まずは報知新聞。1面と8面に羽生君関連記事。8面に「無良崇人の目」という解説記事があり、そこでは「羽生選手が話している『追随されないように強くなる』ためには4回転でルッツ、フリップという基礎点の高いジャンプの投入が必須になるでしょう。すでにほとんどの項目で高い加点を得ており、これ以上の加点をもらうのは針の穴に糸を通すようなこと。ジャンプの種類を増やす方が得点が伸びていくと考えられます」と語っています。
すでにこの件について羽生君自身が言及していますが、右足首の回復次第でしょうね。単純に基礎点が高いから「ルッツとフリップを」という話ではなく、「ループとサルコウは氷の影響を受けやすいから」というのは、私自身SPを現地観戦した際に「スケート会場とは思えないほどの熱気」を感じただけに、納得感があります。クッションもひざ掛けも持っていかず、靴下は通常の長さ、席についたら上着は脱ぎっぱなしで、マスクもすぐに外しました。「マスク率の低さ」はテレビの映像でも確認できました。暑すぎましたね。
スポニチは4面と32面。ともに、長久保さん撮影のショット。こちらの解説記事は「岡崎真の目」。「（ネイサンは）昨季まではトリプルアクセルが苦手だったが、今季はきちんと改善して精神的なストレスが解消されたようだ。4回転の質も上がっている。今季からのルール改正に合わせてGOEで加点が付きやすいようなジャンプを跳ぶことが増えたので、それも追い風になった。・・・羽生も来季は4回転ルッツやフリップなど今以上に高難度のジャンプを組み入れる必要はあるのかもしれない。少なくとも今までのように簡単には勝てない状況になったのは確かだ」。
たしかに、ネイサンの弱点はクワドよりもむしろ3Aにあったのですが、今季ノーミスの演技を連発しているのは、やはり3Aの改善が原動力になっていると私も思います。フリー冒頭の4Lzも、まるでボーヤンのような高さのある素晴らしいジャンプでした。これは認めないわけにはいきませんね。
デイリーは1面と29面。こちらは、「振付師 宮本賢二のエンジョイ!!フィギュア」という解説記事。「欲を言えば、羽生選手はすべては出し切っていないと思う。4回転サルコーは悔しかっただろう。金メダルではなかっただけに、来シーズンは、これまで味わったことのない気持ちで迎えるはずだ。新しいジャンプに取り組むのか。プログラムもどうなるかだが、いずれにしても、羽生選手は来季、さらに強くなると思っている」。ジャンプについて詳しい言及は避けつつ、プログラムの話を入れる所に、振付師としての視点が窺えますね。
ちなみに、記者会見の内容をいちばん詳しく誌面に掲載してくれたのは、デイリーでした。一部抜粋します。
――演技後に氷にタッチしていた。
「今日は氷の感触がショートの日とは全然違っていて、寒くて氷が締まっていた。6分間練習が終わった後、ありがとう、大好きだと思っていた。エッジ系ジャンプ（ループなど）はエッジと自分の体と氷とのコネクションが一番大事。最後まで（エッジが）引っかかってくれてありがとうという気持ち」
――チェンとの点差について。
「SP、フリーともにノーミスでも、今回はギリギリ勝てなかったと思う。完全に実力不足だなと。プライドは捨てたくないので、エッジ系ジャンプは極めたいが、トー系ジャンプも増やしたい。ルッツ、フリップ、アクセル、得点源になるジャンプを増やしたい」
単に、ネイサンやヴィンセントの「マネ」をして「ルッツとフリップを導入する」と言ってるんじゃないよ、という羽生君自身のポリシーがにじみ出ていますね。それにしても、繰り返しになりますが、氷の状態に翻弄されたワールドといえるかもしれません。
さて、私の予想が外れて、羽生君は国別不参加となりました。まぁ、ワールドに強行出場したことで、日本代表の3枠を死守し、視聴率も30%を超え、そして素晴らしいOriginを演じきったのですから、十分に役割を果たしてくれたと言えるんじゃないかと。
FaOIはどうなるか不明ですが、まずはゆっくり休んでほしいですね。
では、また明日！
Jun
コメント
国別欠場と聞いて、ほっとしました。
報道されていた以上に、そして、私たちファンが望んでいたよりも、右足首の状態は悪く、痛み止めを飲んで跳んでいる段階で、平昌に比べてマシな状況でもないことが明らかになりました。
今の羽生さんは、自分の翼の羽根をむしりながら、神に捧げる絹織物を織っているようなギリギリの状態だと思うのです。五輪連覇を果たしても燃え尽きることなく、技術と芸術性を磨き続けて、表舞台に戻ってくれた。その神々しい演技を観れるだけでも有難いので、一日でも長く、そんな日が続いて欲しいです。
ディック・バトンじゃないですが、もう別格なのですから、北京北京と煽らず、好きなように滑らせてあげたいです。宿願の4Aはもちろんですが、本人が望むのであれば、全身全霊かけて応援しますが、勝負のためとはいえ、無理に4Lzや4Fを導入して、致命傷を負って、選手生命が突然断たれてしまうようなことだけは避けてほしいです。
宇野選手も心身ともにコンディションが悪そうですし、無理に出場せず大事にしたほうがいいような気がします。色々あっても日本のツートップの一人ですから。
国別は是が非でも勝たねばいけない大会でもないし、興行色のほうが強い。シーズンを戦い抜いて、心身とも疲弊した選手たちが、身体に鞭打って出場する必要はないでしょう。国際経験が少ない若手選手に出場してもらってはどうでしょうか。得た収益が、選手のために使われることを願ってやみません。
Fakefurさま
国別も、現地で観戦すると、それはそれでけっこうお得感のある大会なんですよね。もし今大会の開催地が首都圏だったら、羽生君が欠場していても見たいなと思います。
私は、2017年の女子フリー＆ペアフリーを代々木で見ましたが、三原さん＆樋口さんの演技は素晴らしかったし、ワグナーのエクソジェネシスも極上の内容でした。6連のメドちゃんの動きを見てスケート靴にバネがついてるんじゃないか？という、一人だけ動きがまるで違ったのも、いま思うと懐かしい。ヴァネッサ＆モーガンペアを知ったのもこの試合が初めてでした。
もし、「フィギュアの試合を初めて見るなら？」と聞かれたら、真っ先にオススメしたい大会です。
なるほど、そういう位置付けの大会なんですね。勉強になりました。
日本には、島田君や草太君など実力と人気を伴った若手選手がいますから、そういう人に譲ってはと思ったんです。謝金はかなり出るようなので、聖子に上納されず、出場選手の活動資金になるよう祈ってます。
ちなみにこの間のオランダのチャレンジカップ、B級試合なので4日通して10EUR、西ヨーロッパ選手が多く、競技レベルは低いですが、ほぼ全カテに日本人選手がいて超お得でした。
Fakefurさま
ライトファンには本当に良い大会です。特に代々木開催だと、新宿伊勢丹のデパ地下でおいしいお弁当を買って、副都心線で新宿三丁目～明治神宮前は急行なら1駅です。めちゃくちゃ便利です。
各チームの応援席には、その日に出場予定の無い選手も目撃することもできます。ただ17年の女子・ペアフリーの日は、表彰式以外は羽生君をほとんど目撃できなかったですが・・・。
日本代表には誰が相応しいかについては、テレ朝のコンテンツなので、地上波向けの取材もけっこう受けなきゃいけないんですよね。そうなると、よっぽど素質のある選手でない限りは、ファイナル、ワールド、五輪出場経験のあるような選手じゃないと役割を果たしきれないと思いますね。
おはようございます。
今回新聞を買わなかったので記事情報ありがとうございます。
今回ＳＰ前の練習の日の羽生くんの表情を見て、なんか疲れた顔してるなぁ体調悪い？足はやっぱり治ってないんじゃ？と感じてました。
３枠確保の為に出場したんでしょうか？
本来なら世選も欠場したくはないけど、欠場しなくてはならなかったんですね。
なので私は国別は欠場かもと感じてました。
ＳＰの失敗は暑かったという状態のせいだったんですね。
あれだけぎゅうぎゅうに人がいれば想定外の温度上昇だったのでしょうか。
どうりでいつも以上に羽生くん汗をかいてたわけですね。
今回の銀メダル足の怪我以前ならメラメラになって良かったな、となりますが心配でしかないですね。
羽生くんもファンに心配かけるけどって言ってますけどファンをやめられないので心配しつつ精一杯応援しかないですが。
確かに今回のネイサンのジャンプ良くなってると思いましたが、また観たいなとは思いませんから、羽生くんには魅せるスケートをなるべく長く観せていただきたいけど競技だから仕方ないですね、、 というか羽生くんですからねぇ。
競技者は妥協したらパトリックチャンのように精神を病むだけでしょうか。
素晴らしいスケーティングを魅せていただきたかったですけどね。
マリィさま
「疲れた顔」という印象は、私の感じた所では、「平昌五輪よりも絞ってきたのでは？」という部分で一致しているかもしれません。修造さんとの対談を見ていても、いつも以上にげっそりと頬がこけているので、そりゃ、「練習で泣いた」というのも分かります。それだけ追い込んできたというのは、顔の輪郭にはっきり出ていましたから。
おっしゃるように、私も、今季のプログラムに限っては、ネイサンは「一回見ればいいかな」と。2シーズン前のダッタン人や、昨シーズンのネメシスは大好きなんですけど、衣装がスピスケ風味になってから、こりゃアカン・・・という感じです。
ゆづファンの中で、ネイサンの高得点に納得のいかない方がいらっしゃるのもよく分かります。ただ、私の場合、コストルナヤの大ファンでもあるので、すでに「トゥルソワへの高得点」で耐性がついていることもあって、「こういうスケートもアリだよな」と。でも、ライバルのスコア関係なく、なんら遠慮することなく、むしろ今まで以上に好きでい続けるのが大事だと思っています。
今までも、氷の状態の違いが良くも悪くもパフォーマンスに影響を与えてきましたね。これは羽生選手に限ったことではない筈で、どの大会でもデータ等を駆使して出来るだけ同じクォリティに保つことは出来ないのだろうかと思います。
来季以降はルッツを取り戻し、フリップを習得するとのこと。個人的には4Aを先に成功させて欲しいのですが、試合が終わりたてで
勝ちへの意欲がMAXになっているようで まずはネイサンと同じ土俵に立ちたいのだろうと推察しています。怪我もあり、プラン通りにはいかないでしょうが、きっと自分を貫くんだろうなと思います。また、ハラハラしながら見守るのでしょうが、続けてくれるだけで感謝です。
ととちゃん さま
怪我の状態が気になりますね・・・。国別を欠場して、さて、FaOIはどうなるのかという話に、私の関心は移っています。
今年は開催地に仙台が含まれ、しかも、ゲスト・アーティストにはToshIさんという「攻めた人選」となったので、真壁さんからも「結弦、治してくれよ！」とプッシュされていると思われます。
FaOIまでは2ヶ月ありますし、ジャンプもある程度制限できるはずですから、新プロのお披露目もあるんじゃないかと。CiONTUがない分、準備期間は十分にあると見ています。
すみません、補足しておきます。
パトリックチャンが妥協したかどうかははっきりとは知りません。
思い込みで書いてしまってはいけませんね。
パトリックチャンが嫌いというわけではありません。
ファンの方すみません。
マリィさま
私自身はまったく特に引っかかることもなく、読み進めていました。気なさる必要はないと思いますよ。
Pさんは、SOIを怪我のため欠場ということで心配ですが、夏にかけてたくさんショーはあるので、どこかで復帰してくれることを期待しています。
２４日はエキシビションでバタバタしていて新聞の購入を忘れてしまいました。無良兄の記事を読みたかったので紹介ありがとうございました。町田君とは違いますね。佐藤信夫先生のコメントはとても良かったですね。今回どうしたのか？何回も言ってますがフジテレビ随分感じ良かったですね？ついでにと言ったら何ですけど、本田君の解説はどうもジャンプ以外では説得力に欠けているような気がするんです。毎回…。無良兄を起用するなら解説変えて貰えないかなあ？という気持ちは私だけですかね？
結弦君は報ステの後にカナダに行ったそうで寂しいですね。ジャンプの種類とかはトップアスリート相手に怪我が心配だの何だのと私は思わないんですよ。そんな事は百も承知で言ってる訳で私はリスク承知で本人が望むことに気持ちしか出来ないけど一緒に闘いたいという覚悟です。そもそも結弦君がトウ系ジャンプより先にループを入れたのは得意という事もあるでしょうが、リスフランの怪我を再発させない為だったわけですから、採点のあり方をみても考えるのは妥当だと思います。氷が硬いとトウ系は跳ね返されると以前聞きました。どちらにも対応出来るようにするのかな？何れにしても大変ですね？。
PCSのSSはコンパルソリーがなくなった時点で、ジャンプの完成が重視だと、エッジングの巧みさなどよりと答えているのを読みました。成る程、天井席からはスケーテングがよく見えて、巧くて滑らかなのは結弦君ダントツ、次が宇野君、女子は紀平さんが綺麗だなあと感じました。あのメドちゃんがクリケでやり直しをしたのですから、ザギちゃんに感じられないのも自分としては納得でした。
国別は、結弦君出場予定だったって事ですね？ランキング２位の知子ちゃんは始めから対象外だったのでしょうか？
senninさま
無良君の解説は、Jスポのインカレ（開催は1月）放送で聞いたんですけど、むちゃくちゃ暗いんですよね・・・（汗）。ただ、ボソボソ口調は演技中だけで、リプレー解説は普通に喋っている。ここを改善してくれれば、来季は引っ張りだこになると思います。特にフジは、すでにコヅのハシゴを外している感もありますし、無良君の仕事は増えると思いますよ。
ザギちゃんのスケートって、私はどうなの？というのが正直な所です。まず、腰を突き出して漕ぐフォームが気になります。それでいて繋ぎが盛り沢山なので、スケートの伸びを感じない。でも、昨シーズンのドン・キホーテに比べたら、今季のカルメンは比較的スケーティングの部分を見られる内容ではあるんですけど、紀平さん、あるいは坂本さんに比べたら全然ですよね。
ただ、PCSというのはやはり「格付け点」という部分はあるので、日本人が対抗するには、まずはしっかりジャンプの確率を高めることが進むべき道だと思います。