仙台2日目第二部について、印象に残ったプロを挙げておきます。セットリストは「こちら」で。
・ハビ&ナハーロ「Flamenco on Ice」
この日の会場の音響がめちゃ良かったので、ナハーロさんのタップが一つの楽器のように会場全体に響き渡っていました。この「コラボプロ」の主役は完全にナハーロさん。それは、ハビもあえて狙ってこういう作りにしたんだと思います。
・紀平さん「The Greatest」
去年とは完全に別人の動きをしています。もちろんジャンプは回転が速くて着氷も安定。それだけではなく、スケーティングも伸びるし、なにより、全身を大きく使った所作で、小柄な体型なのにまったくこじんまりとした動きに見えない。
テレビで見ていても今季の彼女は、日本女子の中で頭一つ抜けた実力を示していましたが、現地FaOIで見たら、それこそメド・ザギ・リーザに勝るとも劣らないレベルにあると思います。この子が北京五輪で勝てなかったら、日本女子は冬の時代に入るような気がしますね。それだけ技術がめちゃくちゃ高いと感じました。
・織田君「ミッション・インポッシブル」(with 末延麻裕子)
一言でいって、爆音です。末延さんが弾きまくっているだけでなく、遠山さんもゴッリゴリにギターを歪ませて刻んでいたし、武部監督も激しく鍵盤を叩く。メタルフェスか何かかと思いました。織田ちゃんのコミカルな演出も見ものなんですけど、でも、むしろそれがミュージシャンに花を持たせているような気がしましたね。神戸もやるという話なので、ぜひこの音圧を堪能してください。
・カペラノ「月の光」
もう最高!「月」を持たされているカッペちゃんが何よりかわいいんですが、ギャグ路線では決してなく、スケート自体はロマンティック。素晴らしかったです。このプロの良さは、なかなか文字で伝えるのが難しいので、テレ朝チャンネル2でぜひチェックしていただきたいと思います。
・ジョニー「赤いスイートピー」(with ToshI)
とても、2022年に引退を表明している人の動きには見えません。ジャンプも決まっているし、身体もキレている。やはり、「区切りの時期」を決めたから、それまでにショーの一つひとつを大切に、相当なトレーニングと節制をしているのだと思います。
「赤いスイートピー」といえば、それこそ「真夏の夜の夢」と同様に、オリジナルのイメージが強すぎるんですが、この曲も完全に「ToshIさんの色」に染め上げて、爽やかな仕上がりになっています。ジョニーのスケートと融合してキレイにまとまっていると思います。
・ランビ「I LOVE YOU」(with ToshI)
ToshIさんの、スタンドへの「ゆづーーー!」煽り合戦(?)は、ランビさんの前だったような気がします。あんだけToshIさん会場を煽っておきながら、「I LOVE YOU」では信じられない声量。ランビさんもジャンプ中心のシンプルな振付で、良くも悪くも直球すぎる「I LOVE YOU」の曲調とよく合っていたと思います。
・ゆづ「CRYSTAL MEMORIES」(with ToshI)
もちろん羽生君のスケートも素晴らしいんですけど、ランビさんの後にテサモエとザギを挟んでいたとはいえ、ToshIさんの声量がさらにアップしていたのには驚きました。声も凄いが、ギターの音量もまた凄い!泣きの弾きまくりがメタラーにはたまりません。
通常、ギターをはじめとした他の楽器の「マイクの音量を下げるように」というリクエストが、ヴォーカリストからあっても不思議じゃないんですが、ToshIさんは自分の声に自信があるのでしょうね。ゆづ・ToshIさん・遠山さんが三つ巴で、バチバチに戦っている、そんな印象を受けました。ぜひ、現地でクリメモを見る方は、目では羽生君を追いながら、耳はヴォーカルとギターに意識を向けてみてください。
やや駆け足でしたが、神戸も始まりますから、これぐらいに留めておきましょう。明日からはまた日々の最新情報をフォローしつつ、機会を見て、仙台話をもう1~2回入れられればなと思います。
では、また明日!
Jun
コメント
パパシゼやテサモエとの差を感じてしまうアンナルカですが、FAOIで見せてくれるプロは確かに魅力的ですね。個人的には、後から演じるテサモエに、どうしても持っていかれますが。
音の取り方一つとってもテサモエは違うと感じます。カナダでは彼らのいないショーの集客が違うのも道理ですね。
音取りで脱線しますが、羽生さんのいわゆる音ハメ。TOSHIさんの真夏の夜の夢で再認識しました。皆さんが言う「クネクネ」動き、楽譜に近いユーミンの歌との違いを上手くとってますね。伸びる音にギリギリまで余韻を残し、スタッカート気味な音にはキレキレに動く。羽生さんの音楽的センスもスケートの進化に繋がっていると思えてなりません。
幕張と仙台でのマスカレードのキーの違いといい、ヴォーカル・ギターとの三つ巴、あと2か所でも楽しみです。
ごろ寝さま
おそらく、テサモエとパパシゼを同じ公演に呼んでしまうと、お互いの長所がぶつかってしまうと思うんですよね。逆に、「テサモエ・カペラノ」と「パパシゼ・カペラノ」なら、持ち味が違うので、うまくいくと。ただ、いつまでもカペラノに頼りっぱなしというわけにも行かないでしょうし、エンタメ度の高い若手のアイスダンスカップルを、そろそろスカウトしてくる必要性はありそうです。
今年は4会場なので、昨年の金沢~神戸の間のインターバルはなく、すぐに神戸・富山が来てしまいますね。寂しい感じもしますが、新たなサプライズを楽しみに待ちたいと思います。
音響ですが、今年は特別なんですかね?今まで気にしなさすぎたのかなあ?と自分のことそう思っているんですけど。初日ロングの真ん中あたりでそんなに気になりませんでした。楽日は、見切れ席のAだったのでほぼショートより、この日はアーティストの音がバンバン響いて来るんです。席でも違うんですね。ザギちゃんのカルメンのギターは誰が弾いているのか?上手いなあと初日は誰か席からは見えず、楽日に遠山さんてわかって結局フラメンコ以外のギターは全部遠山さんで、ピアノはクリスタルメモリーズ以外は武部さんという設定だったんですね。そういう訳で、ToshIさんの歌といいアーティストの皆さんの実力からして、これ、スケーターがショーとして見せられる巧さがないと負けちゃうよってなっちゃう今年のFaoiだと観た感想です。ハッキリいって末延さんのバイオリンと遠山さんのギター迫力ありすぎてザギちゃん、カルメン負けてたと思っています。先日Junさんがあげて下さった動画を思い出した程です。
私は楽器好きなので、こういうの有り難い、アーティストと武部さんがホントに息が合ってるし私達も楽しいけどアーティストさん達も遣り甲斐があったのでは?と思います。Junさんがコメント下さったように来年どうするの?と密かに心配しています。
私は戻りのチケット先着でやっと取れましたがどうも地元枠だったみたいで、子供や家族連れ、男性も凄く多くて、「うちの結弦を見に来たぞ」っていう雰囲気感じました。結弦くんへのあったかい応援を感じれて良かったです。
食べ物のお店も楽しかった。ラーメン、米沢牛の串焼き凄く美味しく頂きました。来年また仙台でやって欲しいです。会場内外のスタッフさんも皆素晴らしかったです。
senninさま
おっしゃる通り、スケーターが少しでも気持ちを緩めたら、「演奏陣に一気に持っていかれる」というか、実際そう感じさせられる場面もありました。
もちろん、テレビで放送される場合は音量は抑えめになっているんでしょうけど、だからこそ、「FaOIはライブに限る!」というショーになってもらいたいですね。
正直言って、近年のFaOIは「羽生君でもっている」といっても過言ではなく、他のメンバーは「マンネリ感」が否めない状況でした。しかし、蓋を開けてみれば、アーティスト陣の頑張りによって、ここまで劇的に印象が変わるというのは、本当に驚きですよね。そして、ToshIさんを「発掘」できたのだから、来年以降も決して不可能ではない。真壁さんには、ネームバリューだけでなく実力&人柄も勘案して、来年のアーティスト陣はより一層慎重に検討してもらいたいですね。
織田くん、ミッションインポッシブル継続なんですね!幕張映像で楽しく見ながら、演奏凄いなと感じてはいましたが、そこまでの迫力だとは。junさんが音圧とまで仰る音楽の力も楽しみながら鑑賞したいです。
紀平さんも、前半と同じプロでしょうか。去年同様、FAOIを通して更に自分のものにしていくのでしょう。技術の高さ、堪能したいです。
そしてクリスタルはボーカル、ギターとの三つ巴の戦いなのですね。ただただ美しいだけじゃない、そこに生まれる緊張感のようなものを感じられたら、と思います。(クリスタルを見られるのかどうか、分からないのですが…笑)
後半に期待を抱けるレポを、ありがとうございます。
ととちゃん さま
織田君と末延さんの「MI」を、幕張の映像でさえ「凄い」と感じたならば、生で目撃したらビックリされると思いますよ。会場内は、もはや完全に「戦場」という感じで、MIを見た後は、それこそ「ペンペン草も残らない」的に頭の中が焦土になっていると思います。ぶっ飛ばされますから、覚悟していてください。
紀平さんは、幕張では新プロでしたが、仙台では昨シーズンのEXでしたね。ただ、彼女の進化のスピードが凄まじい。将棋の世界でよく言われる「若い頃は一晩寝るだけで将棋が強くなっている」的に、急激にレベルアップしています。動きがまるで違いますから、そこも見所ですよ。