


番組HPは「こちら」。両者の対戦成績は、藤井竜王・名人から見て「7勝1敗1千日手」。
昨年度のNHK杯を優勝した藤井竜王・名人の初陣です。対戦相手は関西の若手強豪棋士の出口若武六段。昨年の叡王戦では挑戦者となり、プライベートでも同業の北村桂香女流二段と結婚されて、公私ともに充実されています。叡王戦五番勝負は、スコアの面では藤井叡王の3-0防衛だったんですけど、きわどい将棋もありました。早指し棋戦は、藤井さんと言えども何が起こるか分からないので、スリリングな将棋になることを期待しています。
話はガラリと変わって、マイブームというほど大袈裟でも無いんですが、最近、読書の時間が増えています。先日購入したのは、素粒子物理学者の多田将先生の著書『核兵器入門』。この先生は、京大理学部で博士号を取って、現在つくば市にある高エネルギー加速器研究機構で働くバリバリの理系の研究者。でも、軍事オタクでソ連オタクで、金髪ぽっちゃりな風貌にX(Twitter)も面白くて、ただのガリ勉じゃないという、やや珍しいタイプの先生です。
理系の偉い先生たちって、専門外の時事的・政治的な話題には基本ダンマリなんですが(あるいは、なぜか左派系の思想に染まっているとか)、この先生は「処理水」の問題も積極的に発言しているし、ウクライナ戦争関連では社会科学系の研究者とも対等に議論できるので、見かけはアレですが、これぞ本物の知識人という感じがします。
本書をまだ全て読んだわけじゃないんですが、第四章(最終章)の「核兵器と国際政治」という座談会から目を通したんですけど、ハドソン研究所の村野将先生と東大の小泉悠先生が参加していて、面白かったですねぇ・・・。アメリカ・ロシア双方の核兵器に対する現在の考え方がよく分かったし、多田先生もただ司会してるだけじゃなくて、両国の事情についても最新の動向をフォローしていて、議論がガッチリと噛み合っている。
それで、序章の「もしも東京に核兵器が落とされたら」に戻って読んでいくと、北朝鮮の核兵器が東京の都心に落とされたら?というシミュレーションがなされています。どれぐらいの範囲でどのような被害が出るのかという細かい話もあるんですが、我々が取れる対策としては「地下鉄の駅に逃げこめ!」「地下鉄の駅が近くに無かったら、地面に腹ばいになって寝ろ!」だそうです。第一章以降は核兵器の仕組みの話なのでちょっと難しいですが、がんばって読み切りたいと思います。
では、また明日!
Jun

コメント
いつも 拝見しております。
今回 多田先生の動画 ありがとうございます。
いろいろと わかりやすく 説明してくれる先生ですよね。
本気の議論だったら 絶対わからないんだろうなー。
羽生結弦選手つながりで いろいろ世界が広がるのが 楽しいです。
Posyaku75さま
この動画の冒頭の「地球外生命体は本当にいるのか?」という問いに対して、「生物学者はいないって言うけど、僕ら物理学者は普通にいると思ってる」って応答から引き込まれますよね。
でも、「遠すぎて(地球まで)来れない」という話にはやはりロマンを感じるので、そりゃ堀江さんが宇宙目指して活動するのも分かる気がします。
多田先生の対談動画は他にもいろいろあって、軍事系のものも多いです。例えば、「ウクライナは核を放棄したからロシアに攻め込まれた」と核武装論者がよく言いますけど、多田先生はウクライナのロケット博物館を実際に訪れたことがあって、「ウクライナに配備されていたものはアメリカを射程にしたミサイルで、ロシアがウクライナに置いていただけ。かりにいまアレを保持していても、対ロシアには役に立たない」とはっきり言ってます。
世の中には肩書はすごくてもイイカゲンなことを言っている人がたくさんいるので(それをフィギュアスケートで我々も学んでいるわけですが)、私たちも気をつけたいですね。