動画自体は少し前に見ていたんですが、写真集やら王位戦やら色々あって、なかなか記事にする時間がありませんでした。未チェックの方、まずは動画の方をご視聴ください。その上で、私の感想をまとめておきます。
・前回の「ロンカプ」との比較になりますが、こっちの方が相当大変だったんじゃないか?というのが第一印象です。にも関わらず、前回からどれだけの期間で完成させたのでしょう。素晴らしいとしか言いようがないです。フィギュアスケートファン、ゆづファンの一人として心から敬意を表したいと思います。
・今回ふと感じたのは、クラシックバレエのフォームでロックをバックに踊ることの難しさなんですよね。例えば、ヒップホップだったり、社交ダンスだったり、日本舞踊だったり、それぞれのダンスの形式はもちろん、服装、演技時間、ベースとなる音楽も含めて、それぞれが非常に厳密に細分化されています。
・そう考えると、フィギュアスケートって、何をバックに滑ってもいい反面、音楽を表現するための「正式な技術」が確立・共有されていないことも意味しています。良く言えば、自由で多様。悪く言えば、未成熟で未整理。しかも、最新のルール変更ではPCSの「音楽の解釈」が無くなりましたから、この状態はさらに深刻化することになるでしょう。
・パリ散に話を戻すと、そもそもブライアンが羽生さんにこの曲を選んだのは、クリケットに来る前の羽生さんの演技を見て感じた「ワイルドさを生かす」という発想にあったのは、よく知られている所です。若さゆえの荒々しさをプラスに変換するための選曲でした。
・かつて清塚信也さんが、「僕たちプロはわざと下手に弾くことができない」とおっしゃっていましたが、それとまったく同じ理屈で、ヤマカイさんのようなプロのバレエダンサーが、フィギュアスケートという全くの畑違いの振付を、しかも「荒々しく」表現するのは難しかっただろうなと思います。立ち止まってエアギターやヘドバンするわけにもいかないですしね。
いずれにしても、今回も身体を張ってチャレンジしてくださったヤマカイさんに感謝の気持ちでいっぱいですし、動画として公開してくださって、本当にありがとうございました。そして、今回のようなカバーによって、表現としてのフィギュアスケートの特殊性、競技として置かれている現状と課題がまた少し分かったような気がします。
では、また明日!
Jun