東和品質スペシャル対談#03(11.15)

東和品質スペシャル対談#03(11.15)

前回までのレビューはこちら。→→→(#01)(#02)。対談のテキストは「こちら」で。

この対談シリーズの面白い所は、羽生さんがプロ転向後に特に拘っている部分、現在進行形で取り組んでいる部分を、分かりやすい形で明確に話してくれている点なんですよね。

つまり、「競技者時代にはできなかったけど、プロになってできるようになったこと」を語るわけですが、ややもすると「ジャッジ批判・ルール批判」になる可能性もあるので、フィギュア界隈の記者相手だと、羽生さんも明示的には語っていないと思います。

今回の中心テーマは、「誰のためにやっているのか?」という部分でした。吉田社長がおっしゃっているように、例えば、東和薬品さんがもし目先の利益だけを追求するのであれば、「苦い薬を飲みやすくするための取り組み」なんて必要ないわけです。薬の効能自体は変わらないわけですから。

でも、「あのお薬、飲むの嫌だな・・・」と思うと、薬を飲むのをやめるだけでなく、病院に行くことも消極的になってしまう。結果的に、病気の発見が遅れてしまいかねない。製薬会社の本来の目的が「患者さんが健康を取り戻す」ということならば、「お薬を飲みやすくする」というのは必要な努力だし、だからこそ、東和さんも使命感を持って取り組んでいるように思われます。

じゃあ、フィギュアスケートは?という話になってきます。アマチュア選手、特に国の代表選手になるレベルであれば、「五輪で金メダルを獲る」といった好成績を収めて、国民やファンの期待に応えることが目標になるし、そうなると、ルールの範囲内で最もスコアの出るスケートを目指すことになります。

では、「なんのためのプロフィギュアスケートか?」「なんのためのアイスショーか?」ということを考えてみたときに、羽生さんの思想が見えてきます。

他の分野の人も、フィギュアスケートを知らない人たちでも、いろんな人たちが見た時に「あ、これ面白いね」「これいいね」って思ってもらえるように滑ることが僕のこだわりなんです。

・・・一般の方々が見て、「フィギュアスケートってよく分かんないけど、なんとなくこのスケート面白いね」とか「このスケートいいね、なんか感じたよね」って思ってもらえるようなものを目指したいな、って。そういうところは、ある意味で東和薬品さんと共通しているのかなって感じましたね。

試合のSPやフリーにはいろんな規定・制約がありますから、それらを一度取っ払って、まさに羽生さんは新しいチャレンジを模索しています。「いつか終わる夢」でのプロジェクションマッピングとの「共演」だったり、「阿修羅ちゃん」のようなダンサブルな振付のようなプログラム個々の新しい試みはもちろん、「Ice Story」というコンセプト、そして何より「ワンマンショー」という前人未踏の挑戦が最たるものです。「羽生結弦さんを観たくてお金を払っているのだから」という多くのお客さんの要望に完璧に応えた形が、まさにワンマンショーですからね。

それでいて、「試合」のような緊張感と決別するのではなく、6分間練習からの「破滅への使者」のようなガチプロもショーの中に配置する。我々ファンからすると、「全てが面白い!」ってなるんですけど、「GIFT」「RE_PRAY」が決して完成形ではなくて、いろいろ反応を見ているのだと思います。

このシリーズでの羽生さんの発言を見ていると、彼の中での「ワクワク感」が伝わってきますよね。「スポンサー様へのお仕事感」というのが全くない。あらゆるものを吸収して、それをスケートに活かそう!という貪欲さと謙虚さが素晴らしいなと感じます。続編も楽しみです。

では、また明日!

Jun


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