このタイミングで読みましょう。『チーム・ブライアン 新たな旅』(1)

このタイミングで読みましょう。『チーム・ブライアン 新たな旅』(1)

2018年11月1日発売。税込価格「1,512円」。

GPフィンランド大会が終わって、ようやく中身をチェックすることができました。本書は完全な新作ではないので、私もまずは、前作『チーム・ブライアン 300点伝説』に含まれる「14-15シーズン、15-16シーズン、そして16-17シーズン(マルセイユ・ファイナルまで)の回想部分」(16~115頁)はスキップして、「はじめに」(1~6頁)と残りの115~250頁(野口美惠さんのあとがき含む)に目を通しました。したがって、新しい記述は150頁ほどですが、さすが「世界初公開」の内容が大半を占めているので、1,512円の元は十分に取れると思います。

まだ情報を入れていない方に、ネタバレになると申し訳ないので、私にとって「発見」だった部分をピックアップしておきます。

・17年ヘルシンキワールドでゆづが「スワン」に込めた特別な思い

・17年NHK杯での負傷後、リハビリ期間の具体的な取り組み

・平昌五輪会場入り後の練習量・内容についての「ゆづからの提案」

・CiONTU用の練習をブライアンがクリケットで目撃した時の感想

・今年のFaOIでブライアンがゆづに投げた質問

・メド移籍に関する世間の「誤解」とチーム・ブライアンとしての指導戦略

・ジェイソンのスタイルを進化させる明確なアイデア

トピックスとしてはこんな所でしょうか。まぁ、しかし、ブライアンは日本の匿名掲示板をチェックしてるんじゃないか?ってぐらい、「ブライアンはハビを贔屓してる」とか、「メドはエテリやザギが憎くてカナダに逃げてきた」という類の妄想レベルの噂話に対して、しっかり答えを出している所が面白かったです。

ただ、ブライアンがメドをヨナと比較して見ている所は興味深いですね。まぁ、やはりある程度の時間はかかると見ているようで、以下に引用しておきましょう。

肝に銘じておくことは、誰であろうと変化を起こすときには、半年から1年はかかるということです。ヨナも、ユヅルも、ハビエルも、誰もがそうでした。ユヅルは2012年の夏にクリケット・クラブに加わり、そのシーズンの世界選手権(ロンドン、2013年)は4位でした。トロントに来る前のシーズンの世界選手権(ニース、2012年)で3位でしたから、成績としては上がらなかったわけです。しかし翌シーズンのソチオリンピックで優勝しました。ハビエルも同様で、クリケット・クラブに来たシーズンの欧州選手権は6位、世界選手権は9位といまひとつの順位でしたが、その翌シーズンの2013年は欧州選手権で優勝し、世界選手権で初の銅メダルを獲得しました。変化を加えてすぐに結果は出ません。むしろ成績が下がることもあります。

『チーム・ブライアン 新たな旅』220~221頁

「完全新作」の部分だけなら次のロステレ杯までは余裕で読めると思いますので、いっそう強固になった「チーム・ブライアンの絆」を本書で確認してほしいと思います。私もこれから、スキップした部分も読むことにします。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. 名無しの猫 より:

    チームブライアンとキスクラを買ってきて、軽く読めるキスクラだけ読みました。
    フィンランド終わって少し腑抜けになっておりますが、Jun様のおっしゃる通り、この
    タイミングでブライアン読むこととします。

    通信復活は驚きましたね。
    memorialも出るようです。それで無事出せたら、大丈夫なんなら、と皆続々と出したり
    して・・・何がどうなっているのかわかりませんが、不思議ですね。

    • Jun より:

      名無しの猫さま

      通信、Memorial、そしてFigure Skatersと、いろいろと情報が飛び交っていますね。とくに、Figure Skatersは「羽生本を出す条件として、高橋本を出す」という噂話もあります。

      ただ、個人的には羽生本が出るのだから、大歓迎です。どんどん、各誌が棲み分け方式にすればいいい。そっちの本は赤字覚悟でも出していただくとして、その分、我々が羽生本を買って応援するのみですね。

  2. Yuki より:

    Junさん こんにちは
    ヘルシンキ杯のSP,FSは何度もリピして止まりません
    ロステレコム杯まであと9日なのでそわそわわくわくもしています
    私は「チーム・ブライアン」を一気に読んでしまい、何か安心してヘルシンキ杯を見ていました
    羽生くんと周りにいる人々が地に足をつけて日々を送っているということが行間からうかがえたからでしょうか
    通信復活は私もびっくりしましたが早速アマゾンでポチりました
    Figure Skaters13について、あれは高橋本だという話が出ていて様子見を決めていますが、何か裏取引でもあったのでしょうかね
    みなさんFigure Sakatersは羽生本だと思いこんでいて。ヘルシンキ杯の直後に出版の情報が出てくれば勘違いしてポチっちゃうのだと思うと釈然としません

    「チーム・ブライアン」でオーサー自身が言っている言葉の中に日本のアンチに対する返事のようなものがあっておもしろかったです(「オリンピックと通常の試合が・・・」「脚をとめて腰を振ったり苦悶の表情をうかべたりするのは・・・」)

    • Jun より:

      Yukiさま

      地に足がついていない方々の周辺の圧力により、よく分からない本が出版されるようですが、本当に売れると思っていたら、どんだけ脳内お花畑なんでしょうか。

      出版関係者は「売れるわけがない」と思いつつ、それでも羽生本が出せるなら・・・と、ソロバンをはじきながら、計算していると思いますね。

      つぎはロステレですからね。フィンランドよりもお客さんは多いはずで、羽生君の調子も上がれば、写真になる瞬間は盛り沢山で、日本から多くのカメラマンが送り込まれることでしょう。

      あのロシアのことですから、たぶんフラワーガール&ボーイの中には「あの男の子」がいて、また絵を持ってやってくるのかな?シャッターチャンスを逃すな!と日本のカメラマンも命がけですね。

  3. ととちゃん より:

    「チーム・ブライアン」を読むタイミング、junさんと一緒でした(笑)。フィンランド大会前に書店を3箇所回ってようやく手に入れたのですが、試合に心が向いてしまい、昨日ようやく読み終えました。

    やはり、ブライアンの言葉で、平昌前の羽生選手の状況が語られている点が一番心に響きました。ブライアンの必要最低限の声掛けをきっかけに自分で計画を立てて進んでいった様子に改めて羽生結弦の凄みを感じました。

    平昌の練習で行った、ハビとのセッションがこの本の山場でしょうか。結果について、ブライアンが、控えめながら ハビ>宇野選手と述べている点、誰もが頷くところでしょう。それでも、ボランティアで携わってくれているジャッジに敬意を持ち、ジャッジが明確に判断しやすい演技を心がける姿勢は素晴らしいですし、明らかに羽生選手に影響を与えていると思います。

    読了して、ブライアンが羽生選手を北京までサポートしたい意向を持っていると感じました。もう4年、健康を維持しつつ、続けてくれたら、どんなに幸せかと思った次第です。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      本を買って読む努力もしない、ネットで騒いでいるだけの人たちは「ブライアンとゆづの距離がうーたらかーたら」と言ってましたが、ブライアンが、羽生君の性格を熟知してサポートしていたことが、本書からよく分かりますよね。放任主義でも管理主義でもない、つねに意見交換をしながら、教え子の細かい変化を見逃さない。さらに、ブライアンにはトレーシーやジスランという優秀なコーチ陣がサポートしていて、本当に良いチームですよ。じゃなければ、3大会連続で金メダリストを輩出するなんてことはできませんよね。

      ブライアンは「ユヅルが北京を目指すなら、後押しするよ!」というところで気持ちが固まっているはずですが、じっと彼の答えを1年待つと言っている。泣かせるじゃないですか・・・。私もそんな心の広い人間になりたいですよ。

  4. sennin より:

    チームブライアンの紹介ありがとうございます。少しだけ書店で立ち読みしましたが、今回はちょっとよく吟味してから考えるつもりでいます。今では売り切れて見当たらなくなりましたが、増刊されると思いますのでじっくりいくつもりでいます。
    通信DXは夕べのJunさんのTwitterで、そうだそうだ通販はやめるんだったと気がつきまして、キャンセルして地元の書店に取り寄せ頼みました。
    Junさんに感謝!

    フィギュアスケーターズ13もAmazonでみましたがなんの紹介もないですね。ヤフコメでは大ちゃん本だからそのつもりでいた方がいいというのを見ましたけど、私みたいなのは怪しいので知って良かったです。大ちゃん表紙の雑誌は未だに地元の書店では残っていますけど思いきって出版するのでしょうか?根強いファンは西日本のピンク一色のバナーをみればわかりますけど、一般的にはどうなのか?まあ私の知る由ではありませんが
    フィギュアスケーターズは好きだった物ですから…。

    • Jun より:

      senninさま

      ワイドショーやスポーツニュースでは、羽生君に紐づけるように高橋選手の報道もされているので、けっこうな報道量になっていますが、スケカナで優勝した宇野選手はこんなに報道されなかったので、気の毒になりますね。「高橋の報道なんてするな!」と宇野ファンは怒らないんでしょうか?・・・あ、両選手のファンを兼ねているから怒るわけがないですか。

      Figure Skatersと通信に関しては、最終的にどういう形で出されるのかまだ読み切れませんね。前者はともかく、通信はかつて「羽生成分薄めの妥協策」で刊行したところ、ボロクソに叩かれた経緯がありますから、同じ過ちは繰り返さないはずだと願っています。

  5. マリィ より:

    こんにちは
    書店に注文しましたが、まだ届いていない状態ですが、なかなか興味深い内容ですね。
    届くのが楽しみです。
    キスクラでのコーチ陣との和やかさはおなじみになってきましたね。
    確かな絆を感じます。
    ブライアンはメドちゃんをヨナと比較ってありますが、デールマンも羽生くんとハビのような関係になれたらってこちらのブログで読みましたっけ?それはうまくいってるのかな。
    ハビと羽生くんは特別な気がします。

    通信、私もアマゾンキャンセルして書店に注文しようかな。

    • Jun より:

      マリィさま

      デールマンの話はあまり無かったですね・・・。彼女の場合は、リー・バーケルがメインコーチで、振付もずっとローリー・ニコルにお願いしているので、羽生君やハビとは関わり方がちょっと違うのかな?という気もします。

      そういう意味で、メドちゃんが加入しても問題ない、とブライアンは判断したのかもしれません。もちろん、両選手の了解を得てのことだと思います。あくまでも、私の想像の話ですが。

  6. 名無しの猫 より:

    再度失礼します。
    出版社に問い合わせをした方によると、11月に出るフィギュアスケーターズプラスが
    高橋さん本で、12月初めのフィギュアスケーターズ13は羽生くんメインだそうです。
    私は書店で確認してから買ってますが、ポチる方は、詳細がある程度わかってからの
    ほうがよいのかもしれませんね。

    • Jun より:

      名無しの猫さま

      最新情報をありがとうございます!あの雑誌は、「極力宇野選手の写真を入れない」という点で徹底してきたので、もし高橋本を出すとしたら、分冊方式しかないと思っていました。

      ただ、実際に出てみないことには分からない部分があるので、いつ、どこに予約をすべきか、少し慎重になった方がよいのかもしれません。