『奇跡なんて、起きない。』(9)17年ワールド

『奇跡なんて、起きない。』(9)17年ワールド

フリーは、223.20で1位。合計321.59で優勝。映像は「こちら」からお好みのものをどうぞ。

ようやく「分析視点」でこのヘルシンキホプレガを見られるようになったなぁ・・・と。「鬼門」とされるジャンプが何個もある中、羽生さんは、一つひとつ、まるで爆弾処理班のように、正確にクリアしていく。一つでもミスがあれば「ドカン!」という、極度の緊張感を同時に体験しながら、当時ライストでこのフリーを視聴していた方は大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

本書のこのヘルシンキワールドの部分は、マガジンからの再録部分が多く、目新しい記述はありません。ただ、「いまの視点」で読んでみると、興味深い点がいくつかあります。

例えば、この試合の「チーム羽生」は、ブライアンとトレーシーの二人体制で、菊地さんもサポートしていました(*実は、ジスランもいなかったわけではありません。「別冊通信 世界選手権2017」15頁。さらに言うと、ANAのメガネ職員さんは17年4CCに帯同していました。「通信19」)。フリー当日の公式練習では、ブライアンが「やりすぎるなよ!」と羽生さんに「ブレーキをかけた」ことを、山口さんは取り上げています。一方、最近では、羽生さんの「専任コーチ」はジスランという感じで、ブライアンが状況を見守る、という役割分担に見えます。

4CCとワールドにはジェイソンも来るので、トレーシーがジェイソンを見ることになるなら、引き続き「チーム羽生」は、ジスラン&ブライアンという組み合わせになりそうです。

あとは「過去の数字に囚われること」も一長一短だという点ですよね。フリー後の囲み会見で、羽生さんが、「SPの110、フリーの220、合計の330という数字にとらわれていて、すごく怖くて、ここまでやってきた」と吐露しています。

数字を超えることを目標にするから、進化しようと努力する。でも、数字を意識しすぎると、余計な力みが生まれる危険性もあるし、実際の試合で細かいミスが出た時点で「心が折れる」ことだってありえる。日々のトレーニングでは、「数字を超えること」をつねに意識しつつ研鑽を重ね、でも、本番では「どれだけ数字を忘れられるか?」という切り替えが大事になってくるのでしょう。

「数字」といえば、将棋の藤井七段も、タイトル挑戦までまだ何勝もしなきゃいけないトーナメントの下の方の対局に勝った後でも、「最年少タイトルへの意気込みは?」ということを、ナントカの一つ覚えのように中日新聞の記者から毎回質問されています。ただ、その意図を見透かしたかのように、藤井君も最近は、「まだそれを意識する段階ではない。いまは一戦一戦、全力を尽くして良い将棋を指したい」とピシャっとコメントしていますよ。

ところで、地上波マスコミや、ライトファンにとって、「羽生といえばSEIMEI」なんでしょうが、「技術と芸術が究極の形で融合した、現時点で最高のフリープログラムは、ヘルシンキホプレガ」と、私は断言したいですね。バルセロナGPファイナルのSEIMEIは、まぁ、その前の長野のN杯ですでにノーミスしていたのでその「予兆」はありましたし、さいたまワールドのOriginはミスがありましからね。

モントリオールのワールドでは、OtonalとOriginでノーミスを揃えて、ネイサンを粉砕できるのか?その試金石が4CCになることは間違いないと思います。新たな伝説を作ってほしいですね。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. みつばち より:

    こんにちは 更新ありがとうございます

    N杯で北海道へ行ったとき、前々日の夕方の飛行機だったのですが、一階の出口が異様に混雑してるんで 何これ?と思いました。
    あっ、出待ちだと気が付いたんです。成田に3時ごろ着いたなら新千歳は夕方、とよんだ人が多かったんですね。

    ジスランコーチが姿を現したとき、あー という感じになってジスラン氏は「ん?」ああ、そうか。と合点がいったらしくにこにこしながら迎えの車に乗り込みました。

    おそらく一緒だったけど羽生さんは別の出口から出たんでしょう。空港職員だった友人によると、混乱を避けるためにどこの空港にもそういう出入り口があるそうです。

    羽生さんをめぐる人間関係にもつい、目がいってしまいますね。
    でもあれこれ想像でものを言うのはひかえたいです。本来そんな権限など持っていないのですから。

    SNSの発達でつい身近に感じてしまいますけど、まったく知らない同士です。それでいいです。

    SOIはですね、八戸は当たる率高いはずです・・・だって遠い・・・北海道より不便かもしれない・・・すいません、(自分は首都圏ローカルの住人です)

    • Jun より:

      みつばちさま

      これだけファンが増えると、いろんな方がいますからね。ただ、そこは私自身はあまりカリカリしたくなくて、そのためにANAのメガネさん含めて、サポートの方がついているのだから、彼らの仕事ぶりを信じています。

      あとは、ネット上の「なりすましゆづファン」も「黙って通報」こそが適切ですね。「長年の羽生ファンですけど・・・」「ゆずのことをずっと見てきた立場から言うと・・・」と、ボロを出してくれるので、分かりやすいんですけどね。まあ、私たちは私たちで、楽しく羽生さんを見守っていきましょう。

  2. ととちゃん より:

    4CCではコーチの数に制限はないんですよね。GPFは本当に不思議でした。1人に留める理由も思いつかない一方で、ボーヤンには何故2名の同席が可能だったのでしょう?せめて菊地さんが同行していれば 随分違ったのでは、と思ったものです。勿論、あの展開だからこそ、4Lz、4Loを揃えたフリーを実施できた訳で、何も無駄にしない羽生選手の力は、次戦でも発揮されると信じています。

    ヘルシンキワールドのフリーではゾーンに入っていた、と当人の発言がありましたが、次に入るなら是非モントリオールで!ヘルシンキクラスの演技、是非見てみたいです!
    4CCは、何でも試せる絶好の機会ですから 上手く活用して、世選への弾みになる試合になることを願っています。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      ボーヤンのキスクラに座っていたコーチは、中国の代表に関わっている可能性があるので、ペアに中国からスイハン含めて2組来ていましたし、あの試合のレギュレーションについては正直よく分かりません。

      今年のワールドは私も期待しています。そもそも、さいたまは怪我明けでしたし、Otonalのミスがなければ際どい争いになっていました。現在の羽生さんは、おそらく故障はないはずで、しかもOtonalも全日本の構成ならかなりの高確率でノーミスが期待できる。それこそ、ヘルシンキに匹敵するコンディションでモントリオールは戦えると思います。伝説的な演技を信じていますよ!