2020年10月26日発売。定価「1,540円」。頭から順番に少しずつ読んでいって、気になった点を、何回かに分けてまとめていきます。
まず、「序章」にあたる部分に、見開き2頁を1シーズンとして、「衣装・プログラム・大会結果」が順番に紹介されています。「大会結果」にはB級試合は含まれておらず、シーズン中の衣装変更もカバーされてはいませんが、これはなかなか便利なページです。
そして、中身に移っていきますが、今日は形式的な部分に触れておきます。こちらも、「見開き2ページにひとつの言葉」を紹介。ページには「写真と言葉と、その言葉の背景」も併記されています。
ためしに、「負けたくないと思ってアドレナリンのような興奮物質が出た時、僕の中の引き出しが開けられると思うんです」(28頁)について、巻末の「出典一覧」を調べてみると、「Ice Jewels Vol.02」の巻頭インタからの引用であることが明記されています。ジュエルズの方も確認してみましたが、そのまま引用されていますね。ただ、ここまで詳しく出典一覧を作っているのだから、ジュエルズの何ページからの引用であるかも記して欲しかったです(*この言葉は、ジュエルズの23頁に掲載)。
で、ふと気になったのは、どういう基準で写真を選んでいるか?という点なんです。前述の「アドレナリン」発言とともに添えられた写真を、本書とジュエルズで比べてみたんですが、特に共通点はありません。
他方で、テレビからの引用はどうか。「悔しさは僕にとって収穫でしかない」(33頁)は、フジテレビのHERO’Sでの発言の紹介なんですが、放送日は2017年9月24日と記載されています。本書の写真は、17年8月のメディアデーの白Tシャツ姿で緑の芝をバックに笑顔の羽生さん。ただ、この言葉の背景としては「2017年9月、オータムクラシックのショートプログラムで、112.72というショートプログラム世界最高得点(当時)をマークしながら総合2位になった」とあります。
そこで、ウチの円盤を調べてみると、このHERO’Sは、加藤綾子アナのクリケット取材(リンク紹介とブライアンへのインタ)とオータムの速報で構成されていて、上の画像からも分かるように、フリーでハビに逆転された後、囲み取材で悔しさを滲ませながら語った言葉なんですよね。
何を言いたいかというと、写真と言葉が微妙にズレているんですが(時期はかなり近いですが)、「背景説明」があるだけ良心的だし、とてもよく調べて作られているなと思います。
そう考えると、本を開いて言葉を読むだけじゃなくて、我々ゆづファン的には、これまで詰めに詰め込んだ円盤の動画を見直すきっかけとしても、本書は便利な一冊かもしれません。いろんな楽しみ方ができそうですよ。
では、また明日!
Jun