ABEMA将棋チャンネルでの放送は「こちら」。両者の対戦成績は、藤井聡太竜王から見て「6勝3敗」です。
第三局の仁和寺対局では、後手番の佐々木勇気八段が意表の「振り飛車」を採用。佐々木八段もデビュー当時は公式戦で振り飛車を指したこともあるようですが、ここ数年は居飛車党本格派として知られており、この振り飛車はビックリでしたね。
通常、振り飛車を採用すると将棋AIの評価が下がるんですが、事前研究に基づいて、数値上で差がつかないような形をぶつけてきたことはよく分かりました。佐々木八段は「角交換振り飛車」という戦型を選んでいて、これは私もソフト相手によく指すんですが、玉頭に直接アタックされるような攻撃を受けるとあっという間に負けてしまうんですよ。で、この対局において、AIの評価値上では拮抗していたんですが、佐々木八段の玉型が「私が指したらすぐに負けそうな形」で、これ大丈夫かね?と思っていたら、やはり藤井竜王の鋭い攻めに防戦一方で、そのまま押し切られた将棋でした。
本局は佐々木八段の先手番。第二局のあわら対局で採用して快勝した「矢倉」を連採するのか?あるいは、他の作戦を用意しているのか?佐々木八段の作戦選択に注目したいと思います。
ところで、本局の対局会場は大阪府茨木市の「おにクル」で「文化・子育て複合施設」として、2023年11月にオープンしたそうです。施設名の由来については、「市内に住む当時6歳の男の子が命名。まちの様々なところで目にする鬼のキャラクター「いばらき童子」を見て、「怖い鬼さんも楽しそうで来たくなっちゃうところ」なんだとか。
竜王戦七番勝負の開催地は、セルリアンタワー能楽堂(第一局)、仁和寺(第三局)、指宿白水館(第六局)、常盤ホテル(第七局)は定番会場として固定されているので、事実上、残りの3つの開催地を公募で争う形になっています。その中で、高級旅館やお城ではなく、こういった地域の子どもたちに利用される施設が今回選ばれたのは、若い世代への将棋の普及ということも念頭にあったのかもしれません。
今回もすでに「勝負めし・勝負スイーツ」は公表されています。大阪だからたこ焼きとかお好み焼き?と思ったらそんなことはまったくなく、カレーが2種類あったり、タコライスにカツ丼に、オムライスに角煮が入っていたり、牛タン定食、牛スジ丼と、肉系が多いですね。若いお二人にはガツンとしたメニューは喜ばれる気がします。
スイーツもけっこう重めで、3段重ねのパンケーキ(安威川ダムパンケーキ)とか、なかなかなヘビー具合です。恒例の佐々木八段の大量オーダーも楽しみにしています。
では、また明日!
Jun