ファイナル(女子Jr.ショート)感想

ファイナル(女子Jr.ショート)感想

リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。上の画像は私が拡大したわけではありません。現地のカメラマンが超ズームにした映像を、YouTubeからそのままキャプっただけですから!

https://www.youtube.com/watch?v=zza43oRwKwk

タラカノワ。61.78の5位。一年前はあどけなさの残る顔立ちだったのに、グッと大人っぽくなりました。衣装もステキです。3Fは着氷で踏ん張りきれず、ルッツコンボも気合いでトリプルトウを付けましたが、ルッツの方でUR。このショートはちょっとジャンプが不安定でしたね。

しかし、今季の彼女は、フリーこそが面白いプログラムです。「月光」のド派手なメタルアレンジをバックに、鬼気迫るステップで会場を盛り上げてくれることを楽しみにしています。

https://www.youtube.com/watch?v=GHv74GfT6ck

シェルバコワ。56.26の6位。ライストで見ていて、ちょっとかわいそうになりました。おなじクワドジャンパーで、なおかつセカンドルーパーのトゥルソワと比べると、ジャンプの安定感では及びません。でも、笑みを浮かべながら、所作自体は柔らかいので、私はエテリ組のなかでもけっこう好きな選手なんですよ。

ただ、まさかの2Aでの転倒から、3Lzの後のコンボ拔け・・・。これではスコアは出ません。これも試練ですね。しかし、こうなったら、フリーは躊躇することなくクワドを入れて、ガツンと全力で攻めまくるしかないでしょう!ここで一つでも順位を上げることで、世界ジュニア代表への足がかりとなります。頑張ってもらいたいです。

https://www.youtube.com/watch?v=PYVJtApgegU

カニシェワ。68.66の3位。シリーズの2戦を見る限り、ミスの少ない選手だと思っていましたが、見事でした。

先日ご紹介したタリン・トロフィーのサハノヴィッチを見ていて、サハノのスケートをより最新型にアップデートしたのが、カニちゃんという感じはします。まだ若いので、演じきるのに「必死な感じ」は見て取れますが、それでもクラシックバレエのエッセンスを凝縮したようなキビキビとした所作は、見ていて気持ちがいいですね。

彼女は、フリーがまた良いんですよ!チャイコフスキーの「冬の日の幻想」ですが、まさにロシアの王道を行っていて、今季はエテリ組のひどいプロを何個も見せられている中、このチャイコフスキーには心を洗われました。衣装もまたカワイイので、ぜひ注目してください。

https://www.youtube.com/watch?v=ITtFoAt-jfk

イェリム。62.51の4位。唯一のロシア以外からの出場選手。まさに、昨シーズンの紀平さんのような立場で孤軍奮闘という感じです。先日ご紹介したティン・クイと同じ、ザカライセック門下生です。

今季の彼女の演技は何度か見ているはずなんですが、「なんだ彼女もニュー・シネマ・パラダイスだったか!」と、いまさら気づきました。ただ、友野君演じる、ミーシャ直伝のコテコテなニューシネマとは違って、爽やかだなぁ・・・と思ったら、ウィルソン振付だったようです。

冒頭のコンビネーションでミスが出て、スピンも一つレベル2がありましたが、よく頑張ってますね。韓国女子は、ウンスとイェリムの2枚看板で北京まで行くのかな?と、いいスケーターが育ってきています。まだまだ表彰台を狙える位置なので、上を目指してもらいたいです。

https://www.youtube.com/watch?v=OplD7HaepsI

トゥルソワ。74.43の2位。衣装がかわいくなりました!なぜ最初からこれを作ってあげないのか?よく似合っていると思います。

相変わらずジャンプはミスする雰囲気がまるでありません。ただ、超一流のジャンプに比べると、彼女よりもポジションの安定性や回転スピードの面で優れたスピナーは何人もいるので、「お仕事感」というか、彼女自身スピンがあまり好きじゃないのかもしれませんね。

まぁ、彼女の場合は、クワドを入れた構成でこそ真の力を発揮できるので、フリーが楽しみです。現段階では、例えば、紀平さんの3Aと比べると、彼女のクワドの成功率はそこまで高くないという印象なので、それを払拭するようなノーミスの演技を期待します。新ルールでは、旧ルール以上にノーミスが求められるので、今のうちに「ノーミス癖」を付けておかなきゃいけません。

https://www.youtube.com/watch?v=t2T5SETlAPA

コストルナヤ。76.32の1位。完璧でしたね。これ以上、何も言うことはありません。ジャンプ構成から言っても、それこそ羽生君のOtonalじゃないですが、スコア的には「これがMAX」という所じゃないでしょうか。いよいよ、満を持して、来季シニア昇格ですね。この2Aの感じだと、3Aは余裕を持って行けそうに見えるんですけどね。

しかし、コストちゃんのPCSに7点台を並べている2人のジャッジのうち、一人が日本人というのはどういうことなんでしょうか。韓国はまだ分かりますよ。イェリムがファイナルに残っていますからね。福留ジャッジは、コストルナヤだけでなく、トゥルソワにもやたら辛い。何を訴えたいのかよく分かりません。

まぁ、でも彼女は、シニアの採点の方では、特に不可解なジャッジングをしているわけじゃないので、そっちでちゃんと仕事をしてくれれば十分です。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. おの より:

    わ~コストルナヤ素晴らしい!
    見れなかったので嬉しいです
    流れるような演技でした
    彼女が3Aを飛んだら敵なしでしょうか?
    全てが揃った選手ですね
    うっとりさせてくれます
    シニアに上がって、どんなプロやってくれるのか楽しみですが、日本としては強敵になりますね
    マスコミが紀平さんを持ち上げてますが、押し潰されないように気を付けて欲しいです
    宮原さん、坂本さんの事は全然取り上げてくれなくねりました
    選手は分かっているのかも知れませんが、傷ついてると思います
    勝負の世界なので、仕方ないですね
    ちょっと老婆心でした。

    所で男子のフリー、言葉が見つからないので止めます。

    • Jun より:

      おのさま

      いやぁ、ファイナル後の地上波情報番組での紀平さんの報道が凄いですね!
      ある意味で、羽生君の特集並に、巨大ボードの中に情報を詰め込んでいます。
      映像資料があまり無いのか、幼稚園の運動会の片手側転のビデオを毎日見ている気がします(笑)。

      テレビ的には3Aに注目するのが分かりやすいんですけど、ただ、「3Aだけじゃない」という部分を、稔先生や八木沼さん、あるいは安藤さんもきっちり指摘している所が、かつての番組作りとは明らかに違います。これは、羽生君の平昌五輪での勝ち方が影響していると思いますね。

  2. ととちゃん より:

    コスちゃん、本当に素晴らしかったですね。
    仰るようにフィギュアの美が凝縮されたプログラムでした。
    そして、junさんの初めの言い訳(?)が楽しい!(笑)
    確かにアップで抜きたい素材だと思います。
    男子なら羽生選手ですね!

    トゥルソワも、可愛くなって良かったです。
    衣装作成中だったのでしょうか?
    コストルナヤとの差はスピンとPCSですか。
    でも僅差ですよね。この先ずっとライバルで
    あり続けるんでしょうね。

    来季はシニアに行くコスちゃんは、紀平さんの強力なライバルにもなりますね。すごく盛り上がるだろうな、とワクワクします。紀平さん、メンタル強そうですが、マスコミに潰されないように…。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      あのアップには笑っちゃいましたよ!私も、シニア・ジュニア、男子・女子さまざまな試合を見てきてますが、あんなズームはちょっと記憶にありませんね(汗)。

      紀平さんも、トゥルソワやコストルナヤとは昨シーズン直接戦っているので、北京に向けてのライバルとして認識しているでしょうね。シニア一年目であろうと、ファイナルまで全勝で来れば、ファイナルでガツン!とPCSが上がるのは、ザギちゃん、紀平さんで証明されました。来季が楽しみですね!

  3. sennin より:

    トウルソワちゃんの衣装本当に最初からこれにすれば印象が良かったですね。シェルバコワちゃんは珍しい失敗が続いてしまいました。風邪でもひいていて練習不足か?なんかでしょうね。
    コストちゃん素晴らしい演技を魅せてくれましたね。何回もいいますが細くてもガシッとしている身体とこの子は音楽的才能とスケートのセンスと沢山持ち合わせているので、息の長い選手になるのではないでしょうかね?3A来季あたり来ますね?。
    島田君の時は流石にランビが帯同してましたが、タラちゃんはプルさんがアカデミーの方でなんかあるらしくて、自分は行けないと言ったそうで。残念だったなあ〜。
    カニシエワちゃんのフリー最高ですよねー。仰る通り衣装といい全てに心奪われます。みていて心が安らぎます。

    • Jun より:

      senninさま

      コストちゃんの「音をつかむセンス」については、昨シーズンのロシア選手権を岡部さんが解説していた際に、絶賛していましたね。

      彼女の場合、3Aやクワドを入れていない分、トゥルソワやシェルバコワに比べて、余裕をもってエレメンツをこなせてはいるんですが、とはいっても「ジャンプをなんとか跳んで、なんとか降りている」感じが全くないんですよね。プログラムの中に違和感なくジャンプが存在している。これは、スケーティングやスピンの技術の高さゆえだと思うのです。

      今後彼女のような総合力の高いスケーターはロシアからまた出てくるような気がしますね。今回のファイナルの結果を受けて、ロシアの中でも子どもたちに容赦なく高難度ジャンプを習得させる流れが変わってくれることを期待します。