引き続き、「マガジン」のレビューです。
練習会場は、試合会場である首都体育館のサブリンク。位置的には隣接しているのだが、今回は報道陣にも「バブル」が適用されたため、自由に歩いて移動することができない。唯一の移動手段が9人乗りのバス(シャトル便)。そこに多数の報道陣が列を作るので、移動にかかる時間が読めない。羽生の第4グループの練習開始は14時5分。念のために10時半過ぎにシャトル便に乗り込む。
羽生の練習開始まで3時間以上というのに、サブリンクの見学席は人であふれた。日本だけでなく、中国の記者・カメラの数も多く、リンクサイド片面はカメラマンがびっしり貼りついた。想定以上の人数が来たということで、13時に入場規制が敷かれた。
本誌もようやく1人分の見学スペースを見つけ、しかし、そこからはずっと立ったまま。この体勢で3時間かと思っていたら、報知新聞・高木記者が椅子を貸してくれた。
こちらは「完全収録」の冒頭部分(70頁)から。今回の五輪取材にあたって、メディア関係者の皆さんは、まず中国入国の際に「PCR検査」というハードルがあり、その後、滞在期間も毎日PCR検査が義務づけられていたはず。それでいて、サブリンクでの待ち時間の長さ・・・。テキストを読んでいるだけで、こちらも具合が悪くなりそうです。無事に取材をこなされ、こうしてマガジン出版の運びとなったことに対し、一読者として感謝と御礼の気持ちでいっぱいです。それでいて、帰国後は「北京五輪総集編」に取り掛かっておられるのだから、山口さんは、昨年12月から休み無しなのでは?と心配です。総集編も無事に出版されたら、ゆっくり休んでほしいです。
羽生が練習中にひもを結び直すのは、極めて珍しい。何が起きたのかのかと取材エリアは騒然となった。この瞬間から明らかに羽生の表情が険しくなり、鋭い目つきで思案したり、自らを鼓舞するような声を発するようになる。靴ひもを結び直したのは、計2回。異変が起きたのは明らかだった。
「羽生結弦 北京の4日間」(北京五輪 現地レポート)の19~20頁から。フリー前日の公式練習で右足首を捻挫した際の、山口さんによる描写です(75頁にも記述あり)。「Number 1046」での松原孝臣さんとはまた違った描写で、山口さんの独自の視点。靴ひもの件は、私も初めて知りました。今回の北京五輪に関して言えば、「羽生さんに関して、目に入る全ての情報をメモに書き留めているんじゃないか?」というぐらい、いつにも増して山口さんの気合いを感じます。本号は、取材時のハードルの高さもあり、たいへんな労作であるとしみじみ感じます。
この日が来るのが怖かった。そんな人は多かったのではないか。
ずっと追いかけてきた羽生が、前日の練習でまたも右足を痛めた羽生が、フリーでどんな滑りをするのか。そして、その後にどんな滑りをするのか。そして、その後にどんな発言をするのか。ワクワクする気持ち、信じる気持ちはもちろんあるけれど、一方で、それらを受け止める覚悟が決まらない。試合会場に向かう報道用バスの中に、少なくとも1人、そういう男がいたことを記しておく。
こちらは、「北京五輪DIARY 羽生結弦 闘いの記録」の68頁から。フリー当日朝、取材に向かう山口さんの心境が綴られていました。「そうだよ!まさにそうだったんだよ!」と、あの日の私の不安な気持ちを代弁してくれていました。単なるお仕事モードではなく、「マガジンはファンとともにある」という報道姿勢は、きれいごとじゃなくて、うそ偽りないのないことの証明ですよね。
山口さんに五輪の取材に行ってもらって、本当に良かった、有難かったと思える一節でした。「総集編」の方も、大いに期待しつつ、楽しみに待ちたいと思います。
メタルジョギング・チャレンジの6日目は、Led Zeppelinのデビュー作『Led Zeppelin』(1969年1月)です。ウチにもCDはあるので楽曲自体は知っています。ただ、ここまで5枚の古典を聴いてきた上で改めて聴いてみると、別格の完成度の高さですね。演奏技術の高さ、楽曲のアイデアの幅広さ、テンションの高さ、ビジュアルのカッコよさ等々、素晴らしさを挙げていったらキリがないです。
ただ、個人的な感想ですけど、アルバム前半(A面)の4曲が98点だとすると、後半(B面)の5曲は85点ぐらいかなと。前半の4曲は「なるほどねぇ・・・」と、今聴いても彼らのセンスの良さがビシビシ伝わってきます。動画には、4曲目の「Dazed and Confused」を挙げましたが、後のプログレッシブ・ロックに影響を与えたであろう大作志向と様式美が素晴らしいです。YouTubeで検索をかければ、アルバム丸ごと一枚聴けますので、ぜひ前半の4曲だけでもチェックしてみてください。
では、また明日!
Jun