ABEMA将棋チャンネルでの放送は「こちら」。
戦型は、先手番の藤井竜王が得意の「角換わり」に誘導して、AIによる研究手順をお互いが脳内から「吐き出し合った」のが午前中の展開。これが、一部で批判のある「暗記将棋」の世界で、20代までの若いうちしかできない将棋と言われていますね。実際、30代のトップ棋士が徐々にこの角換わりの「暗記将棋」から離脱しつつあって、AIの評価値的に「下がる将棋」であっても、「自分だけが知っている形」を独自研究するような傾向が強くなっています。
本局の話に戻ると、午後は、後手番の伊藤七段がその角換わりの「事前研究」のレールに引き込もうとする所を、藤井竜王が「どこで伊藤七段の研究手順を外すか?」という攻防になりました。そこから、藤井竜王が湯水のように時間を投入していきます。75手目▲4三歩に56分、77手目▲8三歩に137分と長考を重ねた後、81手目の▲2四飛は飛車をぶった切る決断の一手。この飛車切りの手はAI推奨手ではないので、評価値的には「伊藤有利」に振れます。先手の藤井玉は相手に飛車を渡すと非常に危険な状態になるので、常識的に考えるとこの飛車切りはあまりに危険すぎて指せません。当然、伊藤七段の事前研究のルートから外れる一手のはず。
にも関わらず、この飛車切りを決行したということは、藤井竜王としてはその先に「ある程度の見通し」が立ったことを意味する可能性もあって、伊藤七段もそこから1時間以上使って、82手目を封じました。
もしAIの言うことが正しければ、伊藤七段が「正しく対応」することでリードできるはずなんです。ただ、藤井竜王はどこかで「罠」を張ってくるはずで、その辺りの攻防が2日目の焦点になりそうです。
ところで、おやつ&ごはんに関して言うと、藤井竜王の方が「チャレンジャー」と言えるセレクション。「小樽来たなら普通は寿司でしょ?」と誰もが思うでしょうが、グラタンですか・・・。ただ、前日の夕食に海鮮がすでに出ている可能性があるので、あえて「違うもの」を食べたかったのかも。自分だったら、かぼちゃプリン→寿司→ドゥーブルフロマージュと行きたい所です。
では、また明日!
Jun