美輪明宏さんインタビュー(婦人公論 2020.12.15)

美輪明宏さんインタビュー(婦人公論 2020.12.15)

昨日の野村萬斎さんのインタビューも秀逸でしたが、「美輪明宏さんのインタビュー」もまた格調高くて、まさに賢人の知の趣きがあります。それと同時に、私たち一般人が抱える不安な気持ちにも寄り添った内容になっています。

まぁ、政府上層部の発言・行動が支離滅裂で、マスコミも同じぐらい酷くて、スケ連もあんな感じだし、私自身、まともに受け止めているのは、医療専門家の先生の意見ぐらいなものです。善良な人たちほど、ストレスが溜まってしまうのは仕方のないところ。

以下、インタビューから、一部ご紹介したいと思います。

◆絶望しそうになったら歴史を振り返るといい

この先どうなるか、確かなものが何もないわけですから、不安に思う方が多いのもいたしかたありません。だからといって、コロナのことばかり考えていると、絶望的になります。

そんな時は、歴史を振り返ってみるといいと思います。江戸時代には天明の飢饉など、数々の危機がありました。この100年を見ても、関東大震災で東京はほぼ壊滅し、戦争で日本は徹底的にやられてしまったではありませんか。でも関東大震災で何もかも失われた後に、日本のアールデコともいうべき素敵な文化が生まれました。戦後の復興も、皆さんよくご存じのはず。

どんな時にも、人間は生きてきました。私など、長崎で原子爆弾の投下にあった被爆者ですが、それでも生き延びてきたのです。人間の復活力や生命力は、たいしたもの。私が長崎から東京に出てきたのは終戦後、まだ焼け跡から人々が立ち上がりはじめたばかりの頃でした。皆、バラックに住んでいて、闇市があった時代です。そこから日本は復興を果たしました。

ですから、絶望することはありません。経済的に逼迫しても、何があっても、「それでも生きていくんだ」という強い思いを心に持つことが大切です。

コロナは、自分で適切に予防をすれば、いきなり命を取られることはない。「マスクをする」「手洗いをする」「三密を避ける」という基本に立ち返るべきですよね。ウチのブログの読者さまなら、「そんなの3月からずっとやってるよ?」という方が大半かと思います。私もそうです。だから、ぜひ一緒に続けましょう!

「歴史かぁ・・・何か良い本があるのかな?」とアマゾンを検索してみると、「殿、利息」で私たちゆづファンにとってお馴染みの、磯田道史先生が『感染症の日本史』という著書を、今年9月に出版されていたのですね。さっそく、明日書店に探しに行こうと思っています。

あとは、心の持ち様ですよね。この点について、美輪さんは「感情や情念を追い払う」という示唆に富むアドバイスをくださっています。

コロナに関しては、私も新聞やテレビの報道をよく見ています。ただし一喜一憂せずに、冷静に見るようにしていました。感情的に見ると、精神がやせてしまい、ろくなことはありませんから。人間、いざ思いがけないことや困難に遭遇した時、一番邪魔になるのはなんだと思いますか? 実は「感情」や「情念」といったものなのです。

人間は、肉体と精神でできています。肉体の健康を維持するためには、食糧が必要。ではもう一方である精神の健康を維持するにはどんな食糧が必要なのかというと、「理性」や「理知」です。ところが不安や困難に見舞われると、理性が吹っ飛んでしまいがち。つい、泣いて嘆いて愚痴をこぼしたり、落ち込んだりしてしまいます。なかには、お酒に頼る人もいるでしょう。

でも、それで問題解決になるのかと言ったら、なんにもなりゃしない。心を病んだり、胃が悪くなったりするだけです。だったら、どうしたらいいのか。

感情を全部追い払うのです。要は理性を働かせて、石像のように冷たく沈着になることです。そして今やるべきことを整理して、優先順位をつけていく。家族や職場など対人関係の問題、健康不安、経済不安、どれをまず解決すべきか。そのためにはどうすればいいのか、方法論を冷静に考えることが大事です。

もし心身の健康に不安があるなら、どの病院の何科に行くのか。場合によってはセカンドオピニオンを求め、納得のいくところに決める。

そんなふうに整理していけば、悩んだり、苦しんだり、怒鳴ったり、憂鬱になって人にあたる必要も時間もないはずです。

具体的に何をすべきか。いまこそ、冷静な視点で、自分の人生における優先順位をつけること。例えば、就職・転職に困るような状況に陥ったら、一人で悩まずに、厚労省の「相談窓口」に問い合わせてみる。マスコミやテレビはまるで他人事のように面白おかしくネタにしていますが、そんなものは一切無視して、正しい行動をとることで、余計な不安は払拭できるはずです。

最近は若い方のなかにも、たとえばフィギュアスケートの羽生結弦さん、将棋の藤井聡太さんなど、お手本にしたい方がいらっしゃるので嬉しい限りです。それぞれの分野ですばらしい成績をあげているけれど、闘争心はむき出しにせず、さりげなく。そして立ち居振る舞いが美しく、まわりの人への気遣いもすばらしい。まさに大和心を体現しておられる。そうした方々を見ていると、日本もまんざら捨てたもんじゃないと思います。

美輪さんも、羽生さんと藤井さんを評価しているのですね!嬉しく思います。二人の活躍に元気をもらいながら、私たちも頑張っていきましょう。私自身は、「なんとかなる!」という言葉(?)をパワーワードにしながら、生きています。人生なんとかなるものです。

では、また明日!

Jun


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