スケアメ(男子フリー)感想

スケアメ(男子フリー)感想

リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。

ネイサン。フリーは196.38の1位。合計299.09で優勝。エルトン・ジョンの3曲つないだメドレーなんですが、いちばん最初のGoobye Yellow Brick Roadは、たいして詳しくない私でもよく知っています。

昨シーズンのフリーと同様にデュブレイユとシュイナードに作ってもらっていますが、単なるBGMだった昨シーズンに比べたら、こっちの方がいいんじゃないですか?ただ、最後のコミカルなコレオは友野君の方がうまく演じそうですけどね。

ダブルに抜けたトウループはクワド予定だったのでしょうか?相変わらず上半身がワチャワチャしていますが、それでもPCSを94点もらえるのだから、陣営は満足でしょう。地元採点という追い風があるとはいえ、これが一つの基準になるのかなぁという気がします。

ジェイソン。フリーは171.64の2位。合計255.09で2位。最初の3Aは危なかったですが、あれが決まったことで波に乗れたように見えました。その影響もあったのか、スケーティングスピードがめちゃ出ていて、フェンスにスレスレの場面が何度もあって、そこはちょっとヒヤヒヤしましたが。

デヴィッド振付のこのフリーは、「シンドラーのリスト」のサントラからですが、「この曲、なんだか起伏が無くて大丈夫?」って思っていると、徐々に、ジェイソンのスケーティングの美しさに見入ってしまって、彼のスケートを「曲が邪魔していない」という、不思議な感覚に陥りました。

いい牛肉を「わさびだけで食べる」とか、プリプリの鯛のお造りを「軽く岩塩をつけて食べる」とか、今日はいいもの食べたなぁ(いいもの見たなぁ)という感動。今季は、無理して4回転を入れなくてもいいかもしれないですね。

アリエフ。フリーは156.98の3位。合計253.55の3位。The Sound of Silenceの原曲はもちろん知ってるんですけど、Disturbedがカバーしているとは知りませんでした。こういう往年の名曲をメタルバンドがお遊び感覚でカバーするのはよくあるんですけど、EXならいざ知らず、フリーでそのまんま丸々一曲使用するというのは、あまりにも安易すぎるし、もうちょっとマジメに選曲したら?と文句の一つも言いたくなりますね。

曲としてユルいんで、それが演技にも伝染してませんか?アリエフって、元来ショート番長な所があるんですけど、この感じだと、今季JGPファイナルに残っているロシアの後輩たちがシニアに上がってきたら、一気に抜かれると思います。

キーガン。フリーは143.00の8位。合計239.34の4位。一方、November Rainは、天下のガンズの名曲ですよ。私も義務教育のクソガキ時代によく聴いていました。その辺り、さすがに北米にいる人は、アメリカンハードロックを選曲する際に、ちゃんと分かった上でチョイスしています。

実はオータムの曲かけの時に、キーガンの練習時にこれがかかって、「うおおおお!これなのかよおおお!」と密かに激アツだったんですが、まぁ、オータムは羽生さんが大事ですから、大人しくしていました。

こういう曲を日本人スケーターもサラっとセレクトしてくれると、私の中では、「やるなぁ!」と感激するんですが、まぁ、いまの日本だとQueenとかに行っちゃいますからね(クイーンが悪いとは言ってないですよ!)。

この日のキーガンの演技的には完璧からは程遠いですけど、この曲を聴くだけで感傷に浸ってしまいます。キーガン、ありがとう!

友野君。フリーは154.71の4位。合計229.72の5位。4T-3Tに+2.99の加点。彼のクワドへの挑戦は、先にサルコウを習得して、その後にトウループの練習をしていたはずですが、いいジャンプでした。だからこそ3Aやサルコウのミスが悔やまれます。

しかし、後半どんどん調子を上げていって、このムーラン・ルージュはミーシャの振付ですけど、ミーシャ直伝の「ねっとりした動き」と友野君の持ち味でもある「キビキビした動き」がミックスして、なかなかの傑作じゃないかと。ショートが難解なプロなので、フリーはこれぐらい分かりやすい方がいいですよ。

このメンバーで5番に入ったのは立派です。自信と手応えと、そして課題を得たと思います。ナイスパフォーマンスでした。同行してくれたミーシャにも感謝です。

ボーヤン。フリーは150.42の5位。合計224.98で6位。この時期のボーヤンは、毎シーズンこんな感じなので、こんなもんでしょ?と見ていました。でも、身体はキレているし、特に怪我の情報も無いので、今季はやってくれそうな気がしています。

男子の4回転時代を黎明期から引っ張ってきたのは、やっぱりこの人。だから、ちゃんとしたクワドが跳べるんですよ。彼がいなければ、羽生さんもループやルッツにチャレンジしなかったはず。野球で言えば「バットに当たれば場外ホームラン」みたいな、スポーツの醍醐味を教えてくれる選手。奮起を期待しています。

ジュンファン。フリーは140.69の9位。合計219.67の8位。ショートのタンゴもよかったですが、フリーもドラマティックな曲で、いいじゃないですか!

ジャンプの調子自体は悪くないと思うんですよ。そして、表現力がグッと上がっているし、スケートも伸びるようになった。高難度ジャンプに気持ちが行きそうな所を、クリケットのコーチ陣が辛抱強く指導していて、それが少しずつ実ってきているような気がしますね。まだ17歳なんだから、これからです。

島田君。フリーは144.10の7位。合計216.22の10位。「あれ?この曲(後半のコレオ以降の部分)知ってるぞ?」と思って調べてみると、坂本さんがジュニア最終シーズン(16-17)のSPに使っていましたね。

さかもっちゃん細いな!なんて感じつつ、島田君に話を戻すと、冒頭の4Tこそ失敗しましたが、それ以外はほぼ完璧じゃないですか?表情豊かな所は、これはもうスイスに渡って、いい意味で日本人ぽくなくなった所が出てますよね。

そして、ランビさんが島田君をどう育てたいのか、なんとなく見えてきた感じはします。流行に乗って無理にクワドを増やしたりはしない。しっかりプログラムを最後まで演じきること。そして、彼の手脚の長さをフルに生かした選曲。成熟したスケーターになるべく、導いてくれていますね。ランビさんがコーチで本当に良かった!

順位やスコアだけを見るとイマイチな大会に見えるんですが、随所に楽しめる内容がありました。明日女子のフリーを見て、ToshIさんのニコ生も見て、そうしたら、もうスケカナですよ。一緒に応援しましょうね!

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. みつばち より:

    こんにちは 更新ありがとうございます

    懐かしめの曲がいろいろとあって楽しいです。キーガン君はコーチがロッカーですよ、あの雰囲気は。

    Jun様はテネルちゃんをあまりお気に召してないようですが私は好きです。
    アメリカ学園ドラマに出てくる主人公ではなくて、準主役、ライバルでフレネミー(フレンドでエネミー)みたいな感じじゃないですか。
    髪をもっと脱色してブロンドにしたらアメリカン美女ですよ。プログラムは前季のがよかったけど。

    日本男子はどうしても羽生さんが基準になってしまうので、みんな厳しいなーー

    スーパーエテリガールズはどこまで行くんでしょうか。北京まで行くのは誰と誰でしょう?無理なダイエットはしないでほしいです。

    高難度が当たり前にしろ、まずは健康で。日本女子も手をこまねいているわけではないはずです。

    • Jun より:

      みつばちさま

      好き嫌いあって当然なので、いろいろ意見があっていいと思います。

      エテリガールズで北京までに生き残るのは、技の難易度よりも、怪我をせずに本番を迎えられる子ではないですか?それを分かって「大量生産」しているんですよ。日本の某アイドルグループが頭に浮かびます。

  2. ととちゃん より:

    ネイサンのコレオはロボットを表現しているんでしょうか。メリハリというより唐突に始まって、ジャンプが終わりました、さあこれから踊ります、という印象を受けました。仰るように友野くんで見てみたら面白いかも知れませんね。

    その友野くん、4Tコンボ頑張りましたね。ここからです。全日本では是非台乗りを目指して欲しいです。

    ジェイソンには フリーでも持っていかれました。いい肉をワサビで…言い得て妙ですね。
    脳震盪の恐怖感もあるでしょうから、今季はトリプルのみで…これを完成させたらどんな点数になるのか、見てみたい気がします。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      しかし、アメリカも人材不足だなぁと感じます。あのアメリカ男子から、ネイサン以降、有望な若手が出てこなくて、ヴィンスも学校を休めないという事態に。木下クループ、濱田コーチ、なにしてんねん!

      羽生さんやジェイソンが引退したら、確実にマイナースポーツに転落するでしょうね。我々は、いまを楽しむことにしましょう。