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ネイサン。113.42の1位。このスコアなんで、どんなに凄い演技なのかと期待して見てみると、いつものネイサンでした。3Aはたっぷりの助走で着氷の姿勢も美しいとは言えない。4Fと4T-3Tは、強いて挙げれば、トウループのコンボの方が余裕はあったかなと。でも、相当コンディションは戻してきていますね。
スコアだけ見て、「もうネイサンには誰も勝てない」「彼が主流になるフィギュアなんてもう見ない」なんて言ってる人は、ロステレのOtonalともう一度見比べてみて、ちょっと落ち着けよ!と言いたいですね。
しかし、せっかくシェイが選曲して振付をつくってくれたオリエンタルなムード漂うプログラムが、YouTubeのコメにもあるように、このペンギンコスプレ衣装で台無しというのが、なんだかなぁと思います。以前の衣装も、上半身が窮屈で最高とは言えないけど、これよりは遥かにマシじゃないですかね。
でも、スコアが出た時に、ネイサンもラファも、「なんだこれ?」って、決してエキサイトしていないのが印象的。自分の実力と状況をよく分かっているのだと。つまり、ジャッジとマスコミ関係者だけが勝手にフィーバーしてるのだなと感じました。
ジェイソン。100.52の2位。「クワドレスで100点超えは無いだろう!」という議論はあるんですが、なんちゃってクワドジャンパーよりも、よっぽどハイクオリティで独自のスケートを展開しているので、必ずしもこのスコアが高すぎるとは思いません。
ネイサンのGOEやPCSと照らし合わせて考えてみると、この日のジャッジは、ジェイソンのスケートのクオリティをちゃんと評価した上で採点しているのか?という疑問は沸いてきます。それこそ、鉛筆ナメナメしながら、「ネイサンにこれぐらいつけたから、ジェイソンにもこれぐらいつけとけ!」的な、イイカゲンな印象は否めません。スピンやステップの加点を、二人ほぼ同じ数値にしている時点でお察しですよ。こんなの演技を見なくても採点できるじゃないかと。
ただ、ジェイソンもトレーシーも喜んでいるので、「彼がこれをきっかけに自信を持ってくれれば・・・」という点では、収穫でしょうか。
ヴィンセント。100.25の3位。プロトコル上では、4Lz-3TのルッツでUR(+1.11)、4Sはクリーン(+2.91)、3Aもクリーンで(+2.97)。
映像を見れば分かりますが、着氷が一番乱れたのは4Sで、うーむ、ルッツもサルコウも回転自体はそんなに変わらないかな?という気はします。しかし、回転不足でも加点でプラスがつくんですね。
この選手は、今季、地元開催のスケアメでもグサグサ刺さっていたので、はたして四大陸とワールドで、この全米のような判定がされるかが焦点になります。今季のこれまでの試合と比べて、そこまでジャンプが改善された感じはしませんが、どうなるでしょうね。
樋渡君。84.05の4位。いい演技しましたねぇ。JGPファイナルではまったく力を出しきれずに辛い思いをしましたが、このショートは、3Aで若干着氷が乱れた以外は、ほぼパーフェクトな内容です。
決して体型的には恵まれていないですが、スケートにだんだんと余裕と貫禄が出てきた印象です。ジャンプが安定してくると、PCSももっと上がるはずで、四大陸の代表にも選出されましたし、ぜひ頑張ってもらいたいですね。
というわけで、スコアの部分を除けば、今日取り上げた4選手は、いつもの演技という感じです。特別上手くなったわけじゃないし、でもミスを連発したわけでもない。選手はコンディションを整えて、よくがんばりました。
明日は、フリーをチェックして、長かったレビューシリーズも一段落させたいと思います。
では、また明日!
Jun
コメント
先週のハビ祭りの後に見てしまったのはあるのですが、ネイサンは全部「クリーン」なはずのFSでも全然心が動きませんでした。
高難度のジャンプはたくさん跳んでいるし、スピンも上手です。でもジャンプの美しさと、音楽と一体となったスケートの流れが決定的に無いんですよね。
シェイの激しいSPで改めて思ったのは音が拾えてない。ひとつのポジションが完結する前に次の動作に移るので、ワチャワチャした印象しか残らない。キーガンや織田君はわざとよろめく演技が上手いけど、この人はターンの姿勢が悪いので、本当によろめいている見える。要は雑なんですよ。衣装のテキトーさからも、跳べりゃいいというメッセージがよく伝わってきます。
ここに集う皆様の間で割と評判がいいダッタン人を見直してみたんですけど、青いけど、そんなに下手には見えないんですよ。改めてよく出来たプログラムなんだと再確認しました。
ジェイソンのつま先から指先まで一瞬のスキも緩みもない演技は本当にプロフェッショナルですよね。ジェイソンじゃなきゃ、寝ちゃいそうな音楽なのに。これぞプロ。
Fakefurさま
私も無意識に感じていた「ワチャワチャした印象」の具体的な理由を明確に説明していただいて、思わず膝を打って納得してしまいました。
シェイのプロって、羽生君、新葉ちゃん、あるいはネイサンと同門のワグナーも、しっかり音を拾って、一つひとつの動きにちゃんと意味があるから、メリハリが効いている印象なんですよね。一方、ネイサンの「キャラバン」は、ゴチャゴチャしていてどの動きも中途半端で、ちょっと昭和的な表現で恐縮ですが、ドリフの酔っぱらいのコントみたいで、「これが、シェイの演技指導?本当に?」と、薄々感じていました。あくまでも私の印象論です。
韃靼人はみんな大好きで、翌年のネメシスも意欲的でした。ただ、ネメシスは、あのスピードスケートみたいなウェアになって、もはや見る気がしないですよね。同じ、ベンジャミン・クレメンタインなら、島田君の演技を見るわ!ってなります。衣装も大事ですね。
このなかでは、やはり一番見応えがあったのはジェイソンでした。
実は結果のみで、フリーの内容は知らないのですが、SPに限って言えばこれぞフィギュアと言える演技ではないでしょうか。
樋渡くん、四大陸出場なんですね。次試合が楽しみな出来でした。
ネイサン、正直SPはフリーほどのインパクトはありませんでした。彼ならこの程度は想定内だったので。ただ、点数を額面通り受け取ってない様子なのは、やはり賢いなと思います。
今回は動画全部見られました。女子だけ削除されていのは不明ですが、junさんにはいつも動画をアップして頂いているのに、先日は愚痴を言ってしまい、申し訳ありません。ついつい こちらに頼ってしまい、反省しています。
ととちゃん さま
ジェイソンが「これぐらいできる」というのは、分かっていたこととはいえ、ずいぶんと高得点が出ましたね。ジャンプについては、あれだけ流れのある美しいトリプルを跳べるのだから、クワドをいったん跳べるようになれば、すぐに高いクオリティで跳び続けそうに見えるんですけどね。しっかり、クリケットのコーチ陣はサポートしてあげてほしいと思います。
動画削除の件は、私の不注意ですので、まったく気になさらないでください。