本郷理華ちゃんの今季のSPは「キル・ビル」(シェイ振付)、フリーは「ナザレの子」(宮本賢二振付)です。
あれ?この町田さんの解説聞いたことあるなぁ・・・と思ったら、今年の横浜のPIWは4月28日~5月5日ということなんで(理華ちゃんは5月3~5日出演)、そう考えると、かなり早い段階からシェイとプログラム作りに取り掛かっていたことになりますね。
先日、ロシアテストスケートで、トゥルソワのSPが「キル・ビル」でしたが、似ているのは最初のお馴染みのフレーズだけで、理華ちゃんのプロの方は、途中から完全にダンサブルでスピーディなアレンジになっています。序盤のジャンプの部分はややもっさり感がある反面、中盤以降のスピーディな部分ではこの5月上旬の段階でもかなり滑れているので、いまでは相当完成度が上がっていることが期待できます。
理華ちゃんは、身体が大きくて手足も長く、顔立ちも良い意味で「濃い」ので、派手なアクションが映えるスケーターだと思っています。9月19~22日のネペラ杯が初戦になります。楽しみですね!
白岩優奈ちゃんは、今季のプログラムをすでにアジアンオープンで実戦投入済。試合のレビューについては「こちらの記事」もどうぞ。
私自身、時系列的には逆で、アジアンオープンを先に見てから、このインタを聞いてみたんですが、アジアンオープンは明るくハツラツとしたいつもの優奈ちゃんだったと思っていて、だからこそ、インタのテンションがけっこう低めでビックリでした。
改めてアジアンオープンの演技を見てみると、インタの中で「自信を持てるように」と話していた彼女が取り組む上で、このSPは最高じゃないですか?なんと言っても、フィギュアスケートで誰も聞いたことのないような選曲ですし、彼女のスピードのあるスケーティングにピッタリです。ジャンプの難易度がどうとかという以前に、単純にビシっと決まったら、それだけでかっこいいと思いますね。ぜひモノにしてもらいたいです。
フリーは、慣れ親しんだプログラムで、アジアンオープンでもSPの4位から総合2位に順位を上げる原動力となりました。インタで語っていたセカンドループこそ入っていませんが、焦らず無理せずに、練習で確率が上がってきたところで、試合で取り組めばいいと思います。次戦は、9月12~16日のUSクラシックです。
紀平梨花ちゃんは、今年のFaOIは皆勤賞で、本当によく頑張ってくれていました。フリーの「Beautiful Storm」(トム・ディクソン振付)はFaOIの新潟から滑っていたはずですが、直近のDOIの演技を改めて見てみると、やはり才能はズバ抜けていますよね。ここ数日、先輩スケーターたちの演技を見てきましたが、やっぱりこの子はちょっとレベルが違うと思っています。
ジャンプが上手いのは当然なんですが、上半身の所作は、キビキビとしたシャープな動きだけでなく、指先から肩にかけてのしなやかな動きも得意。スピンもポジション・回転速度ともに文句のつけようがありません。ジャンプの入りと出の所やステップにも細かい動きが随所に入っていて、この7月上旬の段階でさえ、ジャンプが決まればすぐにでも高得点の出そうな気配がします。
インタでは、NHK杯の選考会の件をポロっと語っていて、「本人はGPを2戦もらう気、満々だな!」と、頼もしい限り。でも、彼女には、北京五輪シーズンは、国内ではいまの羽生君のような「2位以下の選手とは比較できないような実力者」として、もちろん五輪でも金メダルの大本命になってもらわないと困ります。とにかく、くれぐれも怪我だけは注意してもらいたいものです。
梨花ちゃんの次戦は、本郷理華ちゃんとともにネペラ杯を予定。SPの「月の光」がまだ見れていないので、そちらも含めて楽しみです。
では、また明日!
Jun
コメント
優奈ちゃんはスピードがありますね。
SPは、まだ滑り込みが足りないのが、最後のポーズでも窺えましたが、印象的な振り付けがあって面白いプロなので、是非極めてもらいたいです。
合宿のインタ、言葉を選ぶタイプなのか、少し元気なく感じられましたが、考えすぎないで伸び伸び滑って欲しいです。
一方の紀平さんには、なんだか自信を感じます。ショーをこなした経験は大きいでしょうね。N杯には選考会があるんですね。多分彼女が出場することになるでしょうね。全日本までに、十分名前が浸透すると思います。
ととちゃん さま
優奈ちゃんのSPは、ちょっとバタついてましたね。ただ、選曲も振付も、超意欲的なプログラムなので、彼女にとってはチャンスだと思うんですよね。もしかりに、フィギュアスケートの定番曲だと、どうしても先人の演技と比較されてしまいます。他人と比較されることで、自信を失ってしまうリスクもある。もしかすると、コーチや振付師も、その辺りを考えてチョイスしたのかもしれません。
フリーの「展覧会の絵」はすでに彼女のプログラムですし、このSPの場合、過去に誰もやっていないのだから、彼女が主役です。ぜひ攻略してほしいと思います。
梨花ちゃんが、浅田真央ちゃん以来の逸材であることは間違いないですが、天才肌の真央ちゃんとは対照的に、梨花ちゃんは「性格的な細かさ・マニアックさ」がインタから伝わってきます。「1個質問されると、5個・10個返してくる」ような、緻密に自分のスケートを考えて、それを言語化する子だなと。だから、羽生君に近い印象を受けているんですよね。
N杯の枠は、おそらく梨花ちゃんと優奈ちゃんの争いになると思いますが、どちらが選ばれるにしろ、とにかく怪我なく、二人ともに良いコンディションで頑張ってもらいたいです。
Junさま
こんにちは。
理華ちゃんは日本人ばなれしたダイナミックさがありますよね。
名前にも「華」を持っているのですから
今季は怪我をせず表彰台めざしてほしいです。
優奈ちゃんは気持ちがやさしいのでしょう
おだやかさがありますが
今季は殻(?)を破ってガツガツ(失礼(^_^;))勝ちに行く気合いをみたいものです。
紀平さん
この方は3Aで注目されがちですが表現の手のしなりなんかは抜きんでいると思ってます。
今季は飛躍の年になって、
Junさまのおっしゃるように北京五輪にむけて日本に紀平有りの第一歩を踏み出してほしいです。
ふくこさま
理華ちゃんは、昨シーズンちょっと残念な結果でしたが、さすがシェイは面白い編曲をしてくるものですね!明子さんとも、トゥルソワともまるで違う「キル・ビル」。ぜひこの強力なプログラムでさらに一皮剥けてもらいないなと思います。
優奈ちゃんの場合、チームの先輩・後輩に強力なライバルがいて、タフな環境ですよね。かつて彼女が故障中でリハビリしていた時期に、「チームメイトの練習を見ないようにしていた」という発言を雑誌で見たことがあります。優しい性格の子ですね。周りをあまり意識せずに、あくまでも自分自身と向き合って、頑張ってもらいたいです。
そしておっしゃる通り、梨花ちゃんの「手のしなり」は私も大のお気に入りポイントです。昨年の全日本翌日のEXで、彼女が、知子ちゃんの「蝶々夫人」をサプライズで滑った時の、柔らかな所作には衝撃を受けました。知子ちゃんの表情がカメラで抜かれていて、まったく目が笑っていなかったですからね(汗)。いまはまだ、いろんなスタイルの曲を滑って表現力の幅を広げる時期。北京の時にどうなっているのか、楽しみですよ。