将棋界には2つのビッグタイトルがあり、それが竜王と名人です。ただ、名人戦は、A級順位戦に参加して、そこで1位にならないと名人への挑戦権を獲得できません。現在、B級1組に所属している藤井二冠の名人挑戦は、最短でも、2023年4月になります。
他方で、竜王は獲得賞金額は4,400万円と、名人を上回って棋界トップ。そして、トーナメントを全て勝ち抜けば、プロ入り1年目の棋士であっても竜王に挑戦可能。竜王戦には、アマチュア枠、女流棋士枠もあるので、もっと言えば、プロ棋士でなくとも竜王に挑戦することがルール上できるようになっています。藤井二冠は、プロ入り後に29連勝という新記録を打ち立てましたが、30連勝目を阻止されたのが、竜王戦の決勝トーナメントの佐々木勇気五段(当時)戦でした。以後、藤井二冠は、毎年この竜王戦トーナメントの登頂に挑みながらも、その途中で大きな壁に跳ね返されてきました。今年初めて、竜王挑戦まであと一歩という「挑戦者決定三番勝負」までたどり着きました。
相手は、永瀬拓矢王座。現在、将棋界はいわゆる「4強」が8つのタイトルを分け合っていて、それが、渡辺明名人(王将・棋王)、豊島将之竜王(・叡王)、藤井王位・棋聖、そして永瀬王座の4名なのです。
永瀬さんと藤井さんは、定期的に練習将棋(VS=ブイエス)を指すスパーリングパートナー。そして、藤井さんの持つ王位と棋聖は、いずれも、永瀬さんとの挑戦者決定戦(挑決)を勝ち抜いて獲得したタイトルなので、今回もまた永瀬さんが壁になるという構図になっています。
この挑決は「3番勝負」で、先に2勝した方が、竜王戦七番勝負で豊島竜王に挑戦します。藤井さんは、現在王位戦七番勝負と叡王戦五番勝負で豊島さんと戦っているので、もし、藤井さんが竜王戦も挑戦者になると、「藤井・豊島の19番勝負」が実現することになります。
すでに挑決の日程は決まっていて、第一局が8月12日(木)、第二局が8月30日(月)、第三局は9月9日(木)となりました。最近の藤井さんの充実ぶりから考えると、藤井さんの2連勝で決まるんじゃないかと思いますが、永瀬さんもとっておきの作戦を準備しているはずで、その点は気になります。
間違いなく超ハイレベルな攻防が見られますので、お時間があれば、ぜひ「アベマ」の方でご視聴いただければと思います。
では、また明日!
Jun