リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。今日はコフトゥン&コリヤダの二人に集中します。いろいろ語りたい部分があるので。
コフトゥン。フリーは186.45の1位。合計281.59で優勝。いやぁ、これは絶対に見た方がいいですよ。笑いあり、涙ありの、名演です。そりゃタラおばちゃんも全身を震わせて号泣するわけです。ヤグディンが慰めていますね。これを見ないで年を越すのはもったいないです。年末にいいもの見たなぁ・・・と感激しました。
まず、冒頭の4T-2T、単発の4Sをキレイに決めます。タリン杯から感じていたことですが、GPシリーズで見たかったなぁ・・・と思うと同時に、ファイナルに出ていてもおかしくない迫力のあるクワドです。その分、勢いが有りすぎて、単発の4Tは軸が傾いて転倒。ただし、ミスらしいミスはこの4Tの転倒と、単発の3Aのステップアウトぐらいで、あとはよく頑張りました。
思わず笑ってしまったのが、3連コンボを成功させて、コレオシークエンスに入る際、映像が倍速になってるんじゃないか?ってぐらいのスピードでダッシュしていく様子です。そんなにスタミナ残ってるなら、もうちょっと前半のジャンプで頑張りなさいよ!とツッコミたくなりますが、タリン杯のフリーを見返してみると、元々こういう振付ですね。ナショナルの会場の雰囲気で、このコレオの印象はまったく違って見えました。
VTRも面白いです。4Sを降りた瞬間に右拳を握りしめてガッツポーズしているんですが、女性のコメンテーターが思わず吹き出してますね。前述のコレオに入る前のリンクサイドに男性コーチがいて、めちゃくちゃ声をかけています。ブヤノワさんとは別の場所に陣取っていて、会場が広いからこういうことができるのでしょう。
YouTubeのコメでは、なんで転倒してPCSが90以上出るんだ?とか、ロシアはカルメンばっかじゃないか!とか、トゥルソワの方が高難度プロだ!とか、いろいろ言ってる人がいますけど、このコフトゥンのフリーに関しては、個人的には、技術とガッツが噛み合った、素晴らしい演技だったと思っています。全日本でのバカみたいな煽りなんてなくても、言葉が分からくても、演技に魂がこもってさえいれば、感動するんです。いいものを見ました。
コリヤダ。フリーは173.70の3位。合計268.40の2位。そうなんですよ・・・カルメンなんですよ・・・。ザギちゃんのフリーもカルメンでしたからね(笑)。だから、YouTube民の言い分もよく分かります。
カルメンというと、最近だとデールマンのSPの印象が強いです。マイナーな所だと、昨シーズンのコストちゃんのEXもカルメンでした。衣装はやっぱり赤なんですよね。ザギちゃんも黒を基調としつつ、赤も入ってましたから。
コリヤダに話を戻します。曲がかぶっているのでコフトゥンと比較してみたくなるんですが、パワフルなコフトゥンと、シャープなコリヤダは見事に対照的なスタイルですね。
このフリーについては、まず、曲調にビシっと合った所作が、見ていて爽快感があります。近年の男子にありがちな、あからさまに「とにかくクワドを跳んで、あとはテキトー」という、曲がBGMと化している連中とは違って、動きが丁寧なんですよね。冒頭3A-2Tから入って、出だしは順調です。つづく単発の4Tは軸が傾きつつも成功。単発の3Aも決まって、アクセルの調子はすごく良いです。
後半の3TのSO、3Lzの転倒は残念でしたが、3連コンボはキレイに決まりました。コンディション不良の中、いまできる限りのことはやってくれた感じはあります。ただ、フリーはせめて2クワドは無いとなかなかスコアは伸びないような気がしますね。
ところで、さいたまワールドの男子シングルでは、ロシアは3枠持っています。コフトゥン、コリヤダ、ヴォロノフの3人だと熱いですが、ヴォロ兄はケガをしたという話なので、若手が一人入るのでしょうか。いずれにしても、コフトゥンとコリヤダの二人の調子が戻ってくると、ワールドの男子はなかなか面白くなりそうです。まずは、ユーロに注目ですね。
では、また明日!
Jun
コメント
本当に二人のプログラムは対照的ですよね。
いや〜、コフトゥンのプログラムは旧採点時代のものかというほどデジャヴ感がありました。大きくてクリアなジャンプ、流行りのつなぎが薄く、各エレメンツがはっきりしていて分かりやすい。そして緩急なんて一切関係ないゼという、全編通して、漢の全力疾走(褒めてます)。さながらカツオ出汁のうどんですね。
確かにPCSはちょっと盛り気味ですね。
コフトゥンの後にコリアダを観ると、現代に戻ってきた気がします。一つ一つのポジションが決まっていて、洗練されて美しい。裏ごししたスープのように滑らかなトランジション。静止画で撮ってもボツ写真が少ないであろう姿勢の良さ。
まだジャンプの構成が弱いですが、今季の不調を考えると上出来です。ワールドは彼のようなオールラウンダーが活躍してくれないとつまらないです。
タラソワさん、可愛がっていたコフトゥンの復活、嬉しいでしょうね。
確か、2013年にロシアナショナルで3位だったメンショフを落として、下位にいた若手のコフトゥンを推して、ユーロに送り込んだ黒幕はタラソワさんでした。このゴリ押しで、ロシアフィギュア会は真っ二つに分かれ、メンショフはその後目立った活躍はせず、引退しました。
こう考えると、フィギュア界が所属クラブやコーチによるコネ社会で、真っ黒なのは我が国だけじゃないですね。未来のない老害でなく、若手にチャンスを与えるロシアの方がはるかに健全ですが。
Fakefurさま
日本はまだ「派閥」の数が少ないんで、関西地域のチームが目立っていますが、ロシアはそもそも国土が広いですし、歴史もあるので、より事情は複雑でドロドロしているんだと思います。
そこに来て、エテリのチームというのは完全な新興勢力ですが、トゥルソワのPCSの低さや、ザギちゃんのPCSに紀平さんがあっという間に追いついたことも含めて、何かが起こっているんじゃないかと。「ロシアの勝利よりも、エテリの選手の敗北が見たい」という勢力はいると思いますね。
同意、代弁してくださったようです、ありがとうございます。
日本選手への肩入れができない性分なのか、島田くん以外のビジュアルが苦手なのか、全日本よりは多くの時間を割いて見ました。
狭い世界での利権の取り合いはどこにでもある。ですが、ロシアは指導体制や競技の土台が整っている。4lz3T3loを跳ぶJr等が順調に伸びるなら、数年後の男子はロシアが牽引していそうな気がします。
確か、現在のランキング最上位辺りにはいなくても、中位にはロシア勢が多いはずですよね。
一年間、ありがとうございました。お忙しい日々でしょう。来年も、お元気でいらしてください。ブログにお邪魔できることを楽しみにしております。
ごろ寝さま
ロシアの男子は、これから出てくると思いますよ。日本と状況は似ていて、20歳前後はピリっとしないですが、15歳前後は有望株がドッといます。平昌五輪ではロシア男子は散々でしたが、北京では北米勢よりも躍進してくると予想しています。
ごろ寝さんとは、ブログに最初にコメントをいただいたこともあって、長い付き合いになりますね。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
コフトンが成績出せなかったとき散々ロシアで叩かれてましたよね!ジャンプの怪しい着氷に回転不足付いてないものがありますけど、とにかくこれなら同じナショナルでも私も納得いきます。復活おめでとうでタラソワ、ヤグデンの二人は優しいですね。TV番組にも二人が一緒のようですがホントに仲のいい二人ホンワカします。コリャダ君いいなあ…。素晴らしいスケーティング所作、このままワールドで対決してほしいです。カルメン、私も「またカルメンだあ」と思いました(笑)
今日はまたニュース?会長知事選出るの?遠慮しないでどうぞ!どうぞ!
西山くんはいつの間にかダンス?怪我でJr.の試合欠場してたけどどうしたのかなあ?ちょっと身体が小さいけど大丈夫なのかな?ということは、クリケはゴゴロフ君に次いで空きましたか?
今年も今日で終わりですね。私のトンチンカンなコメントに返事を下さったり、失敗ものに手を煩わせた一年で感謝しかありません。今年の収穫はノービスやジュニアの選手を追えたことでした。選手の成長を継続してみることはスケートファンとして幸せなことだと思ってます。結弦君のジュニア時代は知らなかったのでそれを繰り返したくない気持ちですね。Junさんのブログのお陰で雑誌の情報や、スケートに関する幅広い勉強が出来ました。ありがとうございました。昨年の今ごろはインフルBを患っていませんでしたかね?
また来年も実りある記事を楽しみにしています。
senninさま
橋本会長の北海道知事選出馬の噂は、昨日ぐらいから出てきてますか。国会議員としての実績はパッとしない方ですから、知事の方が適正がおありなんじゃないでしょうか。
西山君は、スケーティングは羽生君も評価していますし、私も彼のこのチャレンジを応援したいと思います。
おっしゃるように、2018年の新年は、1月1日の朝に熱を出して、すぐに休日診療を受けてイナビルを吸って、正月はずっと寝ていました。いまのところ体調は特に問題ないので、2019年こそは新年を楽しめたらなと思っています。
こんばんは
去年から記事を読ませていただきましてありがとうございます!
いつも楽しく、かつ色々と勉強にまりました。
記事は読ませていただきましたが、昨日から風邪っぽいのでもう寝ます。
ご挨拶まで。
良いお年を!
マリィさま
もうお風邪の方はよくなられたでしょうか?年末年始に体調を崩す辛さは私も経験しているので、心中お察し申し上げます。
2019年は、まず3月のワールドまでは、羽生君ネタが激減する可能性大ですが、記事のネタを工夫しつつやりくりしていきたいと考えています。