「Ice Jewels Vol.13」(1)

「Ice Jewels Vol.13」(1)

2021年3月3日発売。定価「1,540円」。

今日からレビューを始めていきます。まずは、羽生さんのスペシャルインタビュー「ひとりからのリスタート」から。

一読して感じたのは、プログラムの制作過程について、そこまで網羅的ではなく、かなりピンポイントで新情報が明かされていますね。Numberに掲載されていた、音楽担当の矢野桂一さんのインタや、本田武史さんの技術解説、そして大会中の羽生さんの発言をもう一度チェックしてみたくなりました。

そんな中で、「天と地と」の曲選択のきっかけの部分は、興味深い情報でした。

偶然、というのが正直なところです。「SEIMEI」を見つけたシーズンにも大河ドラマの曲は聴いていたのですが、たぶん、自分の中では候補に上がっていなかったと思います。伊達政宗公などは演じてみたいなと思っていたと思います。

和のプログラムにしたいというか、「SEIMEI」みたいに、自分が羽生結弦のままでいられるプログラムにしたいと思っていました。動画サイトで曲を聴きながら、「天と地と」にたどり着きました。

つまり、上杉謙信公が最初にあったのではなく、大河ドラマなどの曲を探しているうちに、ピン!と来たのが「天と地と」のメインテーマ曲で、そこから上杉謙信公の人生に関心を持ち、そして作曲者の富田勲さんの「新平家物語」のテーマにもつながっただろうことが分かります。

もう一つ興味深かったのは、「天と地と」のポージングの部分。腕を十字に交差させる「最初のポーズ」は「シェイが決めてくれた」というのは知られていると思いますが、「最後のポーズ」については、初出の情報ではないかと。

偶然のことなのですが、最初のスタート位置について曲を待っているときのポーズが、僕の最初のプログラムである「ウルトラマンガイア」と同じで。

最後のポーズは違うものになりそうだったのですが、自分の大切なプログラムである「ロシアより愛を込めて」の最後のポーズをアレンジしたものにしました。

「ウルトラマンガイア」の動画は、さすがにYouTubeにも落ちていないようで、最後のポーズの部分だけ、2つの動画を埋め込みましたが、たしかに!という感じ。

さて、このインタビューの中で、もう一つの中心テーマは「AIを使ったコーチング」です。かなり専門的な内容になっているので、私がここで中途半端に引用するよりも、実際に本文を読まれた方がよろしいかと思います。

このインタの中で、羽生さんは「ミスジャッジ対策」という点には触れていません。もちろん、「人間のジャッジはいらなくなる」という話も出てきません。また、このコーチングシステムを「自分が活用する」というのは、時間的にかなり厳しいという認識のようです。むしろ、将来的に「スケーターが技術的に正しいジャンプを跳ぶための補助的役割」として期待しているようです。だから「コーチング」という言葉が使われているんですね。

これはまさに、いま将棋のプロ棋士がAIを活用する発想と似ているなと。例えば、自分が負けた対局の棋譜をAIで解析させて、「どこで自分が悪手を指したのか?」という、負けた原因を特定するために活用する。

これは、プロ棋士だけがやってるんじゃなくて、私のようなアマチュア愛好家だってやってます。ぴよちゃんに負けた棋譜を振り飛車ソフトの< 騨奎紫(たけし)>にかけるってのは、毎日やってますね。

そこで、なるほど・・・と気づいたことがあります。あくまでも私見です。羽生結弦さんは、例えば、トリノファイナルでのミスジャッジを恨んで、この世の中からジャッジを一人残らず根絶やしにしてやる、という発想を持つような人じゃない。そうではなく、「スケーターが、他人に頼らずに、自分の力で正しい技術でジャンプを跳ぶための手助けをしたい」。そういう思いから、自身の研究を卒論でまとめたんじゃないかと。

「AI採点はよっ!」と事あるごとにボヤいていた自分が恥ずかしくなりましたね。さすが羽生さんです。

では、また明日!

Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ

スポンサーリンク
レクタングル(大)
レクタングル(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル(大)

コメント

  1. Sennin より:

    アイスジュエルズの紹介有り難うございます。曲から入ったとは知らなかったです
    何歳の時か忘れましたが好きな武将は伊達政宗、上杉謙信と言ってるのでインタビューでも今の自分の苦しみに被さっていたと言ってたので人物像から入ったものだとばかり
    思ってましたね!最後の両手上げは出家する表現かなと考えました。でもJunさんの記事を
    読むうちにロシアより愛を込めてのフィニッシュを思い出してました。一人で練習していてカナダにも行けない辛い時にロシアより愛を込めてと春よ来いを滑っていたという
    インタの内容に納得がいきました。
    A1の事は興味深いですね?本を読まなきゃです。

    • Jun より:

      Senninさま

      曲探しをしている段階では、戦国武将を意識して探してはいなかったようです。

      もちろん、曲が気に入っただけで「天と地と」に決めたわけではなく、曲がきっかけとなって、上杉謙信公と羽生さん自身の共通点を調べ、プログラムとして作り上げることを決心したんだと思いますね。