近年の心理学や脳科学の研究で、ネガティブな事柄に対する脳の反応の方が、ポジティブな事柄への反応よりも、断然強いことが明らかにされてきました。例えば、とっても幸せなディナーのひと時も、最後の不快な店員のひとことだけで、台無しなんてことも。どんなに幸せなディナーの時間が長かったとしても、最後の店員の一瞬の態度ですべてが打ち消されてしまうのです。そのように、ポジティブより、ネガティブな事柄に強い気持ちを感じてしまうのは、私たちの脳のもつ基本的なメカニズムによるものです。これを「ネガティビティ―・バイアス」(negativity bias)と呼びます。
星友啓さんの『全米トップ校が教える自己肯定感の育て方』という本を読んでいたんですが、そういうものなんだ?と目から鱗でした。例えば、100のコメント・リプライのうち99がファンの肯定的意見だとしても、たった1つのアンチの誹謗中傷まがいの意見が気になってしまう。これを「気にするな」とか「忘れなさい」と誰かに言われて無理矢理抑え込もうとすると、むしろ心身に悪影響が生じてしまう。そんな調査結果もあるそうです。
そもそも「ネガティブな思考」というのは、人間が天敵から身を守るための能力でもあり、その能力ゆえに、人間は学習し、失敗を繰り返さなくて済むように正しい決断ができるようになったのだと。
じゃあどうするのか?いろいろ本の中では書いてあるんですが、「ネガティブなものに脳が反応してしまうのが人間の性」と前もって知っておくだけでも、ずいぶん冷静に対処できる部分もあるんじゃないかと。SNSだったらブロックしたりミュートしたり魚拓を残したり具体的な対処法がありますが、こういう対処をしつつ、実は内心で「なぜ自分は嫌なことを言われるのだろう?自分にも何か原因があるんじゃないか?」などと自分自身を責めてしまうのはよくないってことですね。この部分だけでも、この本を読んで良かったなと思います。
あとは、自己肯定感を簡単に上げられる習慣として、「人に親切にすること」が効果的なんだそうです。ささいなことでいいようで、家の中であれば何かお手伝いをする。外であれば道を譲るとか。
私も、さすがにノルマにしてるわけじゃないですが、何か気づいたらやるように心がけていますね。
では、また明日!
Jun