全日本直前応援企画(駿・優真)

全日本直前応援企画(駿・優真)

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今日も「Quadruple Axel 2019」から、男子ジュニアの2人のインタをご紹介します。まずは、佐藤駿君から。

・4Tの習得のきっかけ

9月上旬の茨城合宿から練習しました。ずっと4Sしかやっていなかったので不安はありましたが、日下先生から「トウループもやってみないか」とすすめられたので。合宿から帰って、ハーネスをつけて跳び、外して跳んでという練習を繰り返し、感覚をつかめるようになりました。外した状態で思いきり身体を締めたら、ステップアウトしながらも降りられて・・・。もうその次からは、10本くらい続けて降りることができました(※9月下旬の関東ブロックで成功)。

6月のジュニアグランプリの選考会では、力が出せませんでした。ただ、もしジュニアグランプリに派遣されていたら、4回転トウループを試すこともなかったし、ハーネスの練習もしていなかったと思います。ケガへの恐れもありますし、4回転トウループを練習することでトリプルアクセルや3回転ジャンプが崩れるかもしれないという怖さがありました。

駿君を今季のJGPシリーズで見たかったな・・・という思いはあったんですが、このインタを読んで、結果論ですけど、「出なくて正解だった!」と180度考えが変わりましたね。日下コーチのアドバイスがなければ、4Tにトライすることもなかったはずで、いい先生じゃないですか。フリーでは、4Tを2本、3Aを2本(1本は後半)に予定しているとのこと。頼もしいですね。

・短期間での急成長の理由

試合のときに緊張しなくなってきたのが大きいです。「ウォームアップ」→「6分間練習」→「本番」と落ち着いて自分のやることに集中できるようになったし、気持ちをコントロールできるようになりました。

8月のサマートロフィーが終わったあたりから、アップで行なう動きの種類を決めるようにしたんです。練習拠点の埼玉アイスアリーナの新しいトレーナーの渡部賢二先生がアップのメニューをアドバイスしてくれたので、そのとおりにしっかりやるようになりました。

お父さんの転勤による埼玉移籍とはいえ、やはり仙台と比べると、様々な専門家との出会いがあるわけですね。昨日ご紹介した濱田チームの合宿もそうですが、自分の殻を破るためには、ある段階で、新たな刺激・新たな知見が必要になってくる。羽生君もトロントに移ったことで、世界トップレベルの技術と表現を確立して、五輪連覇を果たしました。「純日本産」とか、つまらないメンツに拘っていては、世界からどんどん置いていかれますね。

――未来に向かっては、どんな夢を抱かれていますか?

同じ仙台出身の羽生選手が、平昌オリンピックで金メダルを獲ったので、僕もオリンピックに出場して金メダルを獲りたいです。そして連覇を目指したいと思っています。

素晴らしい心意気です。羽生君の連覇達成後に、「自分も五輪を連覇したい」と宣言したのは、世界でも駿君ただひとりでしょう。全日本でガツンと4Tを決めてほしいと思います。

つぎに、鍵山君。雑誌の中ではチームメイトの三浦佳生君とのダブルインタという形になっていました。鍵山君の発言をまとめておきます。

一昨年、父親(鍵山正和コーチ)の仕事の関係で、軽井沢から神奈川FSC(横浜銀行アイスアリーナ)に移籍。

小学生のときにジャズダンスをやっていた。今シーズンのショートはジャズ系の曲を使っているので、すごく楽しい。

・ジャンプは得意になってきた。ジャンプの高さや膝の柔らかさは父譲りというか、そこは自分の武器。

全日本ノービス選手権の表彰台に上がった経験がない(昨シーズンは4位)。ジュニアに上がってから神奈川に来て、佳生君たちに負けないように頑張っていたら結果がついてきた。6月のJGP選考会で代表に選ばれてから、さらにやる気も出て、練習に対する姿勢が変わった。

・(羽生選手については)いろいろな映像を観て、参考にさせてもらっています。頑張って練習して、一歩でも近づけられたらいいなという存在です。

鍵山君がJGPカナダ大会に出場した日、三浦君は学校から帰ってすぐに得点を確認。「いきなり75点が出ていて、衝撃をうけた。ここまで来たか~って。優真が神奈川に来てからずっと見てきたから嬉しかったけど、その反面すごく刺激になった。本当にすごい!」。そうなんですよ、たしか日本時間の午前中が滑走時間で、そりゃ中学生は学校があるから、見れないわけです(笑)。

いまや、日本男子は、中学生でも3Aは当たり前。駿君や佳生君のように4Tも跳ぶ選手も出てきました。あと1年もすれば、高校生も大学生も全員ごぼう抜きにすることだってありえます。いま日本のこの年代は、女子よりも男子の方が断然エキサイティングだと断言したいですね。

明日は少し年上のお兄さん方をご紹介したいと思います。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. Fakefur より:

    おお、駿くん、羽生先輩に続いて五輪連覇宣言ですか!朝日の後藤記者の羽生評「言葉を動き、動きを言葉に」じゃないですが、「目標を言葉に、言葉を形に」良いですね!

    私は若い人には、目標は声に出して周囲に言うよう強く勧めています。自分のマインドがその方向に向かいますし、今は実力が足りなくても、それを聞いた周囲が情報や知恵を貸してくれたりしますので。西に比べ、スケート環境が良くない東日本、しかも仙台出身の駿君にはすでに肩入れしています。

    私は外国暮らしで立ち読みができないので、Junさんの雑誌評を見て通販で実家に送ってます。Junさんが太鼓判を押されたNumber966号、KISS& CRY22号、通信DXフィンランド大会、全て大正解でした。昨日帰国して涙。本当にありがとうございました。

    今回の雑誌は自分では買わないので、駿君、真壁さん、ブリちゃんの情報は大変助かります。これからも大人の事情に負けない、公正で、でも、ゆづファン目線のレビューを期待してます。

    • Jun より:

      Fakefurさま

      結果を出せれば、「有限実行」と評価されますが、そうじゃないと「大言壮語」とか「口だけ」とか日本ではいろいろ言われるので、なかなか簡単にできないことなんですよね。

      ただ、こうやって記者を前に宣言しないまでも、目標を言葉にすること自体はすごく大切なことで、それを達成するための具体的な方法を考え、それを実行に移すにあたって、つねに責任が伴います。「夢も目標も思い入れもない」というような発言を連発している某選手の体たらくを見れば、その効果は明らかですね。

      雑誌の件、そういっていただけると嬉しく思います。クリスマス休暇の一時帰国ですね!今年の12月はやけに暖かいですが、風邪はめちゃくちゃ流行っていますので、お気をつけください。

  2. sennin より:

    ついに、OPで連覇するなんて言い始めましたか!駿君は中1の時に「羽生選手を追い越す」とデカイ事を言ってて、私も仰け反りそうになりましたが流石に最近は言わなくなったなあと思ったらこれですか?益々興味が出て来ました。駿君は目の前で結弦君の練習を見てきた子でお母さんにお願いして横浜に試合を観に行って(アイスショーかも?)仙台に帰ってきた結弦君からプレゼントもらっている唯一の選手ですから気持ちの入り方もやはり半端じゃないですね。4Tの経緯よくわかりました、成る程〜ちゃんと分析出来てるところ凄い!。転倒しましたが4Sも跳んでいるのを私は直にみましたからお兄様方ウカウカ出来ませんね。先日のフリーを何回も観ましたが綺麗に跳んだ4Tは降りた時にドスンと音が聞こえて、ヤッパリ4回転は恐ろしい…。コーチも若いし身体能力のある駿君には挑戦させるのと見極めもいいですね?鍵山君達と頑張ってほしいです。私もエキサイティングだと断言します。(昨日の立ち読みは友野君のみにして、Junさんの記事を楽しみにしておいてよかったです。)
    昨日はプルさんの日本や結弦君へのコメントを読んで感動し、コストちゃんが神経外科になりたいから医大に行く3Aのことなど、メドちゃんいつの間にかSPをトスカに、振り付けはミーシャ等情報が盛りだくさんかと思ったら、今朝はレイノルズの引退とヴォロノフが膝の靭帯怪我でロシアナショナル欠場だそうで、応援しているので残念ですがしっかり治してまた復活して欲しいです。ロシアナショナルも楽しみですね。

    • Jun より:

      senninさま

      意識的か無意識なのかは分かりませんが、自分が目標にする「ヒーロー」に対する思い入れと、デカい夢をはっきり発言する所まで、駿君は羽生君の精神性からも大きく学んでいるように見えます。いいじゃないですか!頑張ってほしいですね。

      ロシアナショナルは去年も全日本の後にレビューを書いた記憶があるので、年内にゆっくり見ていきたいと思います。

      今晩の記事は、友野君以外の選手で構成しましたので、お楽しみに!

  3. ととちゃん より:

    中学3年生!
    キラキラしてますね!

    かつてロシアでは、プルシェンコが偉大過ぎて、誰もプルシェンコのようになりたいと言えなかったという話を聞いたことがありますが、駿くんの二連覇宣言は清々しいですね。
    裏付けのない大言壮語じゃなく、伸びていけばメダルも夢じゃないと思わせる点が また 素晴らしいです。全日本の演技、本当に楽しみです。

    優真くんも綺麗な3Aですね。羽生選手を参考にする選手が若い世代に沢山現れて、コンティニューされていくといいなと思いますし
    彼自身それを望んでいるだろうと思います。
    ジュニアの演技もチェックするのではないでしょうか。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      おっしゃる通りです。ジャンプの習得スピードについては、羽生君を上回るものがありますし、あとは大会の実績だけだと思います。ただ、羽生君がシニアに上がった当時と比べると、同世代の男子のレベルははるかに高いので、その点を比較するのは酷かなと思います。むしろ、勝ったり負けたり、切磋琢磨しながら男子の層が厚くなればいいですね。

      羽生君はそれこそ織田君のように、時間があればフィギュアスケートの試合を徹底的に動画でチェックしていると思います。てか、JGPにクリケットの選手もけっこう出てますし、日本選手を見ていないはずがないですからね。いずれ彼らとアイスショーで共演できる機会があれば、最高ですね。楽しみです。