「GQ JAPAN 6月号」感想

「GQ JAPAN 6月号」感想

2024年5月1日発売。定価「980円」。

表紙からパラパラとめくりながら、ハイブランドばかりでこんなの買えないなぁ・・・なんて思っていたら、「TOM FORD EYEWEAR」の広告も掲載されていて嬉しかったです。4万円ぐらいで作れるので、それこそGUCCIとかと比べたらぜんぜんって感じですよ。あと、68頁の「Most Creative Companies 2024」の中で、「HOKA」が紹介されていました。ここのサンダルの「HOPARA」を昨年の夏に買って、めっちゃ快適で、これを履かない日は無かったぐらいです。

さて、羽生さんの特集ですが、118~129頁のインタ&写真と130頁のポストカード封入だけでなく、21頁(紹介写真)と23頁(編集長コラム)もありますので、お見逃しなく。以下、インタの中から印象的だった部分をピックアップしてみます。

「楽しいだけだとダメだと自分は思ってしまうんです。競技時代から、試合は楽しむものではないとずっと思っていて、それは自分の哲学として絶対に揺るがない。・・・失敗したら崖から落ちるような、緊張感があるからこそ出てくる演技が存在していて、それがあるからこそ日々の練習、鍛錬ができる。・・・誰かがそれを観て楽しんでくださるから作っていける。それが僕の喜び、幸福にも繋がっている。ただ、その幸福だけを味わい続けてしまうと、最終的には中身のない嘘の言葉、嘘の世界観になってしまうのではないかという思いも持ち続けています

この応答は、「競技時代よりも現在のほうが楽しいのではないか?」という質問が呼び水になっているわけですけど、慎重に言葉を選んでいるな・・・というのが私の第一印象でした。たしかに、プロ転向後のショーはどれも大成功で羽生さん自身も手ごたえを感じているとは思うんですが、「ええ、いまの方が楽しいですね」なんて答えようものなら、それを「現役選手たちへのディスり」だ何だとゲス週刊誌が食いついてくるのは火を見るより明らかですからね。

もちろんGQのライターさんに悪意なんて無いんですけど、だからと言って、「どっちも同じ。真剣です」と答えてしまっては取材にならない。で、「崖から落ちるような緊張感があるからこその演技もある」という表現は、見事な言語化能力だなと感心しました。でも、取材用にこしらえた言葉ではなくて、「破滅への使者」があるからRE_PRAYというショーはキリっと引き締まったわけで、紛れもない本心だし、そのために妥協なくトレーニングを重ねてきたんだと思います。

「噓の世界観」というのは、お客さんが「観て楽しんでくれること」に甘えてはいけないって意味ですかね。「何をやってもチケットは売れるし、喜んでくれる」という現状に危機感を感じているのかもしれません。

「僕がプロのダンサーやバレリーナと同じように踊れるわけではない。でもフィギュアスケートを20何年間もやっているからこそ、彼らの技術を学ぶことで、新しい表現が生まれる可能性はある。とことん勉強して、それを氷上でやることができたら、それは唯一無二の存在になれるのではないかと思っているんです」

これはもうずっと言っていることですよね。でもじゃあ、「本職の人と比べたら自分は下手だからやらない」ってなったら、新しいことにチャレンジできない。批判は覚悟の上で、人生一度きりだし、自分がやりたいと思っているんだから、やらない選択肢は無いわけですよ。とはいえ、MIKIKO先生からアドバイスをもらっているだろうし、「唯一無二の存在になれるのではないか」という言葉には、自信を窺わせます。

「僕がこの先、あと30年間、フィギュアスケートという”言語”に付き合い続けたら、その年になったからこそ出てくる表現、その時にしか出せないフィギュアスケートっていうものが存在するかもしれないと思って。僕はその可能性があると信じているし、その可能性のために挑み続けなければならないと思っているんです」

この部分には最初ビックリしまして、え?プロスケーターをあと30年もやるの?と驚きつつも、いやいやプロデュース業とか監督業とかそういう形で引き続きスケートに関わるってことでしょ?と解釈を改めつつ、でもでも、「その年になったからこそ出てくる表現」「その時にしか出せないフィギュアスケート」「その可能性のために挑み続けなければならない」って言ってるし、この人マジで30年やるつもりなのでは?と解釈を元に戻した次第です。

それこそ、野村萬斎さんが「Ice Jewels Vol.18」の中で、「1回転跳んでも5回転したかのように思えるくらいの芸事の世界」っておっしゃっていて、羽生さんはあれを大真面目に実現しようと考えているのかもしれませんよ。これ、けっこうすごいこと言ってるなぁ・・・と、興味深いインタでした。

メタルジョギング・チャレンジは194日目。TRIVIUMの『The Crusade』(2006年10月)です。このバンドは以前私も聴いたことがあって、彼らを知ったのもバンドのフロントマンで日米ハーフの、マット・キイチ・ヒーフィー(Vo, Gt)のルーツに依る所が大きいです。楽曲の特徴は、『Master Of Puppets』の頃までのMetallicaの「新解釈」という感じです。演奏面だけでなく、あのジェイムズ・ヘットフィールドの歌唱からもそっくり影響を受けているのは、ある意味で珍しい。

1曲目の「Ignition」は私も覚えていて、でもオープニングトラックにしてはキレイにまとまっているというか、80年代のMetallicaをベースにしながらも、そこまで音を過激化・先鋭化させない所がこのバンドの個性かなと思います。そこは、最近ご紹介したKILLSWITCH ENGAGEとの違いですね。

個人的に好きなのは、3曲目の「Entrance Of The Conflagration」で、特に2:29からの予想外のギターの切り込みはゾクっときました。で、3つ目の動画は伊藤政則さんの番組をアップしたもので、2007年の渋谷のライブ映像が紹介されています。画質は悪いですが、テンション高くていいライブですね。

では、また明日!

Jun


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