RE_PRAY舞台裏SP(5/5)感想

RE_PRAY舞台裏SP(5/5)感想

new every.」の短時間でコンパクトに凝縮した特集も秀逸でしたが、こちらの「3時間をまったく飽きさせずに見せる構成」も素晴らしかったです。

今回の舞台裏SPを見てまず感じたのは、「チームに支えられているがゆえの孤独」という部分ですね。もちろん、羽生さん自身はそう思っていないかもしれません。あくまでも、私が知る限りの情報のみを踏まえて、もし私が彼の立場だったら、とことん孤独だっただろうなと。

なぜなら、スケートやコンディショニングに関しては自分一人ですべて準備・判断しないといけないからです。競技者時代のように、ブライアンもトレーシーも奈々美先生もいないし、ウォームアップエリアにジスランも、ANAやスケ連の職員さんもいない。黒Tに黒パンツの女性が傍らにいましたが、彼女は着替えのサポートとタイムキープぐらいの役割ではないですか?ある意味、競技者時代よりもシビアな状況でしょう。MIKIKO先生はもちろん、様々な持ち場のスタッフたちは皆さんプロですから、(たとえ心配に感じても)羽生さんの体調を気遣って声をかけることすら憚られたのではないかと。自分の専門外のプロに対して口出しするのは失礼にあたる。「自分の役割はできて当たり前」を求められるのがプロ。誰も頼れず、弱音も吐けない。こりゃ羽生さんはツライだろうな・・・というのが率直な感想でした。

他にもビックリしたのは、「破滅への使者」の直後に、裏で身体を動かしつづけるルーティンですね。あれだけ激しい演技の後ですから、寝そべってマッサージでも受けているのかと思いきや、まったく違う光景でした。それが羽生さん自身が導き出した「最適解」なんだろうけど、持久力も瞬発力(筋力)も必要って、完全にボクシングの世界じゃないですか?12Rフルで戦うスタミナをつけつつ、どんなに疲労していても、一瞬の隙を見つけて相手を一発で沈めるパンチ力もつけないといけない。でも、井上尚弥チャンピオンの場合、お父さんがコーチで、弟の拓馬選手と一緒にトレーニングをして、大橋ジムのスタッフがいて、とにかく周りで「管理」してくれる人がたくさんいますからね。ボクシングはトレーニング方法がある程度確立されている中、プロフィギュアスケートの世界での「ワンマンショーツアー」なんて歴史上初のチャレンジで、しかも一人でトレーニングしている。あれを成功させているというのが信じられません。

あとはそうですね・・・これは羽生さん自身とは無関係の話ですが、「キャーキャー」という大きな声援をマイクがかなり拾っていて、おそらく大半が中国からの若いファンなんだと思います。正直、これだけチケットを取るのが大変で、決して安くもないし、フィギュア自体もマイナースポーツに格落ちしたいま、いくら羽生さんと言えども日本で若いファンを新規開拓するのは容易ではないと思うんですよ。他方で、私含めて10年以上のファン歴の人も加齢に抗いながらなんとか残っている状況ではないかと。じゃあ、中国の若い人ってどういう方たちか考えてみると、そもそもスケート自体を会場で見るのは「RE_PRAYが初めて。羽生さんを試合で見たことはない」という層も相当数いるような気がするのです。だから、「どうしてここで声を上げるの?」とか、「どうしてお揃いのバナーを振るの?」という疑問に対して、自分の中である程度納得できた気がします。べつに、あの方たちが「悪い」と言っているんじゃないですよ。今後、羽生さんがプロとしての活動をいまの規模で続けていく中で、新しい感覚のファン層の開拓は大事ですし、むしろ許容しないといけないなと私自身は思います。

ところで、宮城公演の大楽のアンコール時に、RE_PRAY再演について、羽生さんから「どう?」という話がチラっと出ていましたが、もしかしたら、他の自治体(会場)から水面下でオファーがあるのかもしれませんね。でも、Ice Story 3rdのアイデアは確実にあるだろうし、どうなるんでしょう。

まぁ、Final Fantasyも7の「REMAKE/REBIRTH」(FF7R)が出ていますし、ならば「RE_PRAY: R」があってもいい。ちなみに、FF7Rは三部作を予定していて、REMAKEからREBIRTHまで4年かかりましたから、次のは2028年と計算すると、確実にRE_PRAY再演の方が早いと予想しておきましょう。

では、また明日!

Jun


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