横井ゆは菜さん。昨年の全日本選手権で8位。代表に選ばれた世界ジュニアでも6位と、シーズン後半からグッと伸びた印象でした。「6位」と言っても、上にいるのはロシアの3人(トゥルソワ、コストルナヤ、コンスタンティノワ)、山下さん、そして韓国のウンスで、紀平さんには勝っています。大健闘ですよ。武蔵野の森で彼女の演技を見た時は、ジャンプの高さと力強さと、そしてオシャレな衣装が記憶に鮮やかに残っています。お客さんの歓声も大きかったですね。
もう一年、ジュニアで頑張ることを決断。シニアにいつ上がるかどうかは、スケーター個人の能力やコンディションだけでなく、ライバル選手との「兼ね合い」も関係してくるので、早ければいい、遅いのはだめ、というわけではありません。事実、友野君はジュニアで「しぶとく頑張った」ことで、昨シーズンのシニア1年目から大活躍。ミラノワールドで堂々の5位に入賞したのは、記憶に新しい所です。
さて、SPは昨年の持ち越しで「ライオンキング」。世界ジュニアの映像を貼っておきました。最後のルッツで転倒しましたが、最初のフリップ・トウは、「たっか!」と思わず声が出てしまいました。今季このような高さと幅のあるジャンプを跳べれば、ガッツリと加点をもらえると思います。
そして、新フリーの「オペラ座の怪人」。ちなみに、両プロともに振付は、邦和の川梅みほコーチ(武蔵野の森の会場内の通路で彼女を何度も見ました!)。最初の2Aの所はお馴染みのフレーズですが、その後は、この楽曲の比較的大人しい部分を採用していて、「女性ヴォーカルのパートなのね・・・」と、羽生君や無良君のイメージとかぶらないように(?)という工夫はあるのかもしれません。
DOIの映像なので、7月上旬の滑りですが、あの狭くて暗いリンクで、ジャンプはかなりしっかり跳べているんじゃないかと。このショーでは、シニアの先輩スケーターたちもけっこう転んでいたので、このままの調子を維持できていれば、今季は相当期待できると思います。
横井さんは、JGPの第1戦「スロバキア大会」(8月22~25日)でいきなり登場します。ライバルはロシアのシェルバコワと韓国のユ・ヨン辺りでしょうか。彼女の実力から考えれば、台乗りも十分に可能。インタでの「有言実行」をぜひ果たしてもらいたいですね。
横井さんの後に見たからというのもありますが、真瑚ちゃんはまだ子どもっぽさの残る語り口ですね。先日、白岩優奈ちゃんとともにアジアンオープンにも出場しているので、レビューについては「こちらの記事」もどうぞ。
横井さんのスケートを見た後に、改めてアジアンオープンの演技を見て思ったのは、山下さんのスケーティングの安定感と、その理由って何だろう?ということでした。織田君のように、氷に足が固定して離れないような動き。この若さなのに、動きにバタバタした感じがほとんど無い。良い意味で重心の低いスケーティングなんですよね。
じゃ、同じチームの先輩スケーターがみんなそうかと言うと、決してそうではないので、持って生まれたセンスなのでしょう。もしかすると、体幹も強い選手なのかもしれません。この試合では、SPで珍しくジャンプでミスがありましたが、私の中では、あまり崩れるイメージが無い選手なので、ぜひその安定したスケートを伸ばしてもらいたいです。
同年代の梨花ちゃんが「一つひとつの技のレベルが高い」スケーターだとすると、真瑚ちゃんは「スケートの随所で安定感や安心感を見せられる」スケーター。インタでは謙遜気味でしたが、喋りとは対照的に、スケートは成熟しているなぁと感じます。
次戦は9月12~16日のロンバルディア杯に出場予定。サマーカップに続いて坂本花織ちゃんと試合がかぶりますが、五輪代表の花織ちゃんに2連勝したらえらいことですよ。楽しみですね!
では、また明日!
Jun
コメント
真瑚ちゃんは、膝が柔らかいんでしょうか?
着氷の衝撃を全部吸い取っているように見えて、だからか、 junさんが仰るように、安定感が感じられます。次戦も花織ちゃんと被るんですね。B級戦から注目ですね。
ゆは菜ちゃんは、ジュニア残留で、是非結果を残して欲しいですね。オペラ座、18歳だからこそ滑れる演目かと思います。衣装も大人っぽく綺麗ですね。インタも落ち着いていて
地に足がついた印象を受けました。
ととちゃん さま
シニア昇格とジュニア残留という点で、対照的な選択をした二人ですけど、それぞれ持ち味がかなり違っていて、だからこそ魅力的なスケーターですよね。
いまシニアで戦っている先輩を見ても、みんなが順調に来たわけじゃないですから、あまり周りを気にすることなく、自分自身と向き合って、いい演技を披露してもらいたいです。