FaOI仙台(2日目)現地レポ(2)

FaOI仙台(2日目)現地レポ(2)

今日は第一部(2日目)について見ていきます。セットリストは「こちら」で。全プロレポではなく、ツイを補足する形で、印象に残ったものをピックアップしていきます。

・オープニング~真夏の夜の夢(with ToshI)

これは皆さんご存じかと思いますが、「ユッヅル・ハニュー!」とコールされての、4Tは転倒。ただ、本人相当悔しかったようで、真夏の夜の夢に入る前の暗転時に、身体を締めたり、軌道を確認するなど、メラメラモード。お客さんは羽生君の一挙手一投足を凝視していますから、その様子に、クスクスという笑い声が上がっていました。真夏の夜の夢では4T&ハイキックを成功。アイスショーではあるけど、「羽生結弦の4回転を見に来ているお客さん」のために、いつも全力投球の彼なのでした。

・バルデ「Ne Me Quitte Pas」

セリーヌ・ディオンによるカバーはコストナーやパネンコワのプログラムで有名ですが、おそらくオリジナルのジャック・ブレルのバージョンなんだと思います。YouTubeに原曲が上がっているので、見てほしいんですけど、真夏の夜の夢で上がったテンションが・・・。明らかに「ここじゃない」という場所での配置。バルデさんは、このプロと、「Movin’ Up」という2プロなんですが、このプロは第二部でやるべきで、実際そういう日もあったようですね。いやぁこの段階では、今回のFaOI大丈夫?と不安になったのも事実です。

・宮原さん「シンドラーのリスト」

「お、衣装違うな?」と思っていたら、幕張のリショープロの方ではなく、ローリー・ニコル振付の「シンドラーのリスト」。これはかなり期待できます。衣装も大人っぽくて、これまでの彼女と違った魅力があり、曲もドラマティックですごく感触がいい。ジャンプはこれからですが、すでに去年のピアソラよりも良さげな雰囲気が出ていました。神戸&富山組の皆さん、ぜひ楽しみにしていてください。

・カペラノ「瞳を閉じて」(with BENI)

カペラノは毎年2プロ見ているはずなんですが、その両プロともに文句なしに楽しいというのは、ちょっと驚異的じゃないですか?そして、個人的には、フィギュアスケート界でぶっちぎりのお洒落番長はカッペちゃんだと思っています。何を着てもかわいいし、何を着ても似合っている。私の近くのお客さんの、「ディズニーに出てきそう!」というヒソヒソ声を耳にしましたが、まさにそのレベルにあると思います。BENIさんのヴォーカルも、BS朝日の幕張映像を見るよりも、生の方が断然いいですね。ToshIさんが話題の中心になってはいますけど、彼女のヴォーカルも安定感がありました。

・荒川さん「永遠」(with BENI & 末延麻裕子)

地元仙台ということで気合いも入っていたと思いますけど、今回の荒川さんはキレキレでした。子どもを二人産んでこの体型を維持して、スケートもできるというのはちょっと信じられないですが、シャープな身のこなしでジャンプもしっかり着氷。ジャンプで不安定だった女子の現役組と比べてもまったく負けていないパフォーマンスでした。「荒川・安藤・鈴木」と括ってしまう私ですが、今年の鈴木さんは分からないですが、安藤さんよりも荒川さんの方が明らかに動けているので、まだまだやれる感じはあります。

・リーザ「Infinity」(with 末延麻裕子)

ロシア3人娘の中で、ジャンプは一番安定していて、その点でコンディションは良さそうでした。テレビの映像からイメージしていた以上に、身体が小柄なことと、「見慣れた動き」がやはり目立っていた感は否めず。一方で、末延さんの「弾きまくりのバイオリン」にちょっとパワー負けしていましたね。

・ザギ「カルメン・ファンタジー」(with 末延麻裕子)

もしかして怪我でもしてるんじゃないか?ってぐらい、ジャンプが決まらなくて、見ていて辛かったですね。ただ、会場からの声援は大きく、若い彼女を祈るような気持ちで会場のお客さんも応援していたんじゃないでしょうか。

上のツイでも書きましたが、この会場の音響がいいのか、アーティスト・ミュージシャン陣のマイクの音量を上げているのか分からないですが、フィギュアのショーというより、完全にロックのライブに来ているような音圧と音量でした。

ただ、ToshIさんを、若い現役の女子とコラボさせるわけにはいかないし(だから、ランビ、ジョニー、羽生君というセレクションは、コレしかない!かと)、でも末延さんのパワーにリーザもザギも負けているので、「誰と誰を組ませるか?」という点で、今回なかなか難しかったと想像しています。

・ランビ「シューベルトの即興曲4番」

このシューベルトの元気なピアノ曲に、ランビさんの動きがちょっとおとなし目で、やや合っていない印象を受けました。第二部での、ToshIさんとの「I LOVE YOU」では、ジャンプもキレイに決めてエネルギッシュなスケートを見せてくれていたので、意図してこのような振付にしたのかもしれません。

・プルさん「アダージョ」

私が生でプルさんのスケートを見たのが、2014年仙台ゼビオアリーナのTOIだったんですが、その後に、FaOIやCiONTUで彼のスケートは見ているはずなんですけど、今回は、あの時の衝撃が蘇りましたよ。彼の前のスケーターがメドちゃんだったんですが、照明が暗い間にリンク中央に向かってものすごいスピードの影が動いていって、プログラムが始まると、パワーが全然違う!

過去の試合映像でプルさんのスケートを見ると、「力任せに強引に4回転を回りに行く」という意味での「パワー系スケーター」という印象を受けます。ただ、生で彼を見ると、まず体格が他のスケーターと明らかに違うのもありますが、ジャンプに限らずすべての動きがエネルギッシュで、「何を食べたらこんな身体になるのか?」というのではなく「何を食べたらこんな動きができるようになるのか?」という、別のスポーツを見ているような錯覚に陥ります。だから、TOIを見た時は、羽生君はプルさんよりもむしろジョニーの方に近い印象を受けたんですよね。

プロスケーターとしての仕事も、あと何年やってくれるか分からないので、プルさんだけは絶対に生で見てほしいです。

・テサモエ「Dark Times」

カペラノような「エンタメ性」を全面に押し出すプロではないですが、楽曲のリズムを掴んでそれをスケートで表現する感覚がズバ抜けていると思います。それを2人でシンクロして演じているので、圧巻ですね。フィギュアスケートやアイスショーの現地観戦では背中を座席につけるのが鉄の掟ですけど、思わず、身体が浮き上がってくるような感覚を抑えていました。ストーリーを楽しむのがカペラノだとすると、「音ハメ」の妙と技のクオリティを楽しむのがテサモエかなと。はっきり特長が違っていて、2組招待してくれて良かったと思いますね。

とりあえず、第一部はこんな所です。なんてったって、ここまでToshIさんはオープニングのみの登場ですから、第二部は大変なことになります。

では、また明日!

Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
スポンサーリンク
レクタングル(大)
レクタングル(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル(大)

コメント

  1. ごろ寝 より:

    リーザ、ザギ、仰るように感じました。今回のFAOIはここ数年では最も音楽が良い。
    今回の連れは、昨年の幕張に同行した友人ですが、前半は舟をこいでいたのです。それが、プル、テサモエにスタンディング。リーザにまで立つので聞いたところ、あの「爆音」が良かったとのたまわりました。

    南2列目の席でしたが、オープニングだけで来た甲斐があったと言っていましたので、真夏の夜の夢は一般人でも惹け付けられると思います。
    プルさんの前のメドちゃん、ちょっと可哀想?かも。全般に、ロシアっ娘のスケーティングに意外なほどがっかり感はありました。リーザなんてこんなに荒かったかな?

    ステファン賛美の方が多いですが、実は私もこのプロは好きではありません。連れは言うに及ばず。もっと求心力があったと思っていましたが。
    後半もよろしくお願いします。

    • Jun より:

      ごろ寝さま

      人それぞれ違った感想があって当たり前なんですが、けっこう共通した印象ですね。

      おっしゃるように、ロシア女子勢のスケートを見ていて、紀平さんはスケーティングでもまったく負けていないと感じました。

      ランビさんは、去年の「Slave to the Music」が神プロだったので、アレと比べるとねぇ・・・と。ただ、ToshIさんとのコラボは良かったと思います。

  2. ととちゃん より:

    幕張映像や今日のjunさんの記事から、いいな、と思った出演者が神戸にいなかったりします。
    BENIさんがいなくなるのは残念ですし、荒川さんの永遠は、生で見たかったです。もちろん、アンナ・ルカさんも(羽生選手の呼び方で笑)…。荒川さん、衣装を纏うと気づかないんですが、インタで羽生選手と並んだとき、更に細くなったように見えました。ご家庭もあるのに精力的ですよね。会場を惹きこむ力があると思います。

    一方で、テサモエは楽しみです!「圧巻」と、junさんが仰るぐらいですから、ワクワクします。ロシア女子も、後半調子を上げていくかも…と期待値を上げておきます(笑)

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      「仙台良かった!」と言い過ぎると、これから神戸・富山を楽しみにされている方には申し訳ない気持ちもあったんですが、まぁ、神戸・富山もきっと素晴らしいショーになると思います。神戸から参加のスケーター・アーティストもいますし、プログラム変更の可能性もありますからね!

      テサモエは第一部の方が好みでした。第二部は・・・あの位置だと仕方ないんですが、羽生君のことが気になってしまって、それどころじゃない!という精神状態になってしまいますね。