叡王戦主催の不二家さんの特設ページが「春のリクルートスーツフェア」風で話題になっています。ABEMA将棋チャンネルでの放送は「こちら」。両者の対戦成績は、藤井聡太叡王から見て「10勝0敗1持将棋」です。
いよいよ、藤井八冠の2024年度の戦いが始まります。現在保持している8つのタイトルを全て防衛できるかどうか、しかと見届けることにしましょう。挑戦者は伊藤匠七段。昨年秋の竜王戦、年明け2月の棋王戦と立て続けに藤井さんのタイトルに挑戦。両タイトル戦でのスコア的には「0勝7敗1持将棋」と完敗でしたが、藤井さん相手にAI研究を駆使した最新流行形の将棋をぶつけて、見ごたえのある熱戦を繰り広げてくれました。
「棋士ランキング」(上の画像は2024年4月3日現在)を貼りましたが、伊藤七段はこの1年でレーティングを113も上げて、永瀬拓矢九段に迫る数値になっているので、現状では将棋界で藤井八冠を追う一番手と言っていいでしょう。正直言って、伊藤さんがこの五番勝負を勝ち越すのは難しいと思いますが、1つでも勝って、藤井叡王を焦らせるようなシリーズにしてほしいものです。
ところで、現在ランキング14位の「藤本渚五段」も前年からレーティングを257も上げてきた期待の新鋭で、藤井さんよりも年下の18歳。2023年度を51勝9敗と勝ちまくり、「王位戦」の挑戦者決定リーグでも挑戦者争いに食い込んでいます。夏の王位戦でいきなり藤井王位に挑戦する可能性も噂されているので、ぜひ彼の名前も覚えてください。彼の面白い所は、藤井さんや伊藤さんとはまるで正反対の棋風というか、AIを研究段階でほとんど使わず、得意の「雁木」という陣形から腕力勝負の力戦将棋に持ち込むという、ある意味で硬派な将棋指しです。まだ、公式戦では「藤井・藤本戦」「伊藤・藤本戦」は実現していないので、そんな将棋がAI由来の最新の将棋に通用するのか?という点でも興味深いです。この3人が間違いなく2024年度の将棋界の中心となることでしょう。
では、また明日!
Jun