6月3日(木)は、将棋の藤井聡太二冠の対局が「ABEMA」で生中継されます。
先日お話した、棋聖戦五番勝負(第1局・6月6日・千葉県木更津市)や、王位戦七番勝負(第1局・6月29~30日・愛知県名古屋市)というタイトル防衛戦も大切ですが、このB級1組順位戦も大事です。詳しくは、将棋ライターの松本博文さんの「記事」もどうぞ。
藤井君は、今期は「B級1組」というリーグ(全13人)に所属していて、1年間かけてこの12人と総当たりで戦います。上位2名に入ると、来期から「A級」に昇級します。
ちなみに、今期のA級のメンバーはこんな感じです。羽生さん、豊島さん、永瀬さんなど、トップ棋士がひしめき合っていますが、ここで1位の成績を取ると、渡辺明名人への挑戦権を獲得します。つい先日、渡辺名人に斎藤八段が挑戦する「名人戦七番勝負」が行われていましたが、渡辺名人が4勝1敗で防衛しました。
ところで、最年少名人というのは、谷川浩司九段の持つ「21歳2ヶ月」なんですけど、藤井君がこの記録を抜くためには、今期「B級1組」を抜けて、来期「A級」を勝ち抜いて、名人に挑戦(名人戦は2023年4月開幕)。藤井君は2023年7月19日の誕生日で21歳になるので、記録更新のためには、2023年の名人戦が最初にして最後のチャンス。つまり、名人初挑戦で初戴冠する必要があります。
B級1組にしろ、A級にしろ、1回も負けられないということは無いのですが(おそらく各1敗ずつまでは大丈夫)、5月13日の三浦九段戦も不利な形勢を終盤ひっくり返した将棋だったので、油断はまったくできません。
稲葉八段は名人挑戦経験もある、関西の強豪棋士。藤井・稲葉戦といえば、やはり昨年の王位リーグでの対局が印象に残っています。稲葉さんがとっておきの研究手を準備していて、藤井君の持ち時間がどんどん削られていき、最終盤で藤井「残り11分」、稲葉「残り3時間26分」という状況まで追い込まれていました。この対局を視聴していた将棋ファンが1万人いたとしたら、9999人は稲葉勝ちを確信していたはずで、私もほぼ諦めていました。
しかし、これをひっくり返して、結局そのまま王位獲得に至ったので、こんな逆転があるのか・・・と将棋の恐ろしさを痛感しました。あれを思い返せば、今回も稲葉さんは渾身の研究をぶつけてくるはずで、順位戦の三浦戦、叡王戦の永瀬戦のように、接戦になることでしょう。
対局は午前10時開始で、持ち時間は6時間(ストップウォッチ方式)。昼食休憩、夕食休憩(各40分)があるので、双方が持ち時間を使いきると、単純計算で、最短でも終局は夜11時20分以降になります。ただ、ストップウォッチ方式では秒単位の考慮時間は減らされない(例えば、59秒以内に指すと、持ち時間は減らない)ので、てっぺん超えは必至と言えるのではないかと。
長い戦いになりますので、お時間のある時に、アベマの方を開いていただければと思います。
では、また明日!
Jun