リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。今日も雑談メインです。
刑事君のSPは79.35の8位。フィンランド大会のSPは80.60だったんですが、そちらでは冒頭の4Sで転倒があり、URも取られていました。今大会は、4Sの回転自体は認定されているんですけど、着氷時にステップアウト。また、3Aは、フィンランドでは成功したんですが、こちらはお手つきと、なかなか得点源の2つのジャンプをクリーンに決めきれず、苦労していますね。今大会はステップでレベル2となったことも響きました。
刑事君のフリーは136.97の8位。合計216.32の8位。ヘルシンキではフリーが126.22で合計206.82(総合8位)で、とくに3Aがシングルに拔けてゴッソリ失点していたんですが、このフリーの3Aは高さもあって、ジャンプは復調傾向にあるようです。同様に、4Sも高さは十分なので、もうあとちょっとという所ですね。
刑事君の場合、平昌五輪を終えて、よくぞ現役続行してくれましたし、心身ともにコンディションを整えるのは大変だったはずです。全日本までのあと1ヶ月、怪我無く良い調整をしてくれればと思います。
ジェイソンのSPは96.41の1位。まず、今季のSPは、オータムでは回転不足一つ取られて88.90。スケカナでは、転倒2つ、UR1つ、コンボのセカンドがダブルになって76.46と苦戦しました。まず、そこから復調してクリーンな演技をしたことを、嬉しく思います。
ただ、もしこのスコアが、ロステレ杯のショートで出ていたら、さすがに私も文句の一つも言いたくなりますが、今回特に、J5(東悦子ジャッジ)がクワドレスのジェイソンに高得点を献上したのは、「全日本で高橋選手に高得点を出すための布石だ」なんて意見もあるようですね。本当に全日本でそんな採点がなされるのか、そもそも東ジャッジが男子シングルを採点するかどうかさえ現時点では不明なので何とも言えないですが、少なくとも全日本ジュニアであれだけ回転不足やエッジの判定が厳しかったのだから、出場予定選手たちはかなり入念に準備するだろうなと思います。
このSP自体は、ジェイソンがクリケットに移籍する前から、ロヒーン・ウォードと作っていたものですが、私の好みで言えば、アップテンポでグイグイくる昨シーズンのSPの方が良かったかな・・・と。ただ、ブライアンは『チーム・ブライアン 新たな旅』の中で、「以前はジェイソンの柔軟性を最大限に魅せる振付でしたので、スケーティングも踊りも社交的でダイナミックで、まるでラスベガスでした。これからは、彼はもう少し辛抱しなければなりません。ただ大きくアピールするのではなく、微妙なニュアンスも醸し出せるようにしていきます」(226頁)と今後の指導方針の一端を明かしていたので、「ラスベガス・ジェイソン」は、このSPでしばらくの間は見納めになるかもしれませんね。
ジェイソンのフリーは159.92の3位。合計256.33の2位。こちらはウィルソン振付のサイモン&ガーファンクルメドレー。彼の場合、2Aでも3Aでもキレイに降りるので、じゃ、なぜ冒頭がダブルに?と、謎ですね・・・。しかし、つづく3Aのコンボにダブルトウをつけたことで、後半で2Tが多くなってしまったり、後半の3Aからの3連コンボではアクセル自体にDG判定なので、このフリーでは3Aにコンボをつける部分でかなり苦労していた印象です。ただ、3連コンボのリプレーでは、フランスお馴染みの二分割画面で、ブライアンは手を叩いて褒めていました。アクセルジャンプ自体は、たしかに助走はたっぷりですけど、めちゃくちゃキレイですから、コンボの部分が喫緊の課題なのかもしれません。
最後のジャンプの3Lzがダブルに拔けて、誰もが知っている「冬の散歩道」のメロディーが流れると、ちょっと切ないですよね・・・。USナショナルでは、ぜひこのフリープログラムをクリーンに滑りきって、拍手喝采の中でステップを刻んでほしいものです。
ネイサンのSPは86.94の3位。スケアメでのSPは90.58(1位)で、スコアだけを見ると調子を落としているように見えますが、構成の難度は上げてきています。冒頭を3Aから入り、2本目に4Fを跳ぶ部分までは同じ。3本目を、スケアメでは3Lz-3Tだったのが、フランス杯では4T-3Tに上げてきていますね。今大会は、トウループのコンボは成功しているんですが、4FにUR判定と転倒したことで大きく失点しました(スケアメはURのみ)。フリップ自体はフリーでは降りているので、ファイナルのSPは、フランス杯の構成で行くと予想します。今回はスピンとステップでレベルの取りこぼしがあったので、それも含めて、ノーミスすれば間違いなく100点台に乗るでしょうね。
新加入の真凜ちゃんにあれだけ「熱血指導」してくれるあのラファのことなんで、当然ネイサンにもハッパをかけて、しっかりピークをファイナルに持ってくるんじゃないでしょうか。
ネイサンのフリーは184.64の1位。合計271.58で優勝。スケアメのフリーは189.99(1位)でしたが、いずれもクワドは3本成功。スケアメの方がPCSが3点高く、後半の3連コンボが、スケアメでは4T-2T-2Loだったことが、この差になっているようです。
4回転の調子自体は悪くなく、ショートよりもフリーの方が滑りやすそうですね。そもそも、ネイサンといえば平昌五輪のフリーが衝撃でしたが、彼自身にフリーに苦手意識が無いのか、苦手になるような選曲・プログラムにしていないのか、その両方かもしれません。
羽生君がファイナルを欠場すると、昨シーズンの名古屋のファイナルと同様に、事実上ネイサンと宇野選手の一騎打ちになると思います。宇野選手のフリーが4クワドに3Aが2本の構成であるのに対して、ネイサンは3クワドに3Aが1本の構成。しかし、フリーのスコア自体は、今季GPシリーズの宇野選手は、188.38(スケカナ)と183.96(NHK杯)で、ほぼ互角。ネイサンがフリーの構成を上げてくるのか、現在の構成の精度を高めればこのままでも勝てると判断するか。この辺りの駆け引きは楽しみです。
では、また明日!
Jun
コメント
刑事君はなかなかジャンプが安定しないですね。昨年のように全日本には調整してきそうな気がしますけど。
ジェイソンのショートは久しぶりに完璧な演技をみたなあと思いました。いつの試合だか忘れましたが、フリーで4S入れてたと思うんですけど、今回は違いましたね。
東さんの件ですが、先日の男子ジュニアで4回転のない壷井君が勝ったことで、ジェイソンに高得点つけて4回転のない壷井君を優勝させたのは、全日本の準備では?とどこでみたか?ヤフコメか?スルーしてたので忘れましたが、なんかそこまで考える人もいるんですね。
ボーヤン君は、フィンランドもフランスも公式練習の一回はスキップしてたので気になってましたが、昨年の両足首のケガが完治してないらしいですね。早くよくなってあのジャンプみたいですね。
駿くんのマラゲーニャが気に入りまして、毎日映像をみていますが、振り付けはどなたかご存じですか?調べてもわからなくてついにJunさん頼みになってしまいました。いつもお手数おかけして申し訳ありません。SPの戦場のメリークリスマスは小さいときからやりたくて自分から先生にお願いした
といってましたね。動画がないのでみれないですけど、先生にお任せでないところが大物で期待してしまいます。
senninさま
ジェイソンが「クワドに挑戦していない!」と大騒ぎしている人がいるようですが、おっしゃるように、オータムとスケカナのフリーでは、冒頭4Sを予定していました。ただ、いずれもダブルにパンクしているので、今回は3Aを冒頭に入れて、クワドレスでどれだけ滑りきれるかやってみよう、という方針だったと思われます。
1から0に減らしたから色々言われるわけですが、だったら羽生君も含めてクワドジャンパーが5→4とか、4→3に減らした時も同様に批判しなきゃ筋が通らなくなります。
壷井君はいくら何でも関係ないでしょうね。件の東ジャッジはフランスにいたわけですし、歌子先生にそこまで力があるなら、そもそも壷井君以前に、岩野さんが7位になるわけがないし、三宅君だってギリギリ6位通過ですからね。
駿君のマラゲーニャは佐藤操先生の振り付けですね。「ファンブック」の「駿・佳生・俊介」座談会(125頁)で本人が語っています。
ジェイソン、オータムとスケカナでは余り良くなかったので、今回、本人がとても喜んでいて 見ている方が嬉しくなりました。
実際、SPはとても素晴らしかったと思います。トリプルだけで これ以上はなかなか望めないのではないでしょうか。
FS、なぜクワドを入れなかったのか、という意見がかなりありましたね。ファイナルには行けないのだから、挑戦すべきだった、何のためにクリケに行ったのか、と。
もしかしたら練習では確率が上がってきているのではないかと推測しています。でも、試合は別物ですし、ここで、ネイサンの次につけることは、アメリカの2番手であることを印象づけておく為に必要だったのかな、と
ちょっと思いました。S&G、好きなので、4T入れたパーフェクトを見てみたいですが。
ネイサンは、ピークをGPFに合わせているでしょうね。羽生選手欠場濃厚で、一気に興味が半減したシニア男子GPFですが、junさんの指摘する構成面などにフォーカスしながら
見てみるのもいいですね。
ととちゃん さま
羽生君のファイナル欠場が発表されましたが、思ったよりも早かったですね。しかも、リハビリ時期が追加で1ヶ月ということもアナウンスされたので、全日本も欠場でしょう。スケ連やフジテレビがダンマリを決め込んでも、今日の発表ではっきりしました。
日本人的に、ファイナルは女子がどうなるかに注目が集まりそうですが、羽生君が出ないと分かれば、男子の採点がどうなるのかは、実に興味深い。宇野選手はいまの構成がMAXでしかもフリーで崩れる傾向があるのに対し、ネイサン陣営はショートでノーミスできるようだと、フリーは3クワドで逃げ切れると判断するかもしれないですね。