王位戦第四局について

王位戦第四局について

普段、将棋のツイってめったにしないんですが、珍しくバズったので、少し補足します。

藤井王位が最終盤で指した、▲4一銀→▲4三銀という組み立ては、「玉を下段に落として、玉頭を押さえる」という、私のようなアマチュアでも知っているような定番の寄せの形で、『寄せが見える本』とか『寄せの手筋200』といった問題集でも、最初の方の基本問題で取り上げていたはずです。ただ、▲4三銀という手は王手ではないので、その隙に相手にどんなに王手ラッシュを食らっても逆転負けしないという「読みの裏づけ」が無いと、指せないんです。

その裏づけを取る作業が、本局のその盤面ではすさまじく難しい。後手の豊島九段側からの反撃手段の分岐が山ほどあって、豊島さんは藤井さんの終盤力を信用して潔く投了していましたけど、最後の最後まで指していたら、2020年の棋聖戦第一局の渡辺明棋聖・藤井七段戦の「16手連続王手ラッシュ」みたいなことになっていたんじゃないかと。ただ、本局はお互い持ち時間が残っていたので、あそこまでパンパン指し合う感じにはならなかったかもしれませんが。

この将棋は、藤井王位の指し手が神がかっていて、1日目の序盤の新構想「▲4七玉・▲5五歩」という角のラインが直射しそうな危ない玉形で互角をキープし、2日目の豊島さんの封じ手の「△8六銀」という強襲策に対しても、藤井さんは冷静に正確に対応して、おそらく悪手・疑問手無しで、それこそノーミスの完勝譜と言っていいと思います。

豊島さんの出来は決して悪くなかったですし、かりに後手の盤面を渡辺さんや永瀬さんが持って指し継いだとしても、あの終盤力を見せられたら「藤井勝ち」は揺るがなかっただろうなぁと思います。

しかし、終盤力ある人って、憧れますよね。私もついこの8月から『実戦詰め筋事典』と『ランダム1・3・5手詰』を同時並行でコツコツ解いています。

では、また明日!

Jun


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