GIFT「アフターパンフレット」感想

GIFT「アフターパンフレット」感想

厳重な梱包で届いたので、「到着報告」だけで済ませてゆっくり読もうかと思いきや、面白くて結局ぜんぶ読んでしまいました。以下、ネタバレ含みますので、ご注意ください。

・私は2/26は仕事だったので、翌日に近所の映画館で「ディレイビューイング」でショーを視聴し、その後、Disney+の方でも視聴しました。というわけで、「GIFT特別新聞」も今回初めて手に取ったので、「特別新聞」→「アフターパンフレット」という順番で読んでいきました。

結果的にこの順番で一気読みしたのが大正解でしたね。もし、現地組で「特別新聞」の内容を忘れている方がいらっしゃったら、「アフターパンフレット」の羽生さんとMIKIKO先生との対談を読む前に、改めて新聞を再読してもいいんじゃないでしょうか。

・「アフターパンフレット」全体の印象について、「思ったよりも写真集」というのが率直な所です。ゴールドに輝くプロローグの愛蔵版ブックは「テキスト企画」も豊富でしたが、「アフターパンフ」のテキスト企画は「羽生・MIKIKO対談」のみです。

・写真について、ある意味で予想通りだったのは、羽生さんにフォーカスしたショットはそこまで多くなくて、東京ドームの観客席を俯瞰するようなショットだったり、各プログラムの舞台コンセプトが分かるような構図のものも目立ちました。もちろんそれが「悪い」とは思わないですけど、神カメラマンたちの写真集のようなものを期待しない方がいいでしょう。

・掲載写真の中でついつい顔を近づけて凝視してしまったのが、会場設営の連続ショットと、リハーサル風景ですね。特に後者が興味深い。これビデオカメラ入ってないんですかね?いずれDisney+で放送されるであろう、「特別版」あるいは「完全版」の中でリハーサルの映像が入っていたら、個人的には大興奮です。

・「特別新聞」のテーマは、羽生結弦さんにとっての「言葉」だったんですよね。しかも、それはインタビューでの受け答えということに限らず、フィギュアスケーターとして生きていく上での「芯」となってきたのだなと感じさせる内容でした。子どもの頃から「プログラムを先生から渡されたら、何を表現しなきゃいけないかを言葉にして、それを先生に持って行っていた」というエピソードが紹介されていましたが、その積み重ねが、「GIFT」あるいは「プロローグ」というショーに間違いなく生きているなと。

・MIKIKO先生という方は、羽生さんの「意図」に共感し、それを具現化できる真のプロフェッショナルでした。結局トップオブトップの方々って、他の追随を許さないほどの細部までの拘りを持ち、それを言語化して説明する能力を持ち、たとえその制作過程が「辛いことばかり」だとしても妥協しない。まさにこのお二人は出会うべくして出会ったんだなと、感慨深いです。

・競技としてのフィギュアスケートの枠内、というかあのルールと採点のアレコレによって、羽生さんが魂こめて注ぎ込んだ部分がことごとく「評価の対象外」とされたわけですが、そんな羽生さんを理解してくれるだけでなく、一緒にショーを創造してくれる同志を得られて、羽生さんが喜び、興奮していることが、この対談からも伝わってきます。もちろんファンである私も興奮を覚えながら読みました。

・ところで、「自分はなんて狭い世界で生きてきたんだろう?」という「気づき」は、「前職」とは別の分野に取り組んだり、新しい交友関係ができることで得られるのが一般的ですが、「フィギュアスケート村って、なんと狭い世界だったんだろう?」とプロ転向後の羽生さんを見て私は日々感じる反面、べつに羽生さんはフィギュアスケートをやめたわけじゃなくて、むしろ彼は自身のフィギュアスケートを進化・深化させている点で、ちょっと違う。というか、ぜんぜん違う。「やっぱり、見切りをつけてよかったね」と思わざるをえません。

その他にも、ハッとさせらせる発言が随所にあって、プロローグの「愛蔵版ブック」よりも、MIKIKO先生の演出・振り付けに対するお考えが実によく分かりました。おそらく皆さんも「東京ドームを一人で満員にできるのは、後にも先にも羽生結弦さんだけ!」と思われていて、そりゃ私も賛成なんですが、単純に箱の大きさという点だけでなく、そもそもMIKIKO先生のレベルで意見をバチバチに戦わせて仕事のできるスケーターって、まぁ、羽生さん以外は不可能でしょう。

またすぐ来年というのは無理だとしても、いずれまたお二人のコラボが実現することを期待しています。

では、また明日!

Jun


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コメント

  1. みつばち より:

    こんにちは 更新ありがとうございます

    「どうする家康」で望月千代女の役をやってる古川琴音さん「ペンディングトレイン」でもトリッキーな女性の役ですよね。

    歩き巫女っていうのはですね、そもそも人外の者でして、「源氏物語」や菅原孝標の娘の「更級日記」に出てくる(野生の)白拍子も似たようなもんです。
    大河ドラマはいろいろ深読みできる時代劇なんだなあ。

    電気料金の高騰でアイリンが厳しい経営をしなければならないのは他人事ではないです。
    なんでもかんでも値上がり。コロナ禍も吹っ切ることはできません・・・・

    アイリンにクラウドファンディングを薦める向きもありましたが、アイリンがそれを辞退してますね。
    東北人らしい堅実な姿勢です。たとえ無償の好意であっても金銭を受け取れば責任が伴うことよく理解してる。そしてそれが羽生さんに飛び火することも見通している。

    羽生さんの周辺には家族をはじめ、コーチや関係者も人気に浮足立つような人がいないのはとてもいいことだと思います。
    なによりも本人が堅実だからです。こういうところがいいんです。

    Faoi宮城当たりました。

    • Jun より:

      みつばちさま

      宮城当選おめでとうございます!今回はライブビューイングが充実しているため、私はチケット参戦はまったくしておりません。ぜひ楽しんできてください!

      アイスリンク仙台の件は、一般営業のみお休みで、スケート教室や貸し切りは引き続き行うというニュースは読みました。まぁ、これから真夏ですし、施設維持費・人件費等も考えたらそういう判断もやむを得ないのでしょう。

      クラウドファンディング自体は、寄付する方々は善意の方々だと思うんです。ただ、1円も払ったわけでもないのに炎上させる悪意ある連中がいて、それがネットニュースになると部外者がアレコレと書き込んだりするわけです。その対応を考えたら妥当かもしれませんね。スタッフも多くないでしょうし、大変だと思いますよ。