藤井王座、本日対局!(王座戦第三局)

藤井王座、本日対局!(王座戦第三局)

ABEMA将棋チャンネルでの放送は「こちら」。両者の対戦成績は、藤井聡太王座から見て「17勝7敗2千日手」です。

第一局は後手番の藤井王座が「△3三金型早繰り銀」という変化球的な戦法を採用して勝利。第二局では、先手番の藤井王座が彼のドル箱戦法の「角換わり腰掛け銀」を目指しました。永瀬拓矢九段が「前例を外す一手」を指すことで藤井王座の長考を誘ったものの、その後の藤井王座の応手が「永瀬九段の事前研究に無い対応」で、永瀬さんも湯水のように持ち時間を浪費。結果的に、ジワジワと藤井王座が差を広げて、藤井さんの快勝となりました。

以前もどこかで話しましたが、「角換わり腰掛け銀」という戦型をプロ棋士が公式戦で指す場合、数百万円するハイスペックのパソコンを組んで、事前に最新AIが推奨する「最善手のルート」を大量に暗記して、それを実際の将棋で吐き出していきます。この戦型の序盤は「暗記披露会」の様相を呈しています。しかし、その「最善手のルート」のまま相手を詰ませられるわけではありません。どこかでそのルートを外れたとき、そこからは自力で考えないといけません。

ある棋士の先生が、「AIが推奨する指し手は、登山に例えると、それは最短のルートではあっても、安全性をまったく考慮しない断崖絶壁ルートのようなもの」なんだそうです。どんな棋士でも必ずミスをするし、負けやすい形を避けるのが人間。でも、AIは絶対にミスをしないので、ノーミスで何十手も指し続けないと負けになる指し手を、AIは平気で「最善手」として提示してくる。別の先生(たしか羽生善治九段)は、「AIの手順を暗記すれば、自分の足で山を登らずに、ヘリコプターで山頂を目指すことができる。でも、AIの手順を外れた瞬間というのは、超危険な場所で急にヘリから降ろされるようなもの。そこからは自力で山頂を目指さないといけない」。

事前研究を外れてからが本当の勝負で、結局そこからの「自力勝負」でも藤井聡太さんは強いんですよね。だから、「角換わり腰掛け銀」を避ける傾向が「裏流行」としてジワジワ出てきているんですが、その「裏流行」に藤井さんも参入したのが前述の「△3三金型早繰り銀」と言えるので、じゃあ、何を指せば藤井さんに勝てるの?という話になってきます。

さて、本局はカド番に追い込まれた永瀬九段の先手番。せっかく苦労して「角換わり腰掛け銀」の手順を覚えてきても、第一局のように「外される」可能性がある。まずは、「角換わり腰掛け銀」になるかどうかが注目ですね。これはもう対局が始まってみないと分かりませんが、対局開始の朝9時から5分程度で判明しますので、朝一番がまず見所でしょうね。

では、また明日!

Jun


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