絵本『GIFT』感想

絵本『GIFT』感想

2023年12月20日発売。定価「3,300円」。

率直な感想としては、あの「GIFT」のスクリーンに映し出された生々しい言葉の洪水が、良い意味で鮮度を保ったままパッケージされているな、と。絵本化するにあたって、もっと簡潔に洗練された形に整えられるかと思っていたんですけど、そんなことは無かったですね。「絵本って、こんなに文字多いの?」というテキスト量ですし、CLAMP先生のイラストも盛り沢山で、この労作に3,300円でよく収まったなと思います

で、実は付録の「インタビュー小冊子」が非常に重要な役割を果たしています。私はこのインタビューに目を通さずに、先に絵本から読み始めました。「GIFT」のコンセプトを理解しているつもりでしたが、綴られている言葉の意図を正確に理解できているか不安を抱えながらも、まずはゴールまで読み進めよう・・・という感じでした。小冊子のインタを読んだ方が分かりやすいとは思いますけど、「まずは、先入観抜きで羽生さんの言葉に触れたい!」という方は、先に絵本を開いた方がいいでしょう。

「絵本」と言うと、「子どもへの読み聞かせ」とかそんなイメージが浮かびますが、本書はまったくそのような趣旨で綴られてはおらず、そのような用途には向かないでしょう(笑)。むしろ、「GIFT」のショーの記憶が蘇りつつ、言葉がストレートに「刺さって」きます。マッシュルームカット時代の無邪気な羽生少年が、数々のタイトルを獲得してフィギュアスケートの頂点に立ち、しかしその後は「苦難の道」を辿る・・・。本書は、CLAMP先生の美しいイラストがあるからこそ、そして、いまの羽生さんの充実ぶりを我々が知っているからこそ、ポジティブに受け止められるのかなとも思います。

一回きりのショーだけではなく、羽生さんが、市販される書籍に「葛藤の言葉」を世に残したことの意味を考えてみると、いまの彼はここで綴られた言葉の数々を抱きしめながら、すでに前に向いて歩んでいる証拠ではないかと。もし、現在進行形でこのような悩みを抱えていたら、彼の性格と行動から想像しても、とてもじゃないけどこのように発表なんてできないでしょう。だからこそ、私たちも「共に前へ」進んでいかなきゃいけませんね!

では、また明日!

Jun


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