2021年7月21日発売。定価「2,750円」。
すでに本書を入手された方、田中宣明カメラマン一押しの「25、44、84頁」をご覧になりましたか?
一言でいって、マニアックすぎる!と私は思いました。例えば、24~25頁は全日本でのリモート会見のショットで、見開き2ページに3枚の写真が掲載されています。個人的に目を引いたのは、むしろ24頁上の頬をぷくーっと膨らませた一枚で、「田中さんが選びそうだよな・・・」なんて勝手に思っていたんですが、でも、本人一押しは右ページ横顔の笑顔のショットなんですね。これまで、数えきれないほど羽生さんを撮り続けてきたから田中さんだからこそ、このショットが希少に思われたのでしょう。
44頁は、ストックホルムワールドでの練習時の一枚。ふと視線を横に向けた何気ない表情で、田中さんが言及しなければ、思わずスッとめくってしまいそうです。
84頁は、比較的分かりやすいです。国別の天と地とのショットで、84~85頁で見開き一枚。リンクに入る前で、目をつむっています。「祈り」とか「集中」というような演技前にメンタルをコントロールするようなものよりも、どこか、今季最後の演技に対する「感謝」のようなものを感じますね(もちろん、私の勝手な想像です)。
今季はコロナ禍ということもあって、カメラマンさんが選手の近くで撮影する機会が少なかったかと思います。田中さんは羽生さんと長年培った信頼関係があるので、例えば、70~71頁の国別のバックヤードでのショットは、田中さんが羽生さんに一声かけたからこそ実現できた、スマイルショットです。マスクをしながらというのが残念ですが、それも羽生さんの現役時代の「特別な1ページ」として、歴史に刻まれることでしょう。
先日も「REGROWTH」のレビューの中で書きましたが、あの写真集をきっかけに、田中さんの選ぶ写真の意味を想像する楽しさを改めて感じました。ちなみに、小海途さんの『YUZU’LL BE BACK III』も一緒にめくっていたんですけど、小海途さんは躍動感のある写真が印象的です。特に、羽生さんの髪の毛が、まるで目の前で風になびいているような錯覚を覚えます。髪の毛にフォーカスした写真をあえて選んでいるのかな?と。ぜひ、併せて読み直してみてください。
では、また明日!
Jun