四大陸選手権(男子フリー)感想

四大陸選手権(男子フリー)感想

リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。結果だけはネットで把握していて、演技自体は、月曜日に動画でチェックしました。

友野君。フリーは132.25の12位。合計206.41の12位。高難度ジャンプは、4Sを2本、3Aを2本と、後述する刑事君と同じなんですが、そのうち決まったのが3Aが1本のみで、しかも後半部分ではそれ以外のジャンプにもミスが出て、そりゃ、スコアは出ませんね。

ただ、まだ若いんですし、ここで仕切り直しですね。しっかり鍛え直して、来季に向けて、一皮も二皮も剥けた友野君が見られることを楽しみにしています。

刑事君。フリーは167.61の6位。合計251.54の7位。3Fと3連コンボでミスはありましたが、いやぁ、「刑事比」ということで言うと、最高レベルのフリーだったんじゃないでしょうか?

前半の、4Sと3Aを2本ずつ、多少着氷をこらえながらも降りきって、よく頑張りました。「250点」というのは、いわゆるオリンピック日本代表の「第3の男」の基準スコアと私は思っているんですが、全日本ではなく、四大陸のような国際大会でこのスコアを出せたのは大きいですね。

そういえば、ショートはフジの放送で見ていたんですけど、煽りVでジョジョのEXの映像が紹介されていて、「実況スレ」を見ていたら、「これは何気にクオリティ高ぇ!」「田中は、ジョジョを試合でやれよ!」とむちゃくちゃではあるけど、ストレートな書き込みを見かけて面白かったですね。

刑事君について、どうせジョニーかタラか誰かが言ってたんですが、「表情が弱い」とか色々言われていたことがあるんですよね。でも、あのジョジョができるのだから、あれぐらい殻を破るというか、「冒険」してほしいですよ。アニメである必要は無いけど、はっきりとしたストーリーのあるプログラムだと、インパクトのある演技をしてくれそうな気がします。

宇野選手。フリーは197.36の1位。合計289.12で1位。ウチの読者の方々は、この採点にはもはや怒りを通り越して諦めの境地に至っていると思いますが、単発の4Tはスローじゃなくてもフリーレッグがベタっと氷上についているのがハッキリ分かるのに、GOE+2.58って、完全な誤審ですよね。フリーレッグでブレーキをかけているのがバレバレで、いつからあれが両足着氷扱いにならなくなったのか教えてほしいです。

4T-2Tのセカンド、単発の3Aも、フリーレッグはけっこうギリギリ。まぁ、あのコーチだから、指導していないのか、「見逃してもらえるからそのままでいい」と黙認しているのか、いずれにせよ、例の「イーグルの件」も含めて、日頃からそういう考え方でスケートをやってるんだなと。そういう雑さがよく分かるスケートだと改めて感じます。

ヴィンセント(31:45~)。フリーは172.04の5位。合計272.22の3位。TESが速報値から14点下がりましたね。ルッツはショートと同様に高さもあったんですが、セカンドトウにUR。この後、4Sと4TにもURがつきました。

彼の場合、ルッツは比較的安定しているのが分かりましたし、3Aも回転が足りていると判定されました。クワドは2種類までに制限して、完成度を高めた方がいいのでは?キスクラで「天国から地獄」という感じの彼の表情を見ると、彼のメンタル的にこの「バクチ戦略」はどうなの?と思いますね。

ジュンファン(40:05~)。フリーは158.50の8位。合計255.83の6位。まさかの、回転不足判定が6本!冒頭の2本のクワドは、たしかに、肉眼で見てもやや足りない感じはあります。

ただ、3A-2TのアクセルのURはちょっと厳しいのでは?と思います。しかも、これに続く、単発の3Aは、URにGOEはマイナス。なぜ?わかりません。3連コンボはフリップの着氷で流れたので、その後のジャンプで足りないと見られても仕方ないかもしれないですが、それにしても、アクセルのURは不可解としか言いようがないです。ヴィンセントのアクセルの方がよっぽど足りないのでは?と感じます。まぁ、気落ちせずに、ワールドに向けて調整していってもらいたいですね。

ボーヤン(48:05~)。フリーは181.34の2位。合計273.51の2位。さすが、歴戦の勇者というか、大きい試合になればなるほど、きっちり仕上げてきますよね。冒頭の4Lzは、まさに世界最高峰のルッツで、着氷が乱れても、見ている方としては満足感のあるジャンプですよ。どんなにGOEの加点がつこうが、踏切・着氷でごまかしたジャンプでは、こういう興奮は味わえません。

注文をつけるとするなら、やっぱりジャンプの前のステップや工夫がもう少し欲しいなと。ジャンプの成功率との兼ね合いで、この形にせざるをえないのは分かるのですが・・・。ただ、コレオやステップの部分では「楽しませる要素」が散りばめられていて、以前は「やらされている感」があったローリーのプログラムが、新プロであっても、もはや「ローリーじゃなきゃ物足りない」ってぐらいフィットしているように見えます。

以上ざっと見ましたが、この男子で収穫だったのは、刑事君の意地の演技ですね。ワールドの日本代表は、高橋選手が「辞退」ということで、世間的には「刑事君が繰り上げで代表に選ばれた」とされてきました。ただ、高橋選手が、この刑事君のフリーの構成を滑り切るのは絶対に不可能なので、「刑事で良かった」と証明してくれたことになります。ぜひ、この調子を維持してもらいたいですね。

明日からはバヴァリアンオープンの方を再びレビューしていきます。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. みつばち より:

    更新ありがとうございます。

    田中選手よかったです。本来ミニマムポイントに達してない選手から世界選手権を譲られたかたちになってるのはなんとも気の毒です。事実じゃないのを知りながらそういう方向にもってくプレスはどういうつもりなんでしょう。

    いっそ競技でジョジョやればいいのに、と私も思っておりました。オリンピックイヤーじゃないんだから少しはじけてもいいんじゃない?真面目そうな人だから殻を破る機会ですよ。

    • Jun より:

      みつばちさま

      刑事君は、「大きな試合の代表に選ばれても結果を出せない」とか「だったら織田の方がいいだろ」とか、いろいろ言われてきて、本人も悔しい思いをしていたはずです。
      実際、私の飲み友達で、たまにこのブログも見てくれるライトな人(男性です)も、「田中はなぁ・・・」と年末に秋葉原の寿司屋で飲んだ時に言われたのでした(笑)。

      でも、このフリーはよかったですよ。お馴染みのフレーズが鳴り響いた後、刑事君もあのコレオをノリノリで滑っていたんじゃないかな?と想像します。クワドがどーだとか、もうそーいうことは気にせずに、いろんなプログラムにチャレンジしてほしいです。いずれ、羽生君&龍樹君との絡みも実現することでしょう。

  2. Fakefur より:

    爆盛りエンタメの全米基準は絶対許さん、如何なる回転不足も見逃すまじ、というISUテクニカル陣の強い意思を感じました。女子は岡部さん、加、メキシコ、オーストリア、男子は韓、豪、独、ジャンプに厳しい天野さん。米人なし。

    しかし、そこから治外法権を許されているのが我らが宇野選手で、本当にISUから愛されています。 言いたいことはJunさんが書いてくださっているので。ISU=I‘m Shoma Uno.

    ボーヤンは完成度の高いSPと比べると、コレオに振り回されるマリオネットが復活してましたが、新領域にチャレンジする姿勢は好きです。格調高い難プロなので、大人のスケーター、例えばランビさん辺りが滑ったら格好いいでしょうね。ローリーの意欲的プロなので、20代半ばのボーヤンにもう一回挑戦してほしいです。

    ヴィンスの音楽は中国と日本の怒涛のコラボで、ドイツにあるベトナム人経営のアジア料理店を思い出します。スシもフォーもバミゴレンも何でもありです。これでいいのかヴィンス。

    ロミジュリは、つい17歳の羽生さんのディカプリオ版と比較してしまうんですが、つま先から毛先まで総毛立った戦闘モード全開の羽生ロミオに対して、ジュンファンは全体的に脱力していて、両腕の不思議な滞空感といい、のらりくらりと逃げるロミオですね。ジャンプが決まらないと気の抜けた炭酸になるので、諸刃の刃なんですけど。クリケのギラギラした先輩方と違って、元俳優の割に気合いスイッチがなさそうなのに、演技は割とまとまっているので不思議です。

    • Jun より:

      Fakefurさま

      全米のお祭り採点は、あれはあれで能天気なだけでしかも日本人には関係ないから良しとしても、一方、この四大陸の採点は巧妙かつ悪質で、しかもジャッジ・選手ともに日本人が深く関わっているというのは、情けない限りですね。
      まぁ、日本に限らず、各国それぞれ「推し選手」というのがいて、持ちつ持たれつでやっているのでしょう。日本にもそういう業界はたくさんあるので、「なーんだ!納得!」ってことで良いんじゃないでしょうか。

      ボーヤン、ヴィンス、ジュンファンの興味深い分析をありがとうございます。このうち、ボーヤンとジュンファンは今大会でも実力はしっかり証明してくれたと思っています。採点のアレコレで被弾したことで発奮して、より精度の高い演技を追求してもらいたいです。問題はヴィンスで、またコーチのトムZは文句を言ってるみたいで、気持ちは分かるっちゃ分かるんですが、その前にジャンプ指導をどうにかしたら?と、手放しで擁護はできないですね。

      ここまで組織が腐りきっていると、羽生君が引退して、日本の試合もガラガラにならないと、この方々のマインドは変わらないような気がします。絶望的ですね。

      • Fakefur より:

        ヴィンスと知子さんの番になると、テクニカルが椅子を座りなおして、目を凝らしてますよね。狙い撃ちされている以上、ヴィンスサイドはクレームを言うより、ジャンプ改良や戦略変更などのメッセージを拡散する方が賢明ですよね。現役を続けるなら。

        埼玉ワールドのシングル審判は日本もロシアもなし、女子に米が入りました。どうなりますでしょうか。

        • Jun より:

          Fakefurさま

          へぇ、そのヴィンス&知子ちゃんネタは初耳です。際どい判定については、最新のテクノロジーに頼るというのが、プロスポーツでは主流になっていて、サッカーではビデオ判定が導入され、野球やテニスにもチャレンジ制度がある。フィギュアスケートは頑なにをこれを拒んで、ルールを複雑化することで、「ちゃんとやってますよ」アピールだけをしている。発想が日本の官僚と変わりません。

          一方で、クラシックな判定基準のままなのがボクシングで、3人のジャッジが肉眼で採点しています。もちろん誤審もたくさんありますが、ボクシング業界は採点について自由に議論できる環境がいいですよね。「私の採点では村田が5ポイント勝っていた!」とか「私の採点ではドローがいいところ」とか、元世界チャンピオンも、元ジャッジも、ジャーナリストも、もちろん一般のファンも、言いたいことを言ってます。

          フィギュアスケートは、専門家もマスコミも足並み揃えて採点についてはダンマリで、それがお花畑スケオタにも伝播していて、異常というか気持ち悪いですね。こういう方々の悪しき影響だけは絶対に受けないよう、私も気をつけたいと思っています。

          • Fakefur より:

            すみません。ヴィンスと知子さんのくだりは、私の想像です。誤解を招く書き方をしてしまい申し訳ありませんでした。

            空中での回転数はAIの得意とするところだと思うのですが、プレロとグリ降りの判断はどこまでできるのでしょうか。結局目視になってしまうのではないかと危惧しています。

            あえてナショナルバイアスの余地を残しておきたいISUの目論見を感じます。

          • Jun より:

            Fakefurさま

            ジャッジの方々のおそらく共通認識として、「自分たちは特権階級なのだから、美味しい思いをして当たり前」という、驕りがありますよね。

            大きなスキャンダルがリークされるか、あるいはフィギュアスケート人気がガタ落ちするような「外部的なショック」が無ければ、この組織の変革は期待できないと思っています。

  3. ととちゃん より:

    宇野選手、点数を知って一体どんな演技だったのかと動画を見たのですが、なんだか詐欺に合った気分でした。クワドの回転不足もフリーレッグが氷を掠るのもいつも通りで、それに加点が付くのもいつも通りでした。
    その上、宣言通りジャンプの前は何もしなくなったんですね。一応トップスケーターが、まさか本当に実行するとは思いませんでした。
    OP銀メダリストに何が何でもタイトル獲らせるぞという、確固たる意志を感じた試合でしたね。そりゃあ本人も、足の怪我があろうが何が何でも出たいでしょう。

    今回、刑事くんに復活の兆しが見えたのと、
    ボーヤンのプロが形になってきたのが良かったです。表彰台で笑顔がなかったのが少し気になりますが、junさんが仰る通り、ボーヤン、あと一息ですよね。世選では大きな存在になっていると思います。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      いつもの彼の演技でしたよね。そして、どんなに御輿を担いでもらったところで、相変わらず「人気がない」ということなんですよ。

      幸か不幸か、いまの日本人は、マスコミの「ゴリ押し」に対する嗅覚というものが働いていて、御用メディアやOBOGがいくら彼を持ち上げたところで、技術的にも美的にも、まったく凡庸なあのスケートを見たいという人はいないでしょう。そこが、羽生君や紀平さんとの決定的な違いです。

      ボーヤンの元気な姿と、刑事君の演技は男子シングルの収穫でした。二人にはワールドでも頑張ってほしいですね。

  4. おの より:

    テレビは煽りも多いし、結果は噂通りだったのでビックリしたけど…
    両足着氷がホフレガより凄い点数と一部では騒いでいるようですが、越えているんですかね?
    ま、ルールが変わったから、前のと比べられても?って思いますが(..)

    田中君、壁にぶつかりそうでした
    気合いが入っていたのでしょうね
    友野君、期待していたんだけど…
    もっと自信を持って欲しいですね
    彼の柔らかい演技は好きなので、頑張って欲しい

    • Jun より:

      おのさま

      ホプレガの話をするんだったら、あのシーズンの宇野選手のピアソラは、今季の月光よりはるかにマシなプログラムだったと個人的には思います。

      結局、2シーズン前をピークに技術的に劣化しているのは明らかで、それを無かったことにしているわけです。他の選手の過去のプロと比べている場合じゃないのでは?と、哀れに感じますね。

      友野君は、大学の単位を取らなきゃいけないとか、学校の方も忙しくてトレーニング量が足りなかったという話も出てきていますね。三原さんは、前期に固めまくったという話でしたが、その辺りも参考にして、彼には来季この悔しさを晴らしてもらいたいです。

  5. ごろ寝 より:

    「諦め」てます。4CCは見なかったと思うことにした「つもり」でした。

    全米のネイサンも、ほぼ何もなしクワドでした。ただ、ネイサンのジャンプは精度が高く、着氷後の流れもある。「宇野採点」は見ないのが賢明と避けていたのですが、動画をつい見させていただいたら・・・これは酷くないですか?
    100度ぐらいは足りていないし、着氷で止まっている。4Fは明らかにエッジで踏み切っているし、ルール内とは言えこんなにプレロテだったのですね。

    ジャンプ判定6項目はお飾り名目。堪えても降りれば2、3。力のあるSSでエッジも深ければクロスばかりでもChsqで4,5は貰える。ワールドも同じなのかと暗澹としてきます。
    どれほど盛っても、順位を上げても演技は良くはならないと思うのですがね。羽生さんのH&Lと比べる人がいるとは、驚くより美的感性が根本から違うのでしょう。

    • Jun より:

      ごろ寝さま

      全米のネイサンのスコアは異常でしたが、あの演技を4CCで披露していたら、おそらく310~320点ぐらいは出ていて、圧勝していたでしょうね。プログラムの質はともかく、全体をまとめるのが上手くなっています。さいたまワールドは、羽生君が怪我から復調していたら、「羽生vsネイサン」の一騎打ちになると思います。宇野選手は、そもそも怪我の有無以前に、ノーミス自体が出来ないのでこの勝負に絡むことは不可能でしょう。

      よく、「このジャンプにこのGOE?ロステレの羽生君の4Tは・・・」とビックリされる方がいますが、やっぱり同じ試合で比べないとあまり意味はないと思います。GOEにしろPCSにしろ、どういう形で差をつけるのか、さいたまを楽しみに待つとしましょう。