「家庭画報 2024年10月号」感想など

「家庭画報 2024年10月号」感想など

2024年8月30日発売。定価「1,400円」(プレミアムライト版)。

金曜日のお昼前にアマゾンで注文したら、土曜朝に届いたので一気に読みました。今回の塩沼亮潤さんとの対談は、他ではまず読めない貴重な内容で、1,400円の価値は十分にあると思います。ちなみに、アマゾンのレビューによれば、「通常版」のkindle版が1,220円なのでプレミアムライト版より安いんですけど、対談が未収録とのこと。ぜひ雑誌の方を入手してください(*通常版の雑誌版の方は、1,750円)。

以下、印象的だった部分をいくつかピックアップしてみます。

羽生「・・・プロスケーターになって、”表現”というものをより強く考え始めるようになってから、ひたすら自分に向き合う時間が増えたように思います。やっぱり、自分は何者なのか、生とはなんだろうということを突き詰めて考えて、自分の芯ができ始めないと思い描く表現ができないんだなと痛感したんです。逃げ道もないほどに追い込まれないと、見えてこない境地もあるのではないでしょうか」

アマチュアの世界は、いくらストイックに練習を積んで、試合で自分自身で納得のいく演技ができても、結局はそれを採点するジャッジ次第という部分が大きいですよね。他方で、プロスケーターの場合、アイスショーで何をやるかは全て自分次第で、順位もスコアも出ないですから、言葉は悪いですが、ラクをして手抜きをしようと思えば、いくらでもできてしまう。だから、プロスケーターほど、ストイックに自分自身を鍛えて磨き込んでいかないと、ファンが離れてしまうかもしれない。まぁ、「離れる」と言っても、急に羽生さんのショーの集客が悪くなることはありえませんが、例えば、「マンネリの打破」だったり、「プロとしての発言・行動」というものを羽生さん自身が強く自分に課しているように思われます。

羽生「僕はネガティブはネガティブで全部受け止めてしまおう、認めよう、と考えていまして。人にネガティブな気持ちをぶつけるのはよくないので、スケートノートに全部書く。書いて破いてポイ、終わり!というパターンは時々ありましたね。破いたノートのページ数だけ煩悩を捨ててきたなと思っています(笑)」

これは初出のエピソードではないですか?いまやスマホ時代ですから、例えば酔っぱらってネガティブなことをXにポストしたり、LINEで誰かに送ってしまう、というのは気をつけなきゃいけませんよね。私は、スマホのメモ帳に「いまの自分のこういう所が嫌だ。だからこうしたい!」みたいなことを書くことはあります。ただ、基本的にそのメモ帳を読み返すことはほぼ無く、いつ何を書いたかは忘れてしまうので、良く言えば引きずらない、悪く言えば成長がないという点は悩みどころです。

羽生「つい最近『なんで僕はナルシストと言われてしまうんだろう』と考えてしまって。・・・僕は、もともと自信がないので中途半端なことができないんですね。例えばアップしているときには、自分の世界に浸るくらいまで集中していることが多い。エアで熱唱している姿を見て、恥ずかしがらないところが『自分に酔っている』と思われがちなのですが、それは決して酔いしれているわけではなくて。最大限のパフォーマンスをするためにはそこまでやらないと辿り着けないからなのですが

これはもう他人がとやかく言う領域ではないですよね。羽生さんがベストパフォーマンスを披露するために「必要なルーティン」なんですよ。それこそ、藤井聡太七冠が初手を指す前にお茶を一口ふくむのだって「必要なルーティン」だし、女子やり投げの北口榛花選手が寝そべりながらカステラを食べていたのも「必要で意味のあること」なんですよ。逆に、「他人の評価」を気にしてそのルーティンをやめてしまうのであれば、それはプロとしてどうなんだ?って思います。いいんですよ、上に挙げた方々は、一般人には到底達成不可能な結果をしっかり出しているわけですからね。

羽生「もしもですが、千日回峰行の番組を初めて見た当時に戻ったとしたら、また同じ決意をされますか?」

塩沼「(即答で)はい。生まれ変わっても絶対にまた同じ道を歩きますね

羽生「すごいですね。僕はできたら違う道がいいな。もし輪廻転生があるのだとしたら、この人生はスケートにすべてを捧げられるだけ捧げて、もう完遂した!くらいまでやり切れたらいいかなと思います。まあ、来世ではアリになっているかもしれませんが(笑)」

うっそー!って思わず声が出ちゃいましたよ。塩沼さんのご著書を私も読んだことがあるんですが、いつ命を落としてもおかしくない危険な修行ですからね。自分の場合、まったく違う道を歩きたいとは思いませんが、例えば、いまの頭で中学生ぐらいからやり直すとして、「あれはもっとうまくやれたかもしれないな?」という所は頑張ってみたいとは思います。でも、今でもやれることはいくつかあるので、それを「やり直してみる」というのも悪くないなと感じています。

まだまだ興味深いやり取りはたくさんあるんですが、この辺りで留めておきましょう。そうそう、対談の後に掲載されているんですが、お互いが自筆で(羽生さんも筆で!)色紙にメッセージを書いて渡しているんですね。羽生さんのメッセージがとても素晴らしいので、ぜひご自分の目で確かめてみてください。

そして・・・メンシプのライブについても。アーカイブで聴きましたが、特に後半の質問コーナーが良かったですね。「タイムリーな疑問」のいくつかが本人によって解消されて、非常に価値のある配信だったかなと。映像だといろいろ大変だと思うので、今回みたいなラジオ感覚でぜんぜんOKなので、またぜひやってほしいですね。

では、また明日!

Jun


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