タリントロフィー(男子SP)感想

タリントロフィー(男子SP)感想

リザルトは「こちら」で。バルト三国のエストニアで2011年から開催されているCSです。私自身はネット動画でも初めて見る大会です。SPの上位4人を見てみます。

コフトゥン。80.91で1位。今季の彼の演技は初めて見ます。前半の「L-O-V-E」は、ナット・キング・コールですが、最近では織田君がメドレーで使用していました。4S-3Tは見事に成功。ダブルに拔けたトウループはおそらく4T予定だったと思われます。

そして、そこからは「Sing, Sing, Sing」ですね。我々からすると13歳の頃の羽生君のプロですが、CiONTUの3日目で再演してくれたことを思えば、偶然とはいえタイムリーです。ただ、コフトゥンのような屈強のスケーターが滑るのも面白いですね。ステップ中に「なぜそこで?」という所で転倒がありましたが、3Aも決まりましたし、ジャンプ自体の調子は良さそうです。

シュレポフ。80.86の2位。ロシアの22歳で、初めて見る選手です。それもそのはず、五輪、ワールド、ユーロはもちろん、GPシリーズの出場も無いからなんですが、なかなかキレのあるジャンプを披露していますね。衣装もオシャレで10代の選手のような若々しさを感じます。

クワドの無い構成なので、そこがGPシリーズなどにアサインされない理由のような気がしますが、それでもこのメンバーの中でSPを2位で折り返せるということは、やはり今季からURを厳しく取る影響が出ていると言えますね。

ヴィンセント。77.46の3位。4Lzは着氷時にSOして、UR判定。4S-3TもサルコウにUR。3AもUR。これは厳しい内容です。

スケアメでのUR判定にはビックリさせられたわけですが、ジャンプの高さは素晴らしいんですけど、いずれもグリ降り気味なので、そこをきっちり見られているようですね。なんだか、今季は「回転不足の悪い見本」のように扱われて気の毒ですが、怪我もありましたし、コンディション不良が理由で回りきれないのであれば、何本かトリプルに落としてみては?と思います。世界ジュニアで優勝して、平昌五輪のアメリカ代表になったほどの選手です。しかし、ここまで毎試合回転不足を取られまくって、本人のメンタルは大丈夫なんでしょうか?構成を落とさないのは、本人の意思なのか、コーチの方針なのかは謎です。

サヴォシンは、71.50の4位。ロシアの18歳のジュニア選手です。今季JGPシリーズでは、スロバキア大会で5位(1位ゴゴレフ、2位須本)、オーストリア大会で3位(1位プルキネン、2位島田)に入りました。2シーズン前にはJGPファイナルで4位(1位アリエフ、2位サマリン、3位ジュンファン)に入った実力者です。

勇壮感漂うダイナミックな曲というのもありますが、冒頭部分を見ただけでも、第一線でバリバリ戦う選手のスケートって感じがします。クワド2種に3Aと高難度にチャレンジしているんですが、この選手のジャンプは、高さはあるけど幅が足りず、回転スピードもそこまでないので、ズドンと落ちてしまって見えます。

ロシアの男子も、例えば、アリエフ、サマリン、そしてこのサヴォシンという18歳~20歳の選手たちはクワドに積極的に取り組んできた世代で、言葉は悪いですが「クワド頼み」というか、クワドが決まらないとガクっとスコアが落ちてしまう年代に見えます。

一方で、その下の世代はちょっと方向性が違っていて、グメンニク(今季JGPファイナル進出)、ダニエリャン、ヤコブレフ、モザレフらの14歳~16歳の選手は、スピンやスケーティングのレベルも高く、つなぎがモリモリで、エテリ組のアプローチが男子にも導入されているような、総合力の高さを感じます。

そこに来て、日本男子ですよね。フィギュアスケートをあまり見ていないライトな方々は、「羽生、宇野以降は育っていない」みたいな見方をしますけど、先日の全日本ジュニアを沸かせた、三浦君(13歳)、佐藤君(14歳)、鍵山君(15歳)、壷井君(15歳)、この辺りの選手は、上記のロシアの若手と世代が完全にかぶります。そして、もちろんゴゴレフ君(13歳)もいる。

日本のこの世代には、ジャンプの技術の高い選手が揃っているので、どんな争いになるのか楽しみです。女子も、来季は吉田さんが上がってきて、荒木さんと川畑さんが安定してくれば、今季よりもいい勝負をしてくれることはず。

サヴォシンの演技を見ていて、そんなことを脱線気味につらつらと考えてしまいました。明日はカンゼンの「Memorial」を入手できれば、レビューしたいと思います。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. ごろ寝 より:

    タリン杯を取り上げていらしたので食い付いてしまいました。2年ぐらい前までは、CSも友等と見たものです。ただただスケートが好きな友もいるので。

    FSも2,3位が入れ替わっただけで「こんな感じ」でしたね。ヴィンセントくん、コンディションだけなのでしょうか。まだ修正が効く年齢、早くテコ入れしないと誰かさんみたいになってしまいそうで。

    ロシアのフィギュアはカップルと女子メイン、男子の注目度は低いようですね。エテり組が順調に育てば期待は大きい。
    極めて個人見解ですが、男子と言えど「華」がある方が良い。アメリカの期待を背負うネイサンやヴィンセントくんも「スーパースター」と言えるほどの華は感じられない。アメリカフィギュアのシングルは衰退に歯止めがかからないように思えます。

    友の情報だけでしか知りませんが、日本Jrもどうでしょうか。ただ、高橋、宇野体型は減少傾向らしいようで、技術は無論、見た目も見劣りしないのは結構なこと。浅田・羽生クラスの華がないと、世間の興味は引けません。数年先もフィギュアが話題に上がっていると幸いですが。

    • Jun より:

      ごろ寝さま

      アメリカ男子は、シニアだとネイサン、ジェイソン、ヴィンセントといますが、国内で爆発的な人気者になることは難しく、今季シニアに上がったクラスノジョンも4回転を回避していて、苦戦中。ジュニアでは、プルキネン、樋渡君、トルガシェフぐらいですが、飛び抜けた才能の持ち主というわけでもないので、「男子で人気回復」はなかなか難しいと思います。

      日本のジュニアは誰が強くなるか読めませんが、女子と比べると、男子の方が世界のトップとの距離が縮まっているので、JGPファイナルや世界ジュニアを優勝する選手が出てくると、マスコミの注目はいきなり集まるかもしれません。マスコミが好きそうなのは、島田君。ジャンプの凄さで有望なのは、佐藤駿君ですね。

  2. ととちゃん より:

    タリン杯、結構長く開催されているんですね。動画を見ると、無観客試合かと錯覚するほどで、あの拍手はどこから聞こえるのか、と不思議でした。

    コフトゥン、現役で頑張っているんですね。先日羽生選手の演技に感銘を受けたコメントを出していたので、引退したのかと…(汗)。
    以前は4回転ジャンパーと紹介されていたのを思うと、また返り咲いて欲しいなと思います。あのCOCフリーで、羽生選手の後に滑り切り優勝したガッツもあるのですから。

    一方の4回転ジャンパー、ゾウくんは、本当にどうしてしまったのでしょう?行く行くはアメリカ国内でネイサンと優勝を争えるようになると思っていたのですが。ジェイソンもクワドなしなら、ナショナルでは、仰るようにトリプルに構成を落とすのも手かも知れませんね。アメリカの男子シングルは、ジュニアの方が面白いのかも。

    とりあえずGPF、スケートファンは 男子はジュニアの方により注目する人が多いかも知れませんね。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      ヴィンセント君については、スケアメの回転不足の取られ方が衝撃的すぎて、「カメラを増やしてくれ!」とコーチも要求していましたが、その後、どの試合でも「安定して回転不足を取られている」ので、完全にマークされているようです。

      それを言ったら、日本のあの選手はなぜ取られないのか?という話なんですが、着氷時の足首の角度とは対照的に、プレロテに対する「共通見解」が無いのかな?とそんな気がします。彼の場合、他にも、腕グルンとか着氷後も酷いわけですが、そもそも現状「ノーミス風味」の演技すら難しくなっているので、もはやスコアは頭打ちの感がします。逆に、もしかりにファイナルで、「見かけノーミス」の演技でネイサンに圧勝するようなら、それはそれで立派ですね。