「GIFT」(ディレイビューイング)感想など

「GIFT」(ディレイビューイング)感想など

いやぁ、凄いショーでした。フィギュアスケートでやたらと乱用される「圧巻」という言葉は、このショーのためにあると言っていいのではないかと。欲を言えば現地で観たかったですが、日曜日は朝から午後にかけてどうしても外せない仕事が入っていて、かりにチケットをゲットできていて、あの後に無理に現地に向かっても、極度の興奮とその後の疲労で具合悪くなってるかもな・・・と、ディレイビューイングで良かったと思っています。以下、感想をまとめておきます。

・『プロローグ』は府中で観たんですが、今回は近所の南大沢のTOHOシネマズで。ウチのような田舎でさえ、ボアブルゾン&トートバッグの女性ファンをかなり見かけました。東京リベンジャーズの実写版をMOVIX橋本で観た時に、トーマンの特攻服姿の女性も見かけましたが、数的には「GIFT」の圧勝でしたね(笑)。

・開場が『プロローグ』の時よりも早く、ライブビューイングのCMの数が増えてましたよ。もちろん、そのCMの中には「FaOIコラボ上映会」と「ノッテ」も含まれるんですが、他には浜田省吾の1988年のライブとか、宝塚とか、世界の美術展とか、興味深いコンテンツがいくつもありました。

・「GIFT」の内容についてですが、「これは羽生さん自身のセラピーだよね?」という部分をまず感じました。アマチュア時代に彼がどんな仕打ちを受けて、どれほど悩んできたか。その辺りの事情を深く知る長年のファンからしたら、心情的にはエンタメとして楽しめる内容ではなかったかもしれません。ただ、「GIFT」に込められたメッセージは、羽生さんが単に自身の葛藤をさらけ出すことが目的ではなく、「みんなは一人ではないんだよ」ということを伝えたかったんだろうなと思います。私たちは、アスリートでも何でもないわけですが、様々なフィールドで日々闘っている人たちへの「GIFT」になればという彼の想いがあったのかもしれません。

今回のショーでは12曲使用したとのことですが、それぞれのプログラムのエレメンツを忠実にこなすのではなく、かなり大胆に簡略化していましたよね。この「新解釈」によって、アイスショー特有の「ダレ感」が全くなく、飽きさせない内容になっていました。最も象徴的だったのは、第二部のオープニングを飾る「レックレ→レミエン」の部分で、レックレの大半は「GIFTスペシャルBAND」による生演奏で、そこから間髪入れずにつなぐレミエンで羽生さんも参加するという流れでした。もちろん、ドームのような巨大な箱で生演奏が入るからこそ意味がある構成でしたが、「上手くやるもんだなぁ!」と感心しました。

・SOIやFaOIあるいはDOIのようなアイスショーだと、何人ものスケーターが出演して、1人1プロないし2プロ演じて、みんながみんなジャンプを3本とかこなすわけですよ。そのジャンプだって、試合よりも難易度を落とすわりに、着氷でグダるのも普通の光景なので、それが「ダレ感」にもつながっている、というのが私の長年の不満でした。

・そこを、羽生さんがワンマンショーという「過酷な道」を選んでくれたことで、アイスショーの新たな可能性を示してくれました。でも、別に羽生さんがラクしてたんじゃなくて、「オペラ座の怪人」では明らかに疲労が深くて、「あそこであんなに跳ぶ必要ある?」とちょっと心配になりましたね。

阿修羅ちゃんでの、羽生さんとELEVENPLAYとの「シンクロ具合」が素晴らしかったですね。それ以前の演目から、ELEVENPLAYの皆さんの動きがただ者ではなく、そこら辺のTikTokで遊んでいる素人とは動きのキレがまったく違うので、彼女たちもMIKIKOさんの人脈か・・・と感心していました。

・『プロローグ』や「コンティニューズ」のような手作り感もそれはそれで良いんですが、今回の「GIFT」は完全にコントロールされている内容で、私たちが想像だにしなかった世界に連れていってもらったんだなと。これは、舞台芸術?コンサート?ドキュメンタリー?、上に貼った何気ないチラシにあるように、内容「その他」としか言いようがないですよ(笑)。

・さすがにセットリストを全て把握はしていなかったので、でも、アンコールの「春よ、来い」ぐらいまでは、そりゃ、スワンをやったら春ちゃんもやるよね!と想定の範囲内だったんですが、「SEIMEI」の生演奏にビックリして、あの瞬間に、映画館でヘンな声出ちゃいました。あのステップ時の羽生さんの笑顔は、平昌五輪以上に輝いていたと思ったのは私だけでしょうか?

まだまだお話ししたいことはありますが、そこは映像をもう一度しっかり確認しておきたい所。3月に入ったら、ディズニープラスに入って見逃し配信で家のテレビでじっくり楽しもうと思っていたのですが、こんな問題が発生していたのですね。配信期間を延長してくれるといいなーと思うのですが。

メタルジョギング・チャレンジは141日目。HELLOWEENの『Keeper Of The Seven Keys Part1』(1987年5月)です。ドイツが生んだメロディックスピードメタルの元祖と言っていいバンドです。このアルバムジャケットからして、いわゆる「剣と魔法の世界」のRPGなんですが(本作の邦題は「守護神伝」と名づけられていました)、ドラクエ1の発売が1986年でしたし、特に90年代の彼らは日本のメタルファンの間でも大人気のバンドでした。

この「Keeper」は、本作のパート1と次作のパート2の「2分作」で(後に2枚組の「完全版」として再リリース)、私自身はパート2の方を圧倒的に聴いていました。というのも、「Eagle Fly Free」という超強力チューンの存在が大きくて、私も一時期毎日のようにこの曲を聴いていて、私の青春が詰まってますね。

本作の「Keeper Part1」に話を戻すと、たしかに「Part 2」に比べて地味な曲が多いんですが、2曲目の「I’m Alive」は名曲です。特にギターソロの2:20からの「チャーララ・チャーララ・チャラーララ」の所が、私は大好きなんですよ。その前のツインギターのフレーズなんかは、メロスピにありがちなんですが、この「チャーララ」の解放感というか底抜けの明るさが、とても面白い!

ちなみに、私は名古屋で高校生だった頃に、Helloweenのファンイベントに当選して、当時のヴォーカルのアンディ・デリスとギターのマイケル・ヴァイカートを間近で見たことがあります。これはまったく違う来日イベントの様子ですが、時期はかなり近くて、右の人がアンディです。カッコよかったですね。都内の大学に進学した後も、Helloweenのライブには行ったこともあって、すべてが懐かしいです。

では、また明日!

Jun


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コメント

  1. Sennin より:

    映画館近くにあって羨ましいです。
    本当にお見事でしたよね
    あんなに歴代のプログラムを滑ってさぞかし大変だったでしょうし不安もあったかと思います。だいたいMIKIKOさんや武部さん清塚さん関係の方々のようでしたね。変な企業の忖度もなくてよかったです。萬斎さん、ユーミン、伊藤聡美さん等ゆかりのある方々に出席していただいてそれもよかったと思います。
    ディズニー+にはいって、夕べと今日観ました。音や画像が飛ぶとこがあるので明日その調整してまたアーカイブ観れると思います。
    テレビには繋げないので携帯で観てます。疲れますがどうしても結弦くんのプログラムや音響などが気になりまして
    というのも結構栗田博文さん率いる東京フィルハーモニーさんや武部さんのスーパーバンド随所に活躍しているんですよね。美しい音色で感動します。ホプレガでは川田健太郎さんがピアノ弾いてたみたいで他にもノッテステラータや仰るようにレツクレとか素晴らしかったですね。MIKIKOさんもオリンピックであんなことになりましたからオリンピックチャンピオンの羽生結弦さまが35000人プラス配信やシネマに客を集めて大成功を納めたので報われたのではないでしょうか?当時のプロジェクトメンバーに萬斎さんも入ってたので感無量ですね。
    結弦くんも出会った人達を大事にしてきたからこそ皆がサポートしてくれたものと思います。金メダル5つとってもそういう人柄がなかったら勿論客も来なければサポートも企業もつかないですもんね?次は仙台ですね。結弦くんもたいへんですね

    • Jun より:

      Senninさま

      MIKIKO先生や萬斎さんも「これで報われたんじゃないか?」と、他にもおっしゃっている方がいましたね。

      レックレ→レミエンを観た後に、「まさか武部バンドの演奏はまさかこの2曲だけ?なんと贅沢な・・・」と一瞬思ったのですが、アンコールでしっかり活躍の場があって良かったです。今回のショーのために作曲したという「GIFT」も素敵な曲でした。

      とにかく情報量が凄まじいショーだったので、ノッテまで見逃し配信で何度も楽しみたいと思います。

  2. Sennin より:

    連投すみません。一つ忘れました‼️
    二回みて最後の水平線のその歌詞を結弦くん歌ってましてディズニー+だと分かりますね。初めて結弦くんの歌声ききました。
    あとありがとうございましたぁ‼️は静かにしてねで私も笑えましたけど
    ファンタジーの私がいったその日
    ありがとうは僕がいってからね!ということでそれからコロナになる前まで
    結弦くんのありがとうございました‼️の後に私達がいうというパターンが戻ってきてそれも感慨深かったです。

    • Jun より:

      Senninさま

      会話・声出し等、多少「緩和」した状況でのショー開催も幸いでしたね。

      それでも、もし万が一羽生さんの具合が悪くなっていたら大変なことになっていたので、無事にショーが開催され、しかも大成功したことに、ファンの一人としてホッとしています。

      しかし、まだノッテがあって、SOIがあって・・・。コンディション管理に気をつけて、何とか乗り切ってもらえるように、私も祈っています。

  3. ななしな より:

    いつもお世話になっております。
    ただただ感動するばかりでない多角的な感想、参考になります。

    「ご自身のセラピー」と言及された段落、「~彼の想い」まで含めて、まるっと同意です。
    なかなか言葉にしづらい感想でしたが、そういうことだと私も思いました。

    今回は競技並プロが多く、絶対に怪我しちゃいけない中で練習積むのは、競技現役より大変なことかもしれませんね。

    ノッテ、SOIと続きますが、観戦されるようでしたらまた感想、楽しみにしてます。

    • Jun より:

      ななしなさま

      たいへん丁寧なコメントに、恐縮しております。

      ここ最近、フィギュアスケート関係の記事が手薄になっているので、羽生さんのショーぐらいはちゃんと観なければ!と考えていました。

      ノッテ、SOIともに現地には行けませんが、ライブビューイングとCSで堪能させていただきます。