JGPオーストリア（ペア）感想

フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。まず、ジュニアにおけるペア競技の現状を確認してみたいと思います。第1戦「スロバキア大会」はまったく見ていなかったので、第2戦「オーストリア大会」の結果とセットで並べてみました。

2大会連続で、ロシアペアが1-2-3フィニッシュという結果になっています。しかも、恐ろしいのは、両大会に出場したペアがかぶっていない点です。つまり、まったく別の6組が出場しているのに、その6組で表彰台を独占しているという状況なんです。シングル競技と違って一国から3組出場できるようで、単純比較はできませんが、4位以下とのスコアの差がけっこうエゲツないことになっているので、女子シングル以上に「ロシアとそれ以外」で実力差が出ているかもしれません。シニアだと、ドイツ、中国、カナダ、フランスにも強いペアがいますが、ジュニアではロシアの無双状態といえますね。

そんな中、三浦・市橋組のスコアを見てみると、「131.67点」という結果は、ロシア以外のペアの中ではいい位置で戦えています。7位という成績でしたが、第1戦のスロバキア大会だったら5位に相当するスコアです。オーストリア大会はそもそも出場ペア数も多くて、ちょっと大変でしたね。

SPの「Cry Me a River」は、DOIでもお披露目されていました。2Aは着氷もピタっと揃ってキレイでしたが、3SThの転倒が残念。こういうミスが減ってくるだけで、グッと140点台、150点台が見えてくるのでしょう。こちらのSPの曲、渋くて個人的にけっこう好きです。平昌五輪での「海・龍」ペアはユーリオンアイスにロミジュリでしたから、違う方向性で攻めるというのはいいと思いますね。

フリーの「ワルソー・コンチェルト」は昨季の持ち越しです。序盤のコンビネーションジャンプの転倒＆コンボ抜けが痛かったですね・・・。シングルでもそうですが、ここでゴッソリ減点があるので、その後の演技がほぼパーフェクトな出来なだけに、もったいない。ただ、キスクラでコーチ含めて、3人みんなが厳しい表情をしていたのが印象的。「もっとやれる！」という自信があるからなのでしょう。頑張ってほしいですね。

ところで、フリーのこの曲、誰かやっていたような・・・と調べてみると、織田君が演じていました。振付はローリー・ニコル。2008年のNHK杯の映像です。会場は代々木ですね。詳細は「フィギュアスケートYouTube動画Blog」さんで。

いまからちょうど10年前、21歳のときの演技です。序盤、中盤ちょっと動きに硬さがあって、いまいちスピードが足りない印象ですが、終盤は見違えるように元気になって、ジャンプもビシバシ決まっています。結果は、見事に優勝です。ちなみに2位はジョニーでした。キスクラにはモロゾフと憲子コーチが同席。織田君はあまり変わらないですが、コーチの二人はさすがに若いですね。

話をペアに戻すと、近年、日本のペアの第一人者といえば、「須崎・ブードロオデ」組で、しかし、残念ながら、フランシスの国籍問題でこのペアの平昌五輪出場は叶いませんでした。で、今さら知ったことなんですが、今年の3月にペアを解消していて、フランシスは日本を離れたという話です。

それでいて、先ごろの「かなクリ」のカップル解消と、日本のカップル競技の第一人者が立て続けに解散。厳しい時代に突入したと言えるかもしれません。話はペアと逸れますが、「北京を目指すかなちゃんと、そうではないクリスの方向性の違い？」なんてネットで言われていて、じゃ、すぐに相方が発表されるのでは？という話だったのですが、まったく続報が届かないので、心配です。

ちなみに、JGPのアイスダンスには日本代表カップルの出場はありません。ジュニアのカップルが育っていないのは気がかりです。三浦・市橋組は、第4戦「カナダ大会」にもアサインされているので、ぜひ注目していただきたいと思います。

では、また明日！

Jun