日々、ウクライナのニュースを見ていると、コロナの時以上に疲労感が募ってくるのですが、この「フィンランド取材」の映像は非常によく出来ていて、マスコミでヒートアップしている論調とは、少し違った示唆を与えてくれる内容でした。
まずもって、私たちゆづファンにとって、フィンランドは「伝説の地」ですよね。実は、それ以外はサンタクロースとムーミンぐらいしか私も知らないので、でも、よく知らないからこそ、余計な先入観を一切持たずに、新鮮な気持ちで視聴することができました。
第二次大戦期に、フィンランドとソ連(ロシア)との間で、冬戦争(1939年)と継続戦争(1941年)という二つの戦争が勃発しました。動画の3分の1は、この冬戦争をフィンランドがどのように戦ったかが解説されています。両国の当時の人口は、ソ連が1億7,000万人で、フィンランドが370万人(*今回、ロシアの人口は1億4,680万人、ウクライナは4,150万人)。ソ連軍50万人に対して、フィンランド軍は全軍12万人で迎え撃ちます。
なぜソ連のスターリン政権がフィンランドを侵略したのか?フィンランドは具体的にどう対抗したのか?どう決着がついたのか?は、動画の方を見てください。解説の中では、「白い死神」とロシアから恐れられたフィンランド軍の伝説のスナイパー、シモ・ヘイヘに関する取材が非常に興味深かったです。
さて、この動画、「フィンランドは徹底抗戦した!だからウクライナもそれを見習え!」といった短絡的な内容ではありません。戦後、フィンランドは「徹底した現実主義外交」を展開します。基本は西欧諸国との関係を強化するんですが、とはいえ、ソ連を過度に刺激しないために、NATOには加盟せず、マーシャル・プランにも参加しない。「綱渡りのような外交」と豊島さんも評していました。
なぜそのようなバランス外交を取ったのか?「冬戦争」の時に、イギリスも、フランスも、ヨーロッパのどの国も助けてくれなかったので、フィンランドは自国だけでソ連に対抗するしかなかった(隣国のスウェーデンからは義勇軍が参加しましたが、スウェーデンは国家として参戦しなかった)。だから、過度に西欧に頼ると、再びソ連との紛争勃発の原因になると判断したようです。
そして、現在です。そうは言っても、NATO非加盟国のウクライナがあんなことになっているわけで、フィンランドでもNATO加盟の話が出てきていて、世論調査で歴史上初めて「加盟賛成」が上回ったようです。この「数週間」で一気に動くかもしれません。
とはいえ、この国にはNATOに入ればそれでOKという楽観的な考えはまったく無くて、どの家にも銃があって、女性も撃てるそうです。人口550万人の国で28万人動員可能というのは凄い比率で、日本の自衛隊の総兵力が24万人ですから、すでに上回っています。
豊島さんが関連動画として紹介されていた、こちらも非常に興味深い内容でした。フィンランドにはロシアから陸路(直通列車)で逃げてきている方が増えています(もちろん、ウクライナからの人々の方が多いですが)。また、フィンランドのとある新聞社はロシア語でもニュースを配信していて、アクセスを解析すると、ロシア国内でも読まれていることが分かっているようです。
日本だと、きっとテレビに毒されている人ほど「ウクライナは善」「ロシアは悪」と二元論的に考えがちで、恵比寿駅の「ロシア語案内への苦情」の一件はまさにその象徴ですよね。
おそらくフィンランドの場合は、困っている人がいたら国籍関係なくサポートするが、でも、自国を防衛するための準備は怠らず、いざロシアと戦争を始めたら、国民一丸となって国土を死ぬ気で守るというスピリットが継承されているのでしょう。
メタルジョギング・チャレンジは39日目。The Sensational Alex Harvey Bandの『Next』(1973年12月)。なんだかここ最近は、かなりの個性派が続いていて、飽きさせません。白塗りメイクのギターの方はピエロというか、ドナルドさんですか?wikiを調べてみると、マクドナルドのドナルドさんは1963年に初登場。日本は銀座一号店が1971年だそうですから、このバンドの母国イギリスではもっと早くからありそうです。
しかし、その白塗りメイクのギターを完全に圧倒しているのが、ヴォーカルのアレックス・ハーヴェイ氏(笑)。5曲目の「Next」は、フィギュアスケートでもお馴染みの「ロクサーヌ(ムーラン・ルージュ)」のような「ロックオペラ」的・・・と言うには、あまりにB級臭がプンプンしていて、とにかくうさん臭くて、面白いです。
ピアノが派手に主導権を握るかのようなゴージャス感のある楽曲もあるんですが、結局は全てをアレックス氏のコテコテな声が持っていってしまう、まぁ、完全なワンマンバンドですね。当時でもきっと好き嫌いを激しく選びそうですが、ハマる人はハマったんだろうと想像します。
では、また明日!
Jun