ABEMA将棋チャンネルでの放送は「こちら」で。両者の対戦成績は「2勝2敗」です。
長野県高山村での名人戦第五局の後、藤井竜王・名人は、愛知県瀬戸市の自宅には戻らず東京将棋会館にて免状書き。どうやら、そのまま成田空港からベトナム・ダナンへ向かったようです。ただ、和服含めて荷物はすでに現地に送り済でしょうし、旅行会社もしっかりついているはずなので、最悪パスポートだけ持っていけば何とかなる、という手はずにはなっていたのでしょう。
今回なぜベトナムの、しかもダナンで対局が行われるのかというと、「ホテル三日月グループ」はこれまで棋聖戦や棋王戦の開催実績のある日本将棋連盟の「お得意様」で、「ダナン三日月」でのタイトル戦誘致を数年前からオファーしていたとの話です。コロナ禍によりそれが叶わない中、ようやく緩和されたこのタイミングで実現したわけです。
佐々木大地七段は、長崎県対馬市出身の28歳。この棋聖戦だけでなく王位戦(7月7・8日開幕)でも挑戦者になっており、「聡太・大地の夏の12番勝負」と話題になっています。大地先生はどういう棋士かと言うと、将棋が強いガリ勉タイプというよりは、いまどきの若者的な軽妙さもありつつ、礼儀正しく、料理が得意で、話も巧い。それこそ、これまでの藤井さんのタイトル戦での「レポーター」みたいな仕事も、しっかり事前リサーチの上でそつなくこなすので、「並のリポーターよりも仕事ができる!」と評価が高いです。
大地先生を語るにあたっては、やはり師匠の深浦康市九段との「師弟の絆」に触れないわけにはいきません。詳しくはこちらの動画をチェックしてください。小学生の頃の大地さんは「拡張型心筋症」という難病を患っていたのですが、家族の支えと、それでも「弟子に取った」深浦先生の理解と、そして将棋という生き甲斐を得たことで、病気が完治したそうです。
もちろん、将棋も強いです。じゃなければ、ダブルタイトル戦なんてありえないわけで、特に先手番の時の大地先生が採用する「相掛かり」という戦型は、彼のドル箱戦法として、強豪棋士を次々と退けてきました。おそらく藤井棋聖もそれを受けて立つはずで、「相掛かりシリーズ」のタイトル戦になることでしょう。
渡辺先生との名人戦や、菅井先生との叡王戦ではまったく登場しなかった戦型の将棋が見られるはずなので、将棋ファンとしては本当に楽しみです。熱戦を期待しています。
では、また明日!
Jun