リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。ここまで先延ばしになった理由は、以下の薄い論評から察してください。
ヴォロノフさん。フリーは148.26の4位。合計226.44で3位。ヴォロノフはもちろん好きな選手ですけど、冒頭のこの4T-3TにGOE+2.85がつくのか!とビックリです。ジャッジは、ジャンプの前のステップを見ていないだけでなく、着氷後の流れも見ていないし、そもそも着氷自体の美しさも評価の材料に入れているかどうか疑わしい。9人のジャッジのうち、8人がキレイに「3」を出しているので、「ジャンプ自体の回転が足りていて高さと幅があれば3点あげよう」というのが、この日の基準なのでしょう。
フィギュアスケートの採点のダメなところは、この基準が試合ごとで完全にバラバラだということ。しかも、当の関係者や、「ジャッジの判定は常に正しい」としか言わない一部のスケオタ、いわゆる「エリート無謬論者」は、その採点傾向に対して開き直っているフシがある。女子のGOEの出方にそこまで不満は無かったんですが、男子はちょっとバランスを欠いているなぁ・・・と言わざるをえませんね。
リッツォ。フリーは147.72の5位。合計225.81の4位。。「あれ?ストーンズ?この人、去年ビートルズやってなかった?」と、日本の両バンドのマニアからお叱りを受けそうな節操の無さで、しかも、曲の選択がファンでなくても誰でも知っているあまりにベタなものばかりで・・・。wikiを見ておいてください。ちなみに、Paint It Blackに関しては、MuseのExogenesisほどではないにしろ、実はフィギュアスケートでけっこう使われている印象です。
ジャンプは、冒頭の4Tと後半の3Aは両足着氷で、それぞれURとDGを取られましたが、その他のジャンプはキレイにまとめました。イタリアの男子シングルスケーターとしてはもはや彼が第一人者で、そしてフランスの男子はJGPファイナルに進出するアダムが来ると思っているので、フィギュアスケートの古豪に若手有望株が成長してきて嬉しく思います。
ネイサン。フリーは189.99の1位。合計280.57で1位。ショートでPCSを超大盤振る舞いしたジョージアのジャッジ(Salome Chigodidze)がフリーでもJ9に座っています。このフリーも、9.25を1つ、9.50を3つ、9.75を1つと、潔いぐらいの忖度採点ですね。こういうPCSというのは、200点を超えるようなクリーンな演技につけるべきではないですか?参考までに、219.46を出したミラノワールドのフリーでは、PCSに9.75をつけたジャッジは誰もいません。また、215.08を出した平昌五輪では、唯一、一項目のみ9.75をつけたのがアメリカジャッジのロリー・パーカーでした。ご存知の通り、中国ジャッジがペナルティを受けた後、彼女に追及の目が向けられて以降、消息不明の腐敗ジャッジです。こんなことしなくても優勝確実でしょうが?・・・と情けなくなってきます。
ミハル。フリーは157.42の2位。合計239.51の3位。ヴォロノフの4T-3Tもそうなんですが、この4S-2Tに+2.63ねぇ・・・。なんだか、羽生君を筆頭に、ハビやPさん、そしてボーヤンのパーフェクトなクワドを知っている人間からすると、(Pさんは引退しているから脇に置いとくとして)この3人のクワドには当然+4以上つくんでしょうね?と。
220点台でGPの台乗りができちゃうというのは、スコア的には残念ながら低調な試合でした。もちろん、演技の完成度は言わずもがなです。男子はガッカリでした。
なんだか不思議に思うのは、スコア上では、GOE11段階制の恩恵をほとんど受けていない女子シングルの方が演技のクオリティが総じて高く、この恩恵を受けている男子シングルはレベルが低い、と。まぁ、第2戦以降のスコアの出方を見てみないと分からないですが、GOEにしろPCSにしろ、演技の内容に釣り合ったまともなスコアを出してほしいものです。
では、また明日!
Jun
コメント
私もヴォロノフ好きなんですけど、元々ジャンプ前の助走はこれでもかってくらい長い選手ですね。ネイサン君のPCSは相変わらずかあとショートで呆れてプロトコルまでよく見てなかったのでおしえていただいてよかったです。女子は本当に納得のいく採点でしたね。
スケートカナダが今週末ありますが
新葉ちゃんは右足の甲を痛めていたという情報があって気になりますが頑張って欲しいです。友野君も緊張しないで力を発揮して欲しいですね。
花織ちゃんは休む暇もなくフィンランドがあるのに兵庫県の試合に今週末出るそうで昨年もでしたね、強行じゃないのかなあ?怪我だけしないことを祈ります。
senninさま
花織ちゃんは、「休み無しの連戦」という情報が出ていますね。昨シーズンもローカルな試合への出場も含めてかなりのハードワークでした。
昨季はロステレ杯の段階では、まだフリーでミスが出ていたので、仕上がり自体は今季の方が早いと思います。ただ、自分のコンディションとは別に、試合のスケジュールは事前に組まれているわけで、「五輪代表の切符を掴んだ昨年通りで行ってみよう」という、中野コーチの判断なのでしょう。怪我なく乗り切ってほしいと思います。
30歳越えても現役を続けているヴォロノフには敬意を覚えていますが、評価は別です。私も、この4-3への評価に、離氷前や着氷後は見ていないと思いました。アメバTVでの織田くんの考察(着氷後の流れ重視の方向)は何だったのでしょう。
ヴィンスのコーチが今回の判定に疑問を投げかけていて、バトル達の意見を引用しているようですね。もう1台カメラを!という要望は妥当だと思いますし、通ることを願っていますが、それでもカバーするのはテクニカルの部分のみですよね。
ジャッジにPCSを自由に操る権限がある限り、近畿大会や今大会のような大盤振る舞いが、これからも再現されていくだろうと憂鬱です。そして、1番憂鬱の種になりそうなカナダ大会がもう、すぐそこに…。junさん、
レポートをよろしくお願いします。
ととちゃん さま
スケカナの男子のGOEとPCSがどういう出方になるのかは、私も注目しています。
ただ、それは昨シーズンまでのような、「なぜ、宇野選手にこんなに盛るのか?」という点ではなく、救いようのない言い方をすれば、盛ることは大前提とした上で、どの程度に落ち着くのか?という部分です。
というのは、ヴォロノフやブレジナのクワドに+3点に迫るGOEを出すのであれば、いちおう彼は腐っても直近の五輪・世界選手権の銀メダリストなわけで、本来は4点前後を出さないわけにはいかない。ただ、そうなると「羽生やボーヤン、あるいはコリヤダにはもっと出さないと・・・」となるので、どう調整していくのか。
私の予想では、「GOEはとりあえず2点台後半に留めつつ、テクニカルの部分とPCSで特別扱いして、1位の椅子をプレゼント」という所に落ち着くのでは?と考えています。