分の考えをさりげなく仄めかした。彼はフィギュアスケートを愛しているからだ。しかし彼の気持ちは明らかだ。ルールが機能するか否かはどう適用されるかにかかっている。ガイドラインに書かれた内容に則って適用された場合にのみ、このルールは機能する。しかし、彼の主なライバルはどう見ても+1のジャンプで+4を貰っている。何故か?何故このようなことが起こるのか?」

プロトコル上の「ジャッジの匿名性」が解除されたのが2016-2017シーズンからで、そこに呼応するように、インターネット環境の飛躍的改善によって(特に動画投稿やライスト配信のハードルが低くなったことで)、不可解な採点が我々一般レベルにも知られることになりました。

ジオブロックの壁のある大会もありますが、いまやグループ間の整氷作業の最中に、前のグループの各選手の演技がYouTube上にアップされるようになり、世界中のスケオタが試合後にPDFで公開されるプロトコルをチェックして、おかしな採点があると、検証動画が作られ、アップされる。腐敗ジャッジは顔写真付きで全世界に晒されるわけです。

私自身は、『チーム・ブライアン』をきっかけに、プロトコルに関心を持つようになりましたが、そもそもライト層にまでプロトコルをマジメに見ようという気にさせた歴史上初めての選手が、羽生さんと言っていいかと思います。それだけ魅力的なスケートをする選手だからこそ、彼のスケートの何が評価されているのか、より深く知りたくなる。フィギュアスケート史上初めて、知的好奇心を刺激するスケーターが、羽生さんにほかなりません。だからこそ、ルール無視の「採点」によって彼のスケートの評価を貶める行為は、マッシさんも我慢できないはずです。

・彼は抗議したり、クレームを出したりは出来ないのですか?

彼がそんなことをする訳がない。今ではこのような採点が容認されている。僕はジャッジ資格を持つ人間と話したことがあるが、彼(ジャッジ資格を持つ人間)は具体的なプラス要件を一つも挙げられないのに、+4は正しいと言う。このようなシステムがもはや容認され、後戻り出来ない状態になっている。だからこそ、結弦の存在は神話なのだ。彼は教本通りの正しい技術を用い、ガイドラインに記載されたルールを尊重し、『スケーターの理想像』を体現している。しかし、彼のやっていることは得点で評価されていない。他の選手達との違いは、彼らは彼の半分しかやっていないのに、倍の評価を貰っていることだ

「これについて異論がある者もいるだろう。受けて立とうじゃないか。僕と対決したい人はここに来ればいい。しかし注意して欲しい。一人では来ないで欲しい。一対一では面白くないし、笑止千万だ。僕はここで10人を相手に論破する準備がある。でも僕は自分の意見を1ミリも変えないし、一歩も引く気はない

残念ながら、日本では論争にならないんです。「お上が絶対」という、いわゆるエリート無謬論が日本文化の中に根深くビルトインされていて、一般人が不可解な採点を指摘しても、これに対する別の一般人の反論(?)は「ジャッジの採点が絶対!素人が口出しするな!」の一点張り。もちろん、スケート村に属する専門家はいっさいスルー。

でも、噛み合わないからといって、絶望しちゃいけない。とにかく、言い続けるしかないんです。私のブログもそのための一助になればと思っています。

「僕はルールを良く知っている。そして幾つかのケースではルールと全く異なる評価基準でGOEが与えられている。そして、技術的に正しくない跳び方で実施されている特定のジャンプの問題。これも大分以前から続いている問題だ。僕と実況のパートナーであるアンジェロ・ドルフィーニは15年前に既にこの問題について議論している」

そしてこの跳び方を真似する選手が次々に生まれ、今では多くの選手が大量のジャンプで離氷前に半回転またはそれ以上を稼いでいる。テクニカルパネルでも判別するのは困難なのだから、ジャッジに出来る訳がない。こうして全てのジャンプが認定され、女子シングルではこの技術によって4回転ジャンプの実施が可能になった。でも僕は4回転ジャンプを解禁した女子選手には敬意を表したい」

「一方、男子では正しい技術で跳んでいる選手達が存在する。だから、メチャクチャな技術で、べったり寝かせたブレードで半回転稼いでフリップやルッツを跳んでいる男子選手を見るのは不愉快だ。何故ならこれは『ループ』もどきの別のジャンプだからだ。しかし、この問題については後戻り出来なくなっている」

・重要なのは結果ですからね?

もしこの技術的に正しくないジャンプに何のペナルティも課せられず、それどころかある程度の加点が貰えるなら、コーチ達はより簡単な方法で跳ばせようとするだろう。実際、ロシアの小さな少女達は皆この跳び方をインプットされている。つまり、これは深刻な問題で、僕にはどうしたら解決出来るのか分からない。おそらくもう後戻り出来ないのかもしれない。トゥジャンプのフリップとルッツの技術だ」

不愉快なジャンプを跳ぶ男子選手が誰かは、あえて言いません。ただ、先日のガンディさんのブログの「N杯の分析」を読んでみると、女子選手でもエッジの問題を抱えている人がいます。女子に関して言えば、正しい技術の「お手本」を見せてくれるのは紀平さんだと思っているので、全日本での彼女の演技には注目しています。

しかし、4アクセルに関係なく、僕達全員の願いは彼を氷上で再び見られることだ。願わくは新プログラムで。数々の成功に彩られた10年以上に渡るこれまでの競技人生の中でこれまで何度も見せてくれたように、僕達を再び唖然とさせる気でリンクに戻ってきてくれることだ。それだけで十分だ。

私も気持ちは同じです。採点のアレコレには無力感を感じることもありますが、羽生さんがこれまで直面してきた困難に比べたら、何てことはありません。言いたいことは言い続けたいですね。健康な姿でリンクに戻ってきてくれることを祈っています。

さて、管理人のNympheaさんの「まとめ」の中で、重要な指摘がありましたので、ご紹介しましょう。

全日本では少なくとも選手と関係者に対するPCR検査は実施されることが発表され、少し安堵しました。

でもまさかプレカンや抽選会が例年通りってことはないですよね?全出場選手が一つの部屋に集まり、選手が一人ずつ箱の中に手を入れて滑走順のクジを引くとか、今の状況ではあり得ません。スケアメのようなバブル方式は難しくても、些細な工夫を凝らすことでリスクはかなり下げられるはずです。

・・・全日本まで一週間。羽生君は誰よりも経験豊かで、自身の状態を把握し、そして聡明な人です。出場でも欠場でも彼の判断が一番正しいと信じていますので、心配はしていません。

ここで、全日本の放送スケジュールを確認しておきましょう。「フィギュアスケート速報」さんの「開会式&ショート滑走順抽選ライスト」の部分を見ると、「昨季はフジスケYouTubeで開会式とショート滑走順抽選をライブしてくれました。今季のライブは12/14にフジスケ全日本サイトが立ち上がった時点で告知がありませんでした・・・」とあるので、簡素化されていると信じたいですね。

では、また明日!

Jun


にほんブログ村

スポンサーリンク
レクタングル(大)
レクタングル(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル(大)