
いやぁ、藤井竜王、強かったです。印象的だったのは、76手目の△4四銀という一手。2日目の午前9:55に指された一手で、実はこの手を見て、渡辺王将が完全に固まってしまいました。そして、109分もの大長考に沈む結果となりました。
私もAIを走らせながら観戦していて、AIもこの△4四銀を最善手に挙げていたんですけど、実況掲示板上でも、「これどういう意味なの?」と議論になっていました。強い人が色々と書き込んでくれるんですが、攻める手ではなく、かといって、がっちり守る手でもない。ただ、この銀が動くことで、取られそうになっていた金が逃げるためのスペースを作り、動いた先でその銀が、相手の攻めをブロックするための要にもなる。後で、解説の深浦康市九段(地球代表)が、「19歳の若者が思いつく手とは思えない。将棋歴30~40年のベテラン棋士が指すような、渋くて、柔軟な手」と評していました。
この後、藤井玉は盤石の守備陣でガッチリ守られながら、ジワジワと攻勢を取り、最終盤では、渡辺王将の攻撃を全て受け潰して、ギブアップさせるような無慈悲な勝ち方でした。逆転負けを喫するようなあらゆる可能性を潰していく、「万が一の事態」も起こさせないような「激辛」な勝ち方でしたね。強かったです。




そして、4局でシリーズが終わってしまったことで、残念なお話もあるのです。
「2022年王将戦第5戦の舞台 創業50年の老舗創作料理店 料理長の名が味のある一手?!~ふるさとWish佐賀県上峰町~」
第5局の佐賀県上峰町「大幸園」さんでの対局が流れてしまいました。老舗旅館・大幸園の料理長は、実は、「藤聡太郎」さんというお名前。
「藤井さんはスイーツがお好きなので、そこには力を入れようと思っております」
残念ながら、来年ですね。しかし、王将戦に限らず、今後タイトル戦の開催地として手を挙げてくれる会場の間でも、「前半の日程」がものすごい倍率になりそうです。
では、また明日!
Jun

コメント
藤井くんストレート勝ちですか?これからはなんて呼べばいいんですか?藤井五冠?
早く終わったなあと思ったんですがJunさんのこの記事で
わかりましたけど、頭のなかどうなっているんですかねえ。
Senninさま
強かったですよ。今回のシリーズは「2日制」で、4局ともに言えるのは、1日目はほぼ互角の形勢ながら、2日目の中盤~終盤に藤井竜王が一気に引き離した感じの将棋でした。
AIで事前に研究できるのは序盤~中盤までなので、研究が離れてからの中盤~終盤における藤井竜王の正確さ・ミスの少なさは、棋界でも随一と見て間違いないでしょう。
呼び方としては、八つあるタイトルの中でも竜王と名人が別格なので、王将戦開幕前、渡辺さんは三冠(名人・王将・棋王)を保持していましたが、「渡辺名人」。藤井さんは四冠(竜王・王位・叡王・棋聖)を持っていましたが、「藤井竜王」が公式な呼び方です。
今回、王将位が藤井竜王に移って渡辺二冠、藤井五冠となりましたが、呼び方は「渡辺名人」「藤井竜王」のままです(*藤井五冠と呼んでも間違いではありません)。
ちなみに、もし藤井さんが竜王を保有したまま名人を奪取すると、「藤井竜王・名人」という呼び方になります。
Junさん、こんにちわ。
いつもありがとうございます。藤井さん、五冠おめでとうございます…といっても私にはまったく意味不明の世界です(善悪を超えたとか解説されてた事もあった記憶が……)
わからーーーーっん!笑
ところでオリンピックですが、前回・前々回とは全く違った感覚に囚われて私自身何故?としか思えない気持ちで応援していました。
何て言って良いか解らない感じで…此れって何?と思っていたら羽生さんのインタビュー聞いてて「あ…この感覚だぁ…」と納得したのが「フワフワした感じ」だったんですよ。
ショートフリー共にノーミスで、もちろん4A降りる!と念じて応援しようとしているのに何か腹に力が入らないと言うか…まさにフワフワしてしまうんです。
フリーの前日なんか「どんな結果が出ても、それは羽生さんにとって最良の結果なのではないだろうか…」なんて私自身が一番嫌いな「予め結果は関係無いとか言って安心しようとする」ような変な気分に襲われて…
「いやいやいや、そんな気の抜けた応援なんかするもんか!」と気合いれなおして応援したんですが最後までフワついてました。
で、私の勝手な結論としては…
「神様が居るのなら、この大会で、羽生さんに優勝はおろかメダルを取らせたくなかったのではないだろうか・・・」4A込みの集大成は別の試合に持ち越したのでは・・・?
天の采配があるとしたら、開会式に出たあの方のために利用される事を回避したかったのだろうか…なんて考えてしまいました。
怪我がなんだか酷そうなので…ちゃんと癒える事を祈ってます。今は。
ふと桃さま
将棋おぼえてください(笑)。私たちが生きている間に、藤井さんほどの天才棋士が出現する可能性は限りなくゼロに近いので、せっかくの機会ですので知っておいた方がいいかなと思います。完全実力主義の世界なので、私自身、フィギュアスケートにイライラしてしまう気持ちのセラピーになっています。
羽生さんについての気持ち、よく分かります。別に、「絶対金メダル!絶対4A成功!」を祈らなければファンにあらず、というわけではありません。自由でいいと思うんです。
ちなみに、北京五輪の羽生さんについて、私は、「怪我をしないこと」と「本人が自分自身の演技に納得してくれること」を祈っていました。
前者は無理だったようですが、後者は部分的には報われたのかなと思っています。