JGPアルメニア(女子SP)感想

JGPアルメニア(女子SP)感想

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カニちゃん。第1グループ2番滑走でいきなり67.75のハイスコア。オーストリア大会ではノーミスの演技で67.77だったので、ショートは抜群の安定感を誇っています。

ジャンプをソツなく決めていき、着氷後すぐにターンを入れる難しいプログラムです。もう少しスケートが伸びてくると見ていて優雅な印象が増しそうなんですが、「やらなきゃいけないこと」が多すぎて余裕がないのか、あるいは意図的にギチギチに振付を詰め込んだプロにしているのか、そこはよく分かりません。ただ、まだ13歳です。おそるべき完成度ですね。

荒木さん。いいスコアが出ました。63.05!チェコ大会が60.93(3Fでアテンションあり)だったので、昨シーズンなみにコンディションは戻ってきていますね(昨季JGPのショートは、62.98と64.57)。

ジャンプは文句なしの高さと幅。川畑さんも素晴らしかったですけど、荒木さんのジャンプも見ていて爽快感があります。スピンも巧い!注文をつけるとすれば、ステップですかね。ただ、キャシー振付の「素敵なあなた」が2シーズン目で、たとえ振付や編曲がブラッシュアップされたとはいえ、個人的にはちょっと飽きてきたかなぁ・・・と。ここでフリーもノーミスを揃えられると、全日本ジュニアと全日本に向けて、いい感じで調子を上げてくれそうです。

横井さん。57.62。転倒がひとつありましたが、むしろ冒頭のトリプルがややオーバーターン気味で、よくセカンドをつけたなと。この粘り強さが、昨年末の全日本や今年の世界ジュニアの活躍以降、彼女が実力をつけた証といえると思います。

衣装をガラっと変えてきましたが、彼女は何年も前から面白いデザインのものを身にまとうので、いわゆる「ジュニアっぽさ」とは無縁の装いですよね。デザイナーが優秀なのか、彼女が何かアイデアを出しているのか分かりませんが、個人的にいつも衣装を楽しみにしています。

さて、トゥルソワです。74.19。リトアニア大会では74.74でしたが、まぁ、女子のジュニアはクワドも3Aも跳べないので、さすがにスコアはもう頭打ちですよね。

いまの彼女は、すぐにシニアの試合に出場しても、まさに「4回転の暴力」で、ザギちゃんを粉砕するんじゃないかという、恐るべき選手です。「高難度ジャンプで高得点を出す」ということに完全特化した、エテリのスケーターの中でも最高傑作と言えるかもしれません。来シーズンは、コストちゃんと一緒に上がると思いますが、どういう力関係になるのか興味深いです。

この記事がアップされる、まさに金曜0時に鍵山君が滑走中のはず。いろいろと書籍を買ってはいますが、とりあえず明日は男子SPをレビュー予定です。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. kanon より:

    トゥルソワすごいですね。
    ジャンプの難度や質が圧倒的すぎます。あとは表現の成熟やスピンの回転くらいしか改善点がないです。ただフィギュアは表現が魅力のひとつの競技なんですが…。
    彼女の滑りを見てるとスケートというより格闘技なんですよね。お父さん似?
    しかし、TESの暴力がすさまじいw

    そういえば最近雑誌が次々淘汰されてますが、どうやら羽生さんには肖像権等を保護管理するコンサルがついたようです。スケ連の嫌がらせや陰謀などではなくやっと彼も権利を守ってくれる会社がついただけでした。
    ちなみに株式会社team Siriusという会社で魂のプログラムの刊行協力もしています。
    ソースはhttps://business-ec.yahoo.co.jp/ppip/list.htmlです。
    肖像のところに会社名が入ってます。

    • Jun より:

      kanonさま

      かりにトゥルソワが来季シニアに上がってこのパフォーマンスを維持できるのであれば、間違いなく無双状態で連戦戦勝でしょう。ただ、そうなると、必ず「トゥルソワ潰し」のルール変更が速やかにおこなわれそうです。手っ取り早いところでは、「女子は(健康上の理由から)4回転禁止」とかでしょうか。

      管理会社の件をお教えいただきありがとうございます。これにより、この問題が沈静化することを望みます。

  2. sennin より:

    菜那ちゃん3Fに!がついてますが、まずまずでした。転倒なしはとて大事です。Junさんチョット飽きてきましたか?(笑)私はまだ飽きません。ライストでみながら一緒に振りをやってました。
    横井さんは確かに個性的な衣装ですね?濃いといいますか…。

    カニちゃんくらいのプログラムは観やすいです、私には。まだ13歳とは驚きです。

    トウルソワちゃんは衣装といいやはりこれでいくんですね〜。スケートが巧いという言葉しか出て来ないし、3回転は楽過ぎるという印象を受けました。来季はコストちゃんにシェルバコワちゃんも上がるし凄いことになりそうです。フリーはまたあの4回転のためのリンクの使い方と衣装なんでしょうね。

    男子が、え!ってことになって益々目が離せなくなりました。
    菜那ちゃんフリーも3位キープ出来ますよう応援します!。

    • Jun より:

      senninさま

      菜那ちゃんのプロトコルは記事を書いた後に見ましたが、アテンション付きでこのスコアだと、クリーンだったら自己ベストだった可能性もありますね。

      トゥルソワにとっての、4回転の無いジュニアのショートというのは、見ている側からすると,なんだか練習で軽く流しているようにさえ見えて、まったく緊張感のない演技に見えました。4回転を跳びまくれば「この選手はジャンプだけ」と言われ、いざ跳ばなければ「緊張感がない」と言われる。たぶんこのような不満を感じているのは私だけではないはずですが、「他の選手が4回転を跳んだら、自分は5回転を跳ぶ」という発言を鑑みると、自業自得という気もしますが。

  3. ととちゃん より:

    菜那ちゃん、ジャンプは良かったですが、ステップで何回か躓いたように見えた時がありました。まだ充分滑り込めていないのかも知れませんね。

    衣装が少しシンプル過ぎる印象です。ゆは菜ちゃんがとても個性的なので、よけいにそう思うのかも知れませんが。
    カニシェワは素敵ですね。
    トゥルソワは、もうこの路線で行くのでしょう。確かに上手いし、ジャンプも鋭いけれど
    なんだかフィギュアという感じがしないのは
    彼女の幼い外見もあるのかも知れません。
    好みの問題ですが、個人的には、もう少しだけ成熟した体つきであって欲しいです。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      菜那ちゃんは、身体は決して大きくないのにジャンプは高さも幅もあって素晴らしい。ただ、スケーティングや振付(とくに腕の使い方)、そして衣装も含めて、例えば、川畑さんと比べると「ジュニアっぽさ」がまだある選手だなと。

      ただ、それを言ったら、川畑さんにはSP・フリー両方をノーミスで揃える安定感が絶対に必要ですし、その辺りも含めて穴が無くなってくると、彼女たちはシニアで世界のトップで戦える選手になるんだと思います。まだ4年ありますから、成長を期待しています。