Asian Open 2018レビュー(優奈・真瑚)

Asian Open 2018レビュー(優奈・真瑚)

引き続き、アジアンオープンのレビューシリーズから、シニア女子の日本のお二人を。

リザルト関係は「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。

優奈ちゃんの新SP「All Aboard」(トム・ディクソン振付)から。初めて見ます。

保守的な音楽的嗜好の方が多いスケオタの間では、好き嫌いが真っ二つに分かれるかもしれません。ただ、私自身の感覚からすると、これは相当に「攻めた曲」で、こういうチャレンジは応援したいです。すでにかなりの数の新プロを見てきましたけど、意外性・衝撃度では、今の所、ナンバーワンです。「こんな曲でフィギュアスケートできるの?」という意味では、羽生君の「Let’s Go Crazy」に迫る難曲かもしれないなぁと。「レックレ」だって、未だに否定的な人はいますからね。

リズムが難しいのもあるんですが、ヴォーカルパートが、Queen風のコーラスに聞こえる所もあれば、スパイダーマンみたいな所もあって、耳から入る情報を処理するだけでも大変。さらに、優奈ちゃんの振付の細部を理解するには、何度も見なきゃいけないのです。

そんな中、冒頭の3Lz+3Tのセカンドで転倒があったのは残念でしたが、この目まぐるしい曲展開の中で、スピンもレベルを取れているし、よくやっていると思います。面白かった部分は、リズミカルで小刻みなステップから2Aを跳び、降りた後も、前述のコースパートやら、曲間のストップ&ゴーもあって、いやはや大変です。EXじゃなくて、競技用プロに採用したチャレンジ精神に拍手を送りたい。でも、これも、五輪直後のシーズンだからできる挑戦ですよね。ぜひ1シーズンがんばって演じきってもらいたいです。

フリーは、昨シーズンからの継続プロの「展覧会の絵」(トム・ディクソン振付)です。

一方、「展覧会の絵」は誰でも知っている曲なので、結果的にこちらが持ち越しプロでよかったと思いますね。SPを前衛的な曲で攻めて、馴染みのあるフリーはじっくりと演技を見てもらう。

昨シーズンから滑り込んできた「貯金」が、今大会でのフリー1位、そして総合2位へと順位を上げられたことに、はやくも現れていると思います。SPに続いて、冒頭の3Lz+3Tのセカンドで転倒した所は気になります。ただ、後半にも3Lz+3Tはあって、こちらはビシっと決めています。冒頭にミスをして後半成功するというのは、何か技術的な理由があるのかもしれません。

優奈ちゃんは、この後、USインターナショナルクラシック(9/12-16)とGPヘルシンキ(11/2-4)にエントリー。ヘルシンキの翌週のNHK杯は、女子は1枠残っていますが、ここにインできるかどうかは、SPの仕上がり具合に懸かってくるんじゃないでしょうか。

真瑚ちゃんの新SPは「セビリアの理髪師」。振付はもちろん樋口美穂子コーチ。初めて見るプログラムです。

「セビリアの理髪師」というと、佐藤洸彬君の「フィぃぃーガロ」のイメージが強すぎるんですが、真瑚ちゃんのプログラムに使われた部分は、チャーミングでまったく違うパートでした。後半のトリプルにコンビネーションがつけられなくて、その減点が響いて、SPは出遅れました。

ただ、もともとジャンプは得意な選手ですし、滑らかなスケーティング技術も光ります。自信がなければ、この厳しいシニアに上げてくるわけがないですよね。まだシーズン始まったばかりですし、これからどんどん上げていってくれることでしょう。

フリーは、昨季継続プロの「蝶々夫人」です。同じく樋口コーチの振付。

昨シーズンも感じていたことですが、まだ15歳ですけど、ジャンプもスケーティングも含めて「独特の滑らかさ」のある選手で、一本の線でビシっと繋がっているというか、演技全体に統一感のあるスケーターだなと改めて感じます。樋口先生の選曲というのは、選手の個性を掴んでそこを離さないタイプ(別の言い方をすると、あまり奇抜な選曲をしないタイプ)で、彼女をこの路線でこのまま成長させていくような気がしています。

後半ジャンプが乱れましたが、安定してノーミス演技ができるようになると、日本のシニアのトップ勢に肉薄できる実力の持ち主だと思います。

この後の彼女は、ロンバルディア杯(9/12-16)、スケカナ(10/26-28)、ロステレ(11/16-18)にエントリー。

そっか、優奈ちゃんも真瑚ちゃんも、ゆづと試合がかぶるのか・・・と、こちらも楽しみですね。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. ととちゃん より:

    優奈ちゃんのSP、馴染むのに時間がかかりそうです(笑)。挑戦的ですね。でも、モノにしたら今後の糧になると思います。展覧会の絵は、良さが表れていましたね。

    真瑚ちゃんも、FSの方が安心して見ていられました。持ち越しから来る自信もあるのでしょうが、とても彼女に合っていると思います。気持ちのいいスケーティングですね。

    ところで、テーマ違いで申し訳ないのですが、トゥルソワが4Lz、成功させましたね。
    これで、3クワド持ち?身体にバネがあるようでした。
    個人的には、同じ試合のコストルナヤのロミジュリの方が好きなんですが、今回はトゥルソワを称えるのみです。シニアに上がったらどうなるのか、本当に楽しみです。

  2. sennin より:

    優奈ちゃんのSPなかなか面白い曲ですね。ジャズですかね?スパイダーマン?と思ったら違うって感じでアッと言う間に終わってしましました。バックステップを4.5回やってから2Aのところが私は最高に気に入りました!セカンドは転倒しましたが3ルッツの回転が素晴らしかった。忙しなさも感じないしこの時期によく仕上げて来ましたね。優奈ちゃんきっと気に入ったのでしょうね。衣装も雰囲気変えて大人っぽく頭はポニーテールでリンクに出てきた時に「おー!!」てなりました。1969-70年代の音楽なのでしょうか?衣装からはそんな感じを受けました。ただ、ポニーテールのため動きによっては顔に当たって個人的にはバサバサした印象がありました。エテリ組は絶対お団子です、私はあれは評価しているんですよね。演技も綺麗にみえる一つだと思っています。

    真瑚ちゃんの蝶々夫人はライストがかなり止まってしまってガッカリしましたけど、本当に滑らかなスケーティングにジャンプといい、このプログラムはよく似合っていますね。シニア1年目は皆さん苦労されているようですが伸び伸びと出来るといいですね?

  3. Jun より:

    ととちゃん さま

    優奈ちゃんと真瑚ちゃんは、ともに挑戦する立場で、技術的な向上とともに、自分のキャラを知ってもらうための4年間になると思います。選曲面では対照的ですが、だからこそ見ている側としては面白いですよね。

    ロシア・テストスケートの件は、今晩の記事で少し触れますので、お楽しみに。

  4. Jun より:

    senninさま

    優奈ちゃんのSPの、あの2Aの前のステップは面白いですよね。衣装もオシャレだし、魅力的な要素がたっぷりある選手なのだから、もう少しジャンプが安定してくると、GPシリーズの台乗りが見えてくると思うんですけどね。

    今回、私はライストではまったく見ていないんですが、調子が悪かったという話はいろんな所で目にしています。JGPは心配していないですが、シニアの方は、B級試合含めて、ジオブロックもあったりで、ちょっと不安です。