Pさん、ありがとう!「Number 977(5.16.2019)」

Pさん、ありがとう!「Number 977(5.16.2019)」

2019年4月25日発売。税込み価格「650円」。

もちろん、冒頭の2つの企画しか読んでいません。ハビのインタは知っていることが多かったので割愛するとして、パトリックのインタは貴重ですね。田村さん、よく取材してくれました。そして、取材を受けてくれた、Pさん、ありがとう!

でも今思い返すと、ソチオリンピックでの失敗で学んだものは、自分がチャンピオンになっていた場合よりも大きかったのではないかと思っています。トップに立っても、いつかは落ちる。それはアスリートの宿命。それをどう受け入れて残りの人生を生きていくかが大事なのです。

まったくの偶然ですけど、昨日ご紹介した田村コーチのインタでも同じ点が指摘されていましたね。それは「負けた時にどう振る舞うべきか」ということです。「王者としての振る舞いとは、負けたときの潔さだ」ということに気づかされますね。スパっと引退しても芸能人ぶって小遣い稼ぎをしていたらみっともないですし、全盛期の力はなくとも黙々と競技生活を続ける姿は崇高でかっこいい。もちろん、羽生君はまだまだスケートへの情熱の炎を燃やし続けてはいますけど、ふと、さいたまワールドでのネイサンに対する羽生君のコメントを聞いて、「この人を応援してきてよかったな。やっぱり超一流だ!」という思いを新たにしました。

ユヅルが平昌で2度目の金メダルを手にするのを目にしたときに、思いがけない感動がわいてきたんです。実を言うとソチオリンピックでは、まだそれほど経験のない新人に負けてしまったという忸怩たる思いをなかなか拭い去ることができなかった。でもユヅルがソチから見せた成長ぶりと、彼の歩んできたオリンピック2連覇への道のりを目にしたとき、この素晴らしい物語の中に自分も参加できたことを誇りに思いました。ソチオリンピックの結果はなるべくしてなったのだ、と自分を納得させることができた。これほどの選手だったのだから、自分が負けたのは仕方のないことだったのだということを、ユヅルが平昌で証明してくれたのです。

新たな歴史を作り、前人未到の領域で挑戦を続けてきたのが、羽生結弦というスケーターです。「じゃ、なぜスケ連は?」と疑問と怒りを感じる方もいらっしゃるかと思いますが、私はむしろあれこそが「旧態依然とした日本社会の縮図」だと思っていますよ。最近明るみに出てきた各種スポーツ団体のアレコレだけでなく、「労働者を低賃金でこき使う」ブラック企業もあんな感じですよね。

怒っている方々を見ると、「みんなけっこうちゃんとしたフィギュアスケートファンなんだ!」と感心します。私自身は、沈みゆく泥舟がどうなろうと知ったこっちゃない。羽生君の現役生活を最後まで見届けて、そして彼のプロスケーターとしての活躍を楽しみに待つのみです。あ、もちろん、頑張っている選手は応援しますけどね。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. みつばち より:

    更新ありがとうございます。

    Pさん、あなたのライバルは異次元の人、違う惑星の住人だったんですよ。
    ただそれだけ・・・

    • Jun より:

      みつばちさま

      Pさんも、現役引退して指導者の道を歩み始めたことで、心境の変化もあるのでしょう。

      フィギュアスケートというスポーツに限っても、選手たちは、自身の持っているセンスや才能によって、当然目標とするものも違ってくる。自分を基準にしていては、人にモノを教えることなんてできないですから、オープンマインドになったんだなと思いますね。

  2. Fakefur より:

    Pさんの全盛時は舌好調で自ら火の粉を浴びることが多かったですが、大人になりましたね〜。彼の圧倒的な存在があってこそ、羽生さんは鋼のように強い選手に羽化したわけで、そのPさんの口から潔い賞賛の言葉が出るのは感慨深いものがあります。

    世戦で、ネイサンを清々しく祝福していた我らが羽生さんの姿は、実るほど頭を垂れる稲穂かなという言葉がぴったりで、人格者すぎる。いい大人なのに、結果にブツブツ言っていた自分が恥ずかしくです。ごめんなさい。

    あ、いい加減な審判と、マーケティングで世論を操作しようとする代理店には文句言いますよ!

    • Jun より:

      Fakefurさま

      私も、試合終わった直後は、「なんなのこの試合?」って毒づいてましたから、そのこと自体はいいと思うんですよ。このスポーツをそこそこ見てきたら、誰だって疑問に感じます。

      ただ、羽生君はすぐに切り替えて前を向いているのに、いまだに「男子SPの日の氷がうーたらかーたら」と言うのは、ちょっと違うでしょ?と。もしかして「なりすましゆづファン」の珍バイターでは?なんて勘ぐってしまいますね。

  3. ごろ寝 より:

    web版では、お馴染み田村女史がやらかし記事を上げているらしい。
    つい見てしまったが、切り取り方が「毎度」の方法。

    パト全盛期には、高橋さんがいたのは事実。何より高橋さんに負けたのは1回ぐらい?で常に自分よりは「下」。ライバルというより心地よい存在だったと思う。
    「どうしてる?と聞いた」とあるが、たいして気に留めていないとも受け取れる。

    高橋讃美派ライター連に過剰反応はしなくても良い、とは思いました。

    • Jun より:

      ごろ寝さま

      田村さんは、スケ連から急遽頼まれたプレカンの通訳も引き受けるような人なので、そりゃ高橋推しの記事ぐらい平気で書きますよね。

      べつにそのこと自体は悪いことではなくて、「仕事として割り切っている」だけの話ですから。長年この仕事をしてきて培った「人脈」を持っている方なので、良いものは良い、と私は評価したいです。
      ちなみに、Web版の記事の方は、私はアクセスすらしていません。TwitterのTLで流れてきた内容でお腹いっぱいです。

  4. ととちゃん より:

    パトリックのインタ、本当に良かったですよね。ソチの結果に拘泥していた彼の心を救ったのもまた、ソチのライバルだった。
    それは、羽生選手がその後もずっと変わらずポディウムに立ち続けたからこそ、そして平昌でも結果を出したからこそ。100年に一度と言われるスケーターが相手だったことを4年かけて理解し、ようやくgood loserになれたのだな、と思いました。
    しかし、オリンピックというものは、それほど大きく選手の人生や魂を支配するものなんですね。

    羽生選手は多分パトリックより精神面で大人なのでしょう。オリンピックチャンピオンとして、どうあらねばならないか、何を求められているのか、を細胞レベルで理解している印象があります。
    そうですね、そもそもスケート連盟の面々とは立場も覚悟も違う。鶏冠に来ることが実に多いですが、junさんを見習って大きく構えて羽生選手始め頑張っている選手だけを応援していきたいです。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      やっぱ羽生君は、世界的に見ても苦労しているスケーターだと思いますよ。震災のこともありましたし、国内でこれだけ嫌がらせを受けても、オリンピックで金メダルを2つ持ち帰ってきた。そんなアスリート、フィギュアスケートに限らなくても、まずいないです。そりゃ、精神的にタフだし、大人だし、謙虚であるはずですよね。

  5. おの より:

    田村さんはどんな思いで書いていたのかとWeb版との違いがかなりあるようですね
    私は幸運にもWeb版は読んでいませんが…
    パトリックは大人になったのでしょう
    冷静に自分と羽生くんを見つめる事が出来た
    こんな風に言ってくれて嬉しく思います

    それが出来ないOBもいて嘆かわしいです
    これから羽生くんはどんな戦いをするのか、とても楽しみですが不安もあります
    全日本で何が起こるか分からないって思ってしまう
    陰謀論は好きでは無いけど、こう色々とあると考えてしまいます
    羽生くんにしか興味が無いけど、若手の選手がどうなるのか?
    気になりますね
    松岡修造さんも1ページありますね
    特に新しい事は無かったけど、松岡さんが出てるとホットします
    Numberは買うつもりは無かったのですが、本屋ではビニールにくるまれて中を読めなかった
    金メダリスト名鑑があるからでしょうか
    仕方なく買いました
    しかしスケ連はこれからどうするのか?
    このまま知らんぷりを通すのでしょうね
    段々あからさまになって来ました
    浅田さんも追い出したかったのでしょうね
    スケ連のトップ選手ページにある時から名前がなくなりました
    純粋なファンはショックだったようですが、マオタは羽生くん叩きに夢中で何にも気付かなかった
    先輩と後輩君だけでぬくぬくしたいのか?と思ってしまいます
    Junさん、私は羽生くんの居ないフィギュアには未練はありません
    雑誌も試合も見なくなるかな
    日本がアウェイってほんとに悲しいで

    • Jun より:

      おのさま

      いまのスケ連のやってることって、あからさますぎて、引くレベルですよね。「周りにどう見られているか」という判断力が欠如してますよね。日本人ならもう少しうまくやったら?と。

      真央ちゃんに対してもそうなんですか・・・。あれほどの功労者に対してもそうなのだから、嫉妬だけをエネルギーにしているとしか思えませんね。おぞましいです。

  6. 名無しの猫 より:

    Pさん、そんなふうに思ってくれてるんだ、と感慨深いです。
    ソチ直前には、Pさん、羽生さんのこと、悪魔が肩に・・・とか言ってビビってません
    でしたっけ? Pさんも変わりましたね。

    >沈みゆく泥舟

    泥水の中から立ち上がって美しく咲く、蓮の花のような羽生さんを、これからもずっと
    見つめていきたいです。
    あ、掃き溜めに鶴、とも言いますね。

    • Jun より:

      名無しの猫さま

      泥というかヘドロというか、そういうものが凝縮されていますよね。あの団体の幹部連中を見ていると。

      まぁ、シーズンも終わったからいいでしょう。羽生君のショーへの復帰はあるのかどうか見守りたいと思います。

  7. マリィ より:

    こんばんは
    私も買うつもりなかったのでレビューありがとうございます。
    Pさんは羽生くんが色んな困難を乗り越えていく姿、そして連覇してくれたからこそ認める事が出来るようになったんでしょうね。
    以前のPさんの言動は大人げないでしたが。
    羽生くん自身も困難が無ければもっと違ったかもしれませんが、PさんやOB達のようでは決してなかったことでしょう。
    お母さんの感謝を忘れずにとか教育も素晴らしかったですしね。
    世界選手権の羽生くんのネイサンへの対応は私も感心しました。
    そんな羽生くんのファンでいられるのは誇らしいですね。
    日本での羽生くんの扱いに不安を覚えてしまいますが、どうか負けないでという気持ちです。
    私も羽生くんが引退したらスケートは以前のようになんとなく見るくらいに戻るかもしれません。

    • Jun より:

      マリィさま

      つくづく、親の教育、本人の資質、そして指導者や友人との出会いですよね。トロントに渡って、本当に良かったと思います。

      もし仙台に留まっていたら、いまの何十倍・何百倍の嫌がらせを受けていたはずで、ソチはともかく、平昌までスケートを続けてくれていたかどうか、まったく想像もできません。最近、姿を見かけませんが、私は、城田さんの協力も大きかったと思っていますよ。