試行錯誤と工夫の歴史。「KISS & CRY 2014 Winter」(リライト企画)

試行錯誤と工夫の歴史。「KISS & CRY 2014 Winter」(リライト企画)

まずは、デニス・テン選手の訃報について、心よりお悔やみを申し上げます。デニスに関する記事を書こうか迷ったのですが、いやいや、ド素人の私が急造でこしらえたものを読まされる立場を考えたら、これは悪手だろう、と。すでに皆さまも、世界中のスケーターからの哀悼の言葉を読まれ、彼の勇姿を動画で振り返られているはず。私が付け加えられるものなんてありません。

私は私で、私がやれることをご提供したいと思います。

さて、「リライト企画」のリクエストを募った所、「KISS & CRY」が挙がっていたので、ウチにある最も古い本号(第2号)を取り上げてみます。2014年1月27日発売。本体933円+税。

ソチ五輪直前号ということで、当然ながら、男子日本代表の、羽生君、大ちゃん、まっちー大特集という誌面構成です。

例のワイドナショーで「ソチで勝つとは思っていなかった」という小塚さんの発言がありましたが、このキスクラの誌面構成を改めて見ても、3人の中でやはり羽生君が一番期待されていたのは明らかですね。そもそも、福岡のファイナルでパトリックを破って優勝し、全日本も制したわけですから、文句なしで金メダル争いの最有力候補です。周りが素人だけだと思って、ウソを言っちゃいけませんよね。

まだこの頃のキスクラは田中宣明さんの写真を収録していなかったんですけど、悲愴のショットはなかなかのものですよね。「煽りテキスト」も硬派で、これはこれで悪くない。これをぜひ記憶に留めていただいて、後日紹介予定の「応援ブック」とぜひ比較してみてください(笑)。

本号「2014 Winter」以降だと、ウチにあるのは上記のものです。表紙がゆづばかりなので同じような誌面かというと、そんなことはありません。

プリンスの表紙の号とその下のホプレガは、2017年3月1日に同日発売。プリンスの方が男子特集で、ホプレガが女子特集。どっちにも羽生君の写真とポスターが入り、田中さんの写真も使用されるようになりました。この男女で二分冊にする試みは、最初で最後の「実験」に終わりました。

出版元の「一覧」を見ると分かりやすいですが、FaOI2017号前後から、特集スケーターごとに別の号として小刻みに出版しています。FaOI号の前に大ちゃん号。FaOI号の後は真央ちゃん号。トロント取材号の後に、大ちゃん号、そして宇野選手号。その後、羽生君表紙の号が3号続いているという状況です。ただ、大ちゃんも現役復帰したことですし、昨年の傾向は踏襲されるように思われます。

アマゾンのレビューではどの号も軒並み高評価で、この形式こそが「どのファンも幸せになれる」ような、理想的な出版形態だと思います。その真逆の「どのファンも幸せになれない」誌面構成は、残念ながら老舗のフィギュアスケート専門誌に顕著です。

最近のキスクラは、単に田中さんの写真が素晴らしいというだけでなく、最新号の仙台パレードの記事では、仙台ゆかりの関係者にしっかり取材していたり、読みやすさ(とっつきやすさ)と隙のなさを併せ持つ、工夫の誌面構成だと思いますね。

つぎに我々が買うキスクラはトロント特集号になるでしょう。この雑誌は、他の専門誌がちんたら作っている間にスパっとすぐに出せる所も強み。楽しみですね!

引き続き「リライト企画」の「リクエスト」を募集しています。私の中でもアイデアはあるんですが、まずは読者の皆さまのリクエストに一通りお答えしてから、出していこうと思っています。

では、また明日!

Jun


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コメント

  1. マリィ より:

    こんにちは
    ソチ五輪直前号めちゃくちゃ羽生くん期待されてるじゃないですか!
    彗星の如く現れたって感じで世界中からはまだ今ほど知名度はなかったかもしれませんが、日本では十分金メダル候補ですね。
    むしろ高橋大輔は怪我もしてたし、みんなが言うほど金メダルは無理じゃないかと感じてたのが思い出されます。
    オーサーが今より痩せてる(笑)
    ジスランもですが、また病気で入院しないようにダイエットしてほしいですね。
    小塚崇彦はこういう状態だったのに金メダル取るとは思ってなかったっていい過ぎだしソチ代表に選ばれなかった私怨が言わせたって思われても仕方ない感じですね。
    リライト企画面白いです。
    応援ブックやjunさんの計画を楽しみにしています。
    今、羽生くん砂漠だしリライト企画はちょうど良いタイミングですね。
    ありがとうございます!

    • Jun より:

      マリィさま

      当時の日本国内での知名度はともかく、実力的には本命でしたね。少なくとも、このキスクラではそういう扱いがなされていました。

      今晩の記事はリライト企画はお休みで、別のものをアップ予定です。お楽しみに!

  2. アール より:

    はじめまして
    1年前ヘルシンキのワールドをTVで見て改めて羽生選手のファンになりました。
    ここにたどり着いて以来、毎晩欠かさず楽しもに拝見していたので、復活していただけて嬉しいです。

    雑誌の過去記事も気長に楽しみに待ちたいと思います。

    他に私からのリクエストですが、去年オリンピックシーズンに向けて連載されていたバラード1とSEIMEIの過去試合を振り返っての感想の記事を、もしもテキストが残っていたら再掲載していただけたらと思います。動画の埋め込みやリンクはなくて結構です。

    いずれにしても手間のかかる作業になると思いますので、需要が全くなかったら結構です。

    これからもブログ楽しみにしています。

    • Jun より:

      アールさま

      初めまして。コメントありがとうございます。リクエストもいただけて、感激しております。

      バラ1とSEIMEIの「再訪企画」は、両方の記事を合わせると20本前後はあったかもしれません。ただ、五輪が終わってあまり経っていませんし、正直、いま「バラ1&SEIMEI」を「シリーズで!」というのはちょっと難しいかもしれません。

      この両プロの振り返りをするとしたら、例えば、ブライアンや城田さんの新作で「平昌五輪の新情報」が出てきたりすると、また新たな視点で演技の検証作業をおこなうとか、そんな形の記事を想像しています。

  3. みつばち より:

    更新ありがとうございます

    ソチ直前に羽生さんは世界ランキング一位になってるんですよ?
    しかし金メダル予想では「二番手の扱い」
    まあ、ランキング通りにいかないのはオリンピックではよくありますが。

    高橋さんはケガで調子がよくない感じだったし、なによりも全日本でのモヤモヤ選考があったので、メダルは無理なのでは、と思ってました。

    でも日本マスコミは「高橋に期待」の流れをつくろうとしてましたよね。
    今度はいったいどんな流れをつくろうとしているのかしら。

    ピョンチャンで「けがでメダルは無理」の予想を裏切ってくれた羽生さん、やはり普通の選手ではないと思います。

    • Jun より:

      みつばちさま

      マスコミは「大ちゃんに期待」のどんな流れを作りますかね?

      ソチの頃は、私も含めてプロトコルをまともに読める人があまりいなかったはずですが、でも今は、YouTubeで演技は繰り返しチェックできるし、地上波中継ではカウンターも出るし、スコアにしても、誰がどんな点を出したのかすぐに分かってしまう。

      逆に、後輩選手よりも構成が低いのに「爆盛り」されて全日本の表彰台にねじこまれようものなら、バッシングの対象にもなりかねないので、関係者はその辺りを自重していただきたいものです。

  4. sennin より:

    結弦君の表紙写真いいですね!あんまり見ないのが2冊でそれが見れて嬉しかったです。

    やはり「KISS&CRY」やっぱり理想的なですか?構成というか深く探ってあって写真もいいのでは?と今頃になって気がつきました。それでご意見を聞いてみたかったのです。昨年の公開練習号しか持っていないのですが次回を楽しみにしたいと思いました。ありがとうございます。

    リライトシリーズ楽しいですね〜。過去の雑誌でも試合、特にジュニアの試合の記事など貼り付けられるものなら、また見たいですね?それと長野のアイスショーの記事はどうなりましたかね?密かに待ってまーす。

    今回のスケーターズはスーツコーナーがありましたけど、三原舞依ちゃんの「あ!」「もお!!」シリーズで結弦君との絡み写真がどっかの雑誌で載せてくれると楽しいなあと思っています。4大陸、国別、今年のFaoiなど結弦君が凄いことをする度に舞依ちゃんは声を出してて可愛いんですよね。あと怒ったり…。あり得ない企画だろうなあ〜。
    ところで、junさんはネコがお好きなんでしょうか?

    • Jun より:

      senninさま

      フィギュアスケートの雑誌は、やたらインタビューだらけで高額な「老舗専門誌」と、ゆづ中心の「写真重視系雑誌」の、そのどちらかに偏っているのが現状ですね。

      キスクラは、写真も良くて、中身の情報もそれなりにしっかりしていて、とてもバランスがいいと思います。特に最近になっての「スケーターごとに分けて出版」というスタイルは大成功だなと感じます。

      H&Fは、録画した番組は見たんですけど、記事にしようかどうかという段階で、ブログの問題が発生して、ちょっと旬を過ぎてしまいました・・・。ショー全体のレビューはやらないと思いますが、何人かピックアップして記事にする可能性はあると思います。

      ジュニアはあと1ヶ月でJGPが始まりますが、注目選手ウォッチの関連で、去年の情報を参考にするかもしれません。

      舞依ちゃんはデイヴィッドとの相性がバツグンで、すっかりクリケットと縁の深いスケーターになりましたね。来年は国別が福岡でありますが、二人が代表に選出されて、印象的な場面が見られるといいですね。

      ええ、ネコ大好きなんです。ツイの方は完全に「ネコ垢」状態で、フィギュアスケートの情報をまったく発信できていないので、申し訳なく思っています(汗)。